新型コロナウイルスの影響は！？ 今週の日米株式市場の相場見通し

☆　株式相場展望　－週報－　☆　　2020/12/13（日）

☆　来週の相場見通し

☆　米国市場

　先週の米国市場は新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で芳しくない経済指標なども見られたが、特に売り急ぐという場面も少なく、高値圏での保ち合いとなった。週初からハイテク銘柄などの買戻しでナスダック指数は高値更新となったが、買い戻し一巡後は手仕舞い売りに押されるという展開で結局は前週と変わらない水準となった。さすがに買われすぎ銘柄も多く、新政権の政策に関しても楽観視できないような雰囲気もあって買い急ぐようなことはなかった。逆に、上値の重さが確認されると追加の経済対策の遅れなどが取り沙汰されて冴えない展開となった。

　今週はＦＯＭＣ（公開市場委員会）での追加の金融緩和が期待されるが、ある程度織り込まれているものとしてサプライズのあるような金融政策が見られないと特に反応はないだろう。逆にクリスマス休暇を控えての持高調整の売り買いが中心となりそうで、積極的ｎ買い上がるような動きにはならないだろう。新型コロナウイルスの経済への影響が取り沙汰されて緩和強化となっても逆に景気悪化懸念が強まるということになりそうだ。緩和強化がみられないと失望感から売られるのだろうし、いずれにしても買われすぎ銘柄などを中心に冴えない展開となるだろう。

　今週は火曜日に輸出入物価指数やニューヨーク連銀景気指数、鉱工業生産指数が発表され、水曜日は早朝に国際資本統計（ＴＩＣ）が発表される。夜には小売売上高や企業在庫・売上高、ＮＡＨＢ住宅市場指数が発表され、木曜日未明にＦＯＭＣの結果や経済見通しがＦＲＢ（連邦準備制度理事会）から発表される。木曜日夜には住宅着工件数やフィラデルフィア連銀景気指数、新規失業保険申請件数が発表され、金曜日に経常収支や景気先行指数が発表される。

☆　日本市場

　先週の日本市場は週初から冴えない展開となり、調整となるかと思われたが、週末の先物・オプションＳＱ（特別清算指数）算出を控えての持高調整の買戻しなどもあって高値圏での保ち合いとなった。指数に影響の大きな銘柄がいわば「仕手化」して指数を押し上げるような展開になるなど、ほんの一握りの銘柄が指数を押し上げる形となった。小型銘柄や買われすぎ銘柄を中心に手仕舞い売りに押されるものも多く総じて上値の重い展開となった。

　今週は新型コロナウイルスの感染がさらに拡大しているということなどから、「ＧｏＴｏキャンペーン」の見直しなどが取り沙汰されることになりそうだ。週初の日銀短観も楽観的な見方が少ないのではないかと思われ、「我慢の三週間」が経過することから終息の気配でも見られないと経済への影響が取り沙汰されて手仕舞い売りを急ぐことになるだろう。特に買われすぎた銘柄などは手仕舞い売りに押されるものも多くなりそうだ。一方で、売られすぎ銘柄の中には先週の食品株の一角のように戻りを試す動きになるものも見られるだろう。

　新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で、新規上場ラッシュが始まるのも今週からの株価の動きに影響がありそうだ。今までに上場したはいいものの寄り付き天井となったようなものも多く、こうした銘柄を損切りして新たに上場した銘柄に乗り換えるような動きもあるのだろう。年末の税金対策も盛んに行われそうで、益出し、損出しの動きがみられ。買われすぎたものは売られ、売られすぎたものは買われるという場面もあるかもしれない。いずれにしても持高調整の売り買いが中心で、少なくとも買戻し一巡となったものから上値は重くなりそうだ。

　今週は月曜日に日銀短観や鉱工業生産指数、第３次産業活動指数の発表あり、火曜日は商業動態統計、ＥＳＰフォーキャスト調査が発表される。水曜日は貿易収支、木曜日は首都圏マンション販売、金曜日は全国消費者物価指数（ＣＰＩ）が発表される。

☆　一目均衡表　テクニカル分析

・ＮＹダウ

　高値更新となる場面もあったが、週末にかけて上値の重さを確認する形となった。今週は25日移動平均線にサポートされるのかどうか、高値を抜けるのかどうかが注目される。25日移動平均線を割り込むと一気に29,000ドルの節目までの下落ということもありそうだ。可能性は低いと思うが高値を抜けるようなことがあれば、30,500ドルまで上昇の可能性がある。

　予想レンジ　　29,000ドル～30,500ドル

・ナスダック指数

　先週は高値から急落となったが、この高値が当面の高値となる可能性も出てきた。25日移動平均線を下回るような展開になれば、一気に75日移動平均線まで下落する可能性もあり、まずは25日移動平均線で止まるかどうかが注目される。高値更新はないと思われ、上昇したとしても先週の高値を抜けることはないだろう。

　予想レンジ　　11,600ｐｔ～12,600ｐｔ

・日経平均

　月曜日の寄り付きがほぼ高値となっており、当面この高値を抜けることはないと思う。まずは26,200円水準までの調整は見られるのではないかと思う。25日移動平均線ではサポートされると思うが、この水準を下回るようなことがあれば、一気に25,500円水準までの調整はあるのだろう。

　予想レンジ　　25,500円～26,800円

・日経ジャスダック平均

先週は高値引けとなったが、ここが当面の高値となる可能性もありそうだ。ＲＳＩには上値余地もあるが、ストキャスティックスは高値圏にあり、いったんは25日移動平均線のサポートを確認するような調整は見られると思う。

　予想レンジ　　3,640円～3,700円

・ドル円

　基準線や25日移動平均線に上値を押さえられている状況は変わらないが底堅さも見られる。雲の下限も下落してくるところでもあり、さらに上値の重さが嫌気されることになるのではないかと思う。保ち合いを下に放れるのではないかと思う。

　予想レンジ　　103.0円～104.5円

・今週の相場見通し