◇4歳 あなたの嫌いなものって。
※動物でも人間でもやりすぎは虐待になるのでお気を付けください(過ぎたるは猶及ばざるが如し)ハイ 私も気をつけます!
そろそろ予防注射の時期、今のところ健康だから病院のお世話にならずに済んでいたが、どうしても予防注射は免れない。
ミトミは察知したのか姿を消した。母と二人がかりでミトミ捜索開始。
「ミトミ~ツナあげるから出ておいで~」
「ミトミちゃん~削り節でもいいよ~」
この好物の名前を挙げただけでもぶっ飛んでくるのに、猫なで声で察知したか?好物を出したから疑ってるいるのか?
外には出られないから 居間のソファーの下?テレビの裏?本棚の隙間?食器棚の隙間?風呂場?「いない」
ミトミは2階に上がるのを面倒がっているから1階にいるはず。
客間? 押入れ?隙間のある所?布団の間?座布団重ねた所?
「あ~ん、いったいどこに行った???」
ミトミの入れそうなところを二人で片っ端に探す。
「ギャー!!」
「どうしたお母さん!」
「コオロギの遺体発見」
「驚かさないでよ、何かあったかと思ったじゃない。」
『だいたい普通なら もう見つかっているのだが、今日は粘るなミトミ。これでも見つからない時は奥の手』
本当に好物のツナ缶と削り節を持って匂いでおびき出すしかない。
だが、鼻が良くないので、結局好物を持ちながら また、心当たりを探す。
「見つけた!」 母の声。
「どこに居た?」
うなだれたミトミを抱えた母。
「ハイ、今回は風呂場の立てかけたふたの裏でした」
母と私が鬼で、まるで隠れん坊のよう。
散々抵抗し それでも二人がかりで強引に病院に連れて行き、その頃には観念したようにおとなしくなり、注射を打たれてへこむミトミ。
「ミトミちゃん、よく頑張ったね」
ふびんに思った母が削り節をおやつにあげた。
『こんなもンじゃ 帳消しにならないけどね!』
食べながら、にらんでいる感じでこっちを見ているミトミ。
ハ~イ。一難去ってまた一難ですよ。ミトミさ~ん。
ミトミにも災難だが、こっちも結構も大変なんだ。
そして、いずれは通らねばならない道。
ミトミのフワフワな毛がぺったりになりかけて、そろそろお風呂の頃。
これまた、ミトミの嫌いなもの。
「ミトミ~」「ミトミちゃん~」
(この猫なで声が止めた方がいいのか?)また察知して逃げた。
「ミトミ~」「ミトミちゃん~」
母と二人で声をかけながら 病院同様捜索し始める。
ご飯の後、襲ったので遠くまで逃げられないはず。
発見!したものの、テレビの下のラックの隙間にバックしながら逃げ込み、
『風呂に入りたくない!』を主張しながら牙をむいて威嚇している 。
ここで「ふざけんなよ」何て乱暴な言葉は禁物。ますます意固地になる。
それでも引っ張り出そうとするとミトミも必死で噛み付いてくる(エッ?お父さんに怒られて噛むの止めたンじゃないの ?)
「ウゥ・・」『風呂嫌ですゥ~』
うなりながら『嫌!』を主張し『取り出そうとしたら嚙ンじゃうぞ』の威嚇。
父がいれば父に噛み付くわけにもいかず(権力者への犬なりの忖度?)取り出してもらえるのだが、まだ帰って来てないので・・・
仕方ない最後の手段、蚊取り線香を持ち出し 火をつけてうちわであおぎ いぶす。
煙もうもう、「ゴホ ゴホ」咳き込む母と私。いぶした部屋だけでなく家中、蚊取り線香の煙と匂いが充満、根比べ。
ミトミが「ゲホ ゲホ」言いながら(虐待じゃないです。対抗手段です)降参して出てきた。
『人間の知恵なめんなよ。私らだって煙いンじゃ』
実は私もお風呂あまり好きじゃないから ミトミの事、責められないンだけどね。
シャンプーを泡立て毛になじませ、モコモコの泡の中、洗いだすと観念しておとなしい。
ぬるま湯にして目や耳に水が入らないようにして洗う。
犬用だから香料は無いけど ほんのりシャンプーの匂い。
何回かすすぎ、ここでブルブルさせないように押さえ バスタオルの方に運ぶ。
「まだブルブルしちゃ駄目だよ」
言っているのにバシャバシャぶるんぶるん身を振るい仕返ししてきた。
こっちも水気を浴びながら さらに最後の仕上げドライヤーで乾かす。
風にそよぐフワフワの毛と共に微かにシャンプーの香り。
『あのノミ騒ぎはごめんだ。ミトミだってきっと気持ちいいはずなんだけど』
それにしてもびっしょ濡れのミトミの姿は、貧相な犬のミイラ(見たことないけど)のようだ。これだけは笑える。
この攻防が繰り返される。ミトミよ、いい加減諦めて欲しい。
『だって嫌なもんは嫌なんだもん』
湯上りミトミがそう言っているようだ。