子どもが「学校に行きたくない」と言ったとき、親は迷います。
本当に休ませていいのか。
少し頑張らせた方がいいのか。
このまま不登校になってしまうのではないか。
甘やかしにならないか。
その迷いは、とても自然なものです。
けれど、子どもの心や体に明らかなサインが出ている場合、無理に登校させることで状態が悪化してしまうことがあります。
大切なのは、「行かせるか、休ませるか」を親の不安だけで決めないことです。
子どもの様子を具体的に見て、休ませる必要があるのか、親子で話す段階なのか、早めに支援につなぐべきなのかを考えることが大切です。
以下のチェックリストを、子どものSOSに気づくための目安として使ってみてください。
1つでも当てはまったら、休ませましょう
以下の項目に一つでも当てはまる場合は、まず学校を休ませることを考えてよい段階です。
子どもの心身がかなり疲れている可能性があります。
週1回以上、身体の不調を訴えるなどして、保健室など教室以外の場所を利用している
登校時間が近づくと、頭痛・腹痛・吐き気など、身体的な症状を訴える
身体的な不調や病気が毎月起こっている
不安を訴えたり、「死にたい」「消えたい」などと話したりする
なかなか寝つけなかったり、夜中に何度も目が覚めたりする
特に、「死にたい」「消えたい」という言葉が出ている場合は、単なる登校しぶりとして扱ってはいけません。
子どもがかなり追い詰められている可能性があります。
この段階では、登校を促すよりも、まず安全確保と休養が優先です。
必要に応じて、学校、スクールカウンセラー、医療機関、専門相談機関につなぐことも考えてください。
1つでも当てはまったら、休ませたほうがいい
次の項目に当てはまる場合も、無理に登校を続けさせるより、休ませる判断を考える段階です。
1週間以上欠席が続いている
週に1回程度は遅刻や早退がある
「学校に行きたくない」と言っている
無断欠席が発生している
学校でいじめや仲間外れにあっている
学校トラブルにあっている
この段階で大切なのは、「学校へ戻すこと」だけを急がないことです。
欠席、遅刻、早退が続いている場合、子どもはすでにかなり無理をしている可能性があります。
また、いじめや仲間外れ、学校トラブルがある場合は、子どもをその環境に戻す前に、安全確認が必要です。
「少し我慢すれば大丈夫」
「みんなもそういうことはある」
「行けば何とかなる」
このような声かけは、子どもをさらに追い詰めることがあります。
まずは休ませる。
そして、学校と連携しながら、何が起きているのかを丁寧に確認することが大切です。
1つでも当てはまったら、親子で対話を
次の項目に当てはまる場合は、すぐに深刻な不登校状態とは限りません。
ただし、子どもの心が学校や人間関係に疲れ始めている可能性があります。
親子で落ち着いて話す時間を持ってください。
人の視線やうわさを異常に気にするそぶりが見てとれる
部活動や校外活動、スポーツ、習い事をやめたがる発言がある
友だちと会ったり遊んだりすることを避けることがある
ここで大切なのは、問い詰めないことです。
「何があったの?」
「誰に何かされたの?」
「どうして言わなかったの?」
と一気に聞くと、子どもは黙ってしまうことがあります。
まずは、
「最近、少し疲れているように見えるよ」
「人の目が気になることがある?」
「無理していることがあったら、話せるときに話してね」
くらいの柔らかい声かけで十分です。
子どもがすぐに答えなくても、焦らなくて大丈夫です。
親が気づいてくれている。
責めずに聞いてくれる。
そう感じられるだけで、子どもは少し安心します。
1つでも当てはまったら、「不安なことある?」と聞いてみる
次の項目は、一見すると生活態度の問題に見えるかもしれません。
しかし、心の不安や学校へのストレスが、生活の乱れや態度の変化として表れていることがあります。
朝食、身じたく、トイレ等に時間がかかりすぎて遅刻することがある
すぐにイライラするようだ
以前よりも服装や身だしなみに無頓着になり、だらしなくなっている
課題や宿題が提出できないことがある
過度に甘えたり、わがままになることがある
自分の身体を傷つけたり、家族やペットに暴力、たたく・けるなどをふるう
これらの行動を見ると、親はつい叱りたくなります。
「早くしなさい」
「ちゃんとしなさい」
「だらしない」
「宿題くらいやりなさい」
そう言いたくなる場面です。
けれど、その背景に不安や疲れがある場合、叱るだけでは改善しません。
むしろ、子どもはさらに追い詰められてしまいます。
まずは、
「最近、不安なことある?」
「学校のことで気になることある?」
「何かしんどいことがあるのかな?」
と聞いてみてください。
このとき、すぐに答えを求めなくて大丈夫です。
子どもが黙っていても、反発しても、その一言は残ります。
「親は自分の変化に気づいている」
「ただ怒っているだけではない」
「話してもいいかもしれない」
そう思えることが、次の会話につながります。
チェックリストは、子どもを責めるためのものではない
このチェックリストは、子どもを評価したり、責めたりするためのものではありません。
子どものSOSに早く気づくためのものです。
不登校は、ある日突然始まるように見えることがあります。
でも実際には、その前から小さなサインが出ていることが少なくありません。
朝になると体調が悪くなる。
友だちと会いたがらない。
身だしなみが乱れる。
宿題が出せない。
イライラが増える。
眠れなくなる。
不安を口にする。
こうしたサインを、ただの怠けや反抗と決めつけないことが大切です。
もちろん、すべてを親だけで判断する必要はありません。
心配な項目がある場合は、学校、スクールカウンセラー、医療機関、教育相談、専門家に相談してかまいません。
大切なのは、子どもの変化を見逃さないこと。
そして、子どもにこう伝えることです。
「あなたが悪いわけではない」
「しんどいなら、まず休んでいい」
「一緒に考えよう」
学校へ行かせるか、休ませるか。
その判断で迷ったときは、子どもの表情、体調、言葉、生活の変化を見てください。
子どもは、言葉にできないSOSを、体や行動で出していることがあります。
そのサインに気づくことが、不登校を深刻化させないための第一歩になるのだと思います。