好奇心の大切さ

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ノーベル賞の発表がいろいろ行われています。ご存知のとおり、真鍋淑郎さんが「地球気候モデルの開発」で物理学賞を受賞しました。自然科学のノーベル賞は3分野で、物理学賞の他に、化学賞と生理学・医学賞があります。他2賞についても、ちょっと見てみましょう。

化学賞の受賞は「有機触媒の開発」(マクミラン教授、リスト教授)。酵素、金属に続く「第3の触媒」と呼ばれる有機触媒を開発しました。酵素は複雑な構造で人工合成が難しい、金属は高価で有害なものも多い、という課題がありました。これを有機触媒でブレイクスルー。医薬品や太陽電池素材などの製造に応用できるそうです。生理学・医学賞の受賞は「熱・触覚センサーの発見」(ジュリアス教授、パタプティアン教授)。生物が生きる上で必須の感覚センサーの可能性を広げました。センサーを刺激する新しいたんぱく質を発見。研究が進めば、感覚の制御にも応用できるかもしれません。例えばエアコンの温度設定が高めでも「涼しい」と感じられ、省エネにつながるなど。

ノーベル賞は「発明」にあたりますが、その取り組み姿勢は、企業のイノベーションや商品開発にも応用できると思います。会社員の日常業務にも参考になる。3賞共通して言えるのは、「理想→問題意識→好奇心→没頭→継続」という流れです。しかし、R&D専任者は別として、一般ビジネスパーソンは日々の業務、捌きに忙しく、新しい価値開発に長期間没頭するのは難しい。とするとこの中で見習いたいのは「好奇心」ではないでしょうか。真鍋さんは1960年当時のコンピューターに興味を持った。ジュリアス教授(センサー発見)は、トウガラシの刺激に注目しました。「若い人に期待するのは好奇心だ」。真鍋さんも、過去の日本人ノーベル賞受賞者の多くが「好奇心」の大切さを語っています。

私も新社会人によく「20代で大切なのは、好奇心と冒険心だ」と言っていました。今でもそう思います。好奇心で、アンテナを広く張り、気づく力を鍛え、コミュニケーションも活発になる。それが一歩踏み出す冒険にもつながる。自然科学に限らず、若者に限らず、「好奇心を大切にしたい」、そう思います。

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