【自分が住む家なのに、なぜ貸す話をするのか】
現役経営者のyamacと申します。
本業の経営支援のかたわら、築年数の古い戸建てを買ってリフォームして貸す事業を自社で運営しています。宅地建物取引士です。
マイホームの購入を考えている方から、相談を受けることがあります。
そのとき私が必ずお伝えするのが、この記事の内容です。
家は住むためのものです。それは間違いありません。ただ同時に、多くの人にとって人生でいちばん高い買い物であり、あとから簡単に手放せない資産でもあります。
転勤になるかもしれない。親の介護で実家に戻るかもしれない。家族構成が変わるかもしれない。
そのとき「売る」か「貸す」かの選択肢が残っているかどうかで、人生の選択肢の幅が変わります。
私は貸す側として、物件を選び、直し、借り手を探しています。その目線で見ると、買う前に確認しておけば良かったと思う物件がよくあります。
今日はその3点をお伝えします。
なお、これは「投資として家を買いましょう」という話ではありません。住みたい家を買うのが大前提です。そのうえで、同じくらい気に入った候補が2つあったなら、こちらを選んでおくと後で楽になる、という話です。
【1:この立地で、10年後に借り手がつくか】
いちばん大事なのはここです。そして、いちばん簡単に確認できます。
やり方は単純で、賃貸情報のサイトでそのエリアを検索するだけです。見るのは家賃ではありません。募集がどれくらい出ているかを見ます。
同じような広さ、同じような築年数の物件が、いくつ募集されているか。そして、その募集がいつから出ているか。
募集がたくさん出ていて、しかも長く残っているエリアは、借り手が少ないということです。逆に募集自体がほとんどないエリアは、二通りの解釈ができます。借りたい人が多くてすぐ埋まるのか、そもそも賃貸需要がないのか。この見極めは、駅からの距離や周辺の施設と合わせて考えます。
私が物件を検討するとき、いちばん最初に見るのがこれです。建物を見に行くのは、そのあとです。
買う立場でも同じことができます。内見に行く前に5分だけ、そのエリアの賃貸募集を眺めてみてください。
【2:貸しにくい間取りが、実在します】
これは実際に貸してみて分かったことです。
間取りには流行があります。そして、流行を強く反映した間取りほど、時間が経つと借り手を選びます。
たとえば、居室をひとつ潰して大きなウォークインクローゼットにしてある物件。買う人の好みとしては分かりますが、貸すときには「3部屋あるはずが2部屋」として扱われます。
同じように、リビングを異常に広く取って個室が狭い間取りも、家族向けとしては使いにくくなります。子ども部屋として成立しない広さの部屋は、部屋数に数えてもらえません。
判断の目安は「標準的な使い方ができるか」です。特殊な間取りは、それを気に入る人にしか売れず、貸せません。買うときに「この間取り、面白いですね」と言われる物件は、少し慎重に考えていいと思います。
【3:修繕費が読める建物かどうか】
これは築古を扱っていると毎回向き合う部分です。
家は必ず傷みます。
問題は、いくらかかるかが読めるかどうかです。
読みにくくなる要素があります。
・増築を繰り返している(構造が複雑で、どこが傷むか読みにくい)
・特殊な外壁材や屋根材を使っている(同じ材料が手に入らず、補修が高くつく)
・水回りの位置が標準的でない(配管の経路が特殊だと、交換時に工事が大きくなる)
・傾斜地や擁壁の上に建っている(土地側の維持費がかかる)
内見のときに見ておくのは、雨漏りの跡、床の傾き、水回りの状態の3つです。天井のシミ、押入れの中の壁、床に置いたビー玉の転がり方。素人でも見られます。
そして、可能なら建物の点検を専門にしている方に見てもらうのが確実です。数万円の費用で、数百万円の想定外を避けられることがあります。
【まとめ:住みたい家を、選択肢を残して買う】
繰り返しますが、家は住むために買うものです。利回りで選ぶ話ではありません。
ただ、同じくらい気に入った候補が並んだとき。あるいは、少し無理をするかどうか迷ったとき。「もし手放すことになったら」という視点を一つ持っておくと、判断が変わることがあります。
・そのエリアで、賃貸の募集はどれくらい出ているか
・その間取りは、標準的な使い方ができるか
・その建物は、修繕費が読めるか
この3つを見ておくだけで、将来の選択肢は残しやすくなります。
住まい選びについては、ココナラの電話相談でもご相談を承っています。1分100円なので、10分ほどの短い相談でも構いません。買う側の目線と、貸す側の目線の両方からお話しできればと思っています。
まずは次の内見の前に、そのエリアの賃貸募集を10件だけ眺めてみてください。見えるものが変わります。