富太郎が気の向くままに、再び「ちょこっとプレゼン」させていただきます。
誰かのお役に立てば、幸いです。
今回のお題「権利義務取締役」
横綱 照ノ富士 の引退が発表され、大相撲は「横綱不在」となりました。
これが会社であれば、どうでしょうか。 代表取締役が、不祥事等で辞任
しても、他の取締役が代表取締役に就任すれば、この辞任は認められます。
では1人しかいない取締役は、「辞任」できるでしょうか。 この「辞任」
を認めると、会社の運営ができなくなります。
このような状況を避けるために、会社法346条1項は、次のように定めて
います。
『役員(取締役・監査役・会計参与)が「任期満了」又は「辞任」により退任
したことで役員が欠けた場合、又は会社法若しくは定款で定めた員数が欠け
た場合には、当該役員は、新たに選任された役員が就任するまで、なお役員と
して権利義務を有する。』 (権利義務承継役員)
会社法で定めた員数の例としては、「 取締役会設置会社 においては、取締
役は、3名以上でなければならない。(会社法331条5項)」に基づいて、
3人の取締役のうちの1人が「辞任」しても、取締役としての権利も義務も
なくなりません。
従って、取締役会で議決権を行使する等、業務執行権を行使できる一方で、
役員等の会社や第三者への損害賠償責任も負わなければなりません。
「自分はもう取締役ではないから。」とは主張できないのです。
そもそも「退任登記」が認められません。
権利義務取締役(役員)が退任するためには、会社の責任として後任の取締役
を選任すればよく、権利義務取締役は、取締役会に働きかけて、役員選任の
株主総会を開催してもらえばよいわけです。
最後に、司法書士試験の過去問です。 (平成22-34-ウ)
問 株主は、退任後もなお役員としての権利義務を有する者については、その
者が職務の執行に関し不正の行為をした場合であっても、解任の訴えを提起
することはできない。
答 ◯ 346条1項に基づき退任後も権利義務を有する役員につき、職務執
行に不正な行為又は法令・定款に違反する事実があったとしても、854条
の「解任の訴え」を適用ないし類推適用することはできない。
(最判平20.2.26) ⇒ 後任の取締役を選任すればよい。
もう1問 (平成26-30-オ)
問 3人以上の取締役を置く旨の定款の定めのある取締役会設置会社において
取締役として代表取締役A並びに取締役B、C及びDの4人が在任している
場合において、Aが取締役を辞任したときは、Aは、新たに選定された代表
取締役が就任するまで、なお代表取締役として権利義務を有する。
答 × 346条1項があっても、取締役Aの辞任によっては、定款で定めた
取締役の最低人数3名に欠けることとはならないため、Aは取締役としては
権利義務を有するこなく、退任することとなる。
代表取締役であるAの辞任によって、代表取締役の最低員数1名に欠ける
こととなるが、Aは前提資格である取締役としての権利義務を有することな
く退任する以上、代表取締役としての権利義務のみを有することはなく、
代表取締役も退任することとなる。
⇒ 代表取締役は、取締役でなければならない。
取締役会で、B、C、Dの中から、新しい代表取締役を選任する。
今回は、以上です。
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