私の師匠は祖母です

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コラム
私は幼いころ、とても大人しく恥ずかしがりでした。


お盆やお正月、恒例で母の実家に遊びに行きます。
他の親せきがいるのが嫌で祖母の部屋に隠れていました。


テレビのない部屋にひとり閉じこもり、
遠くに聞こえる大人たちのはしゃぐ声に耳を澄まし、
チラシの裏に絵をかいて過ごしました。


そんな私にお菓子や飲み物を届けてくれるのはいつも祖母でした。


客人の世話の傍ら、私を気にかけてくれました。
菅井きんさんを田舎風にした祖母です。
間寛平さんにも似ています^^


愛情溢れる眼差しと微笑みで、
「お腹は空いとらんね?他に食べたいもんは無かかい?」
そう言って私の目をあったかく見てくれる。
ここに居てもいいんだ、忘れられてもいなかった。
私はホッと安心するのでした。


他の大人たちが来ると、
「向こうに行って一緒にテレビでも見よう?」
「怖い人はおらんから、あっちに行こう」
私を連れて行こうとします。


しかし、連れていかれたところで、
「おー、やっと出てきたか!」
「恥ずかしがっとっても美味しいもんは食べれんぞ!」
大きな声で話しかけられ注目を浴び、
ヤレヤレという苦笑いを見ることになります。


後は放ったらかしにされ、
仕方ないからつまらないテレビを見る〝ふり〟をします。


酔っぱらった大人たちはさらに大きな声になり、
カラオケは始まるし、会話は下世話になってくる。


どうか、私に誰も話しかけませんように…
そう願いながら、体を固まらせてテレビ画面に顔を向けていました。


そんな時、祖母はそっと私の側に座り、
大人たちからあまり見えなくしてくれました。
子供の好きそうな食べ物ばかり取り分けた皿を、
ふと私の前に置いてくれる。


大人たちが時間を忘れ楽しんでいると、
「ばあちゃんの部屋で話しばしよっか?
面白い話ば聞かせてやろか?」
そう言って私を喧噪から救い出してくれました。


祖母はバリバリの方言、イントネーションで、
いろんな話を聞かせてくれました。
スタンダードな昔話や、
お転婆だった母の小さかった頃の話。
祖母がつくった冒険の話。


冒険の話では私が主人公でした。
他の親せきの子供がいる時は、
その全員が主人公でした。


今こうしてキーボードを叩きながらも、
あの優しさが蘇り、恋しくて涙が出そうです。


きっと天国でも優しい笑みでいることでしょう。


接客業に携わっている時の、
私の芯にはいつも祖母がいました。


何も私に期待せず求めず、
でも「あなたが愛しい」とふわりと私を包みます。
すると心がじんわりと温もります。


この感覚が私の心に強く残っています。
嬉しさや安堵や心地よさが混ざり合って、じんわり。


人を温かく包める人になりたい。
「なぜそう思うようになったのですか?」
昨夜、NLPの講師にそう尋ねられ、
その時はよく分かりませんでした。


自身のうつ病がきっかけでもありましたが、
それ以前から願望はあった。


そして今日。
祖母から貰った優しさが嬉しかったからだ、
しっかりと思い出しました。


あぁ、私の師匠はばあちゃんだ!
昨夜は忘れていたくせに、
今はそうとしか思えません(笑)


もしも祖母が天にいるならば、
「ばあちゃん、私は元気にしとるよ。
恥ずかしがり屋でなくなったよ。
恥ずかしがっとったら、困っとる人を助けられん。
そやけど、ばあちゃんみたいに上手に出来ているやろうか」
そう尋ねてみたいです。








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