「空気が読めない子」ではなく、違う空気で生きている子
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コラム
―ギフテッドの子が雑談に入れない理由―
「うちの子、友だちの輪に入れないんです」
ギフテッドの子を育てる保護者から、よく聞く悩みです。
休み時間、みんなが楽しそうに話している。
でも、わが子は一人で本を読んでいる。
グループで話していても、急に関係のない難しい話を始めてしまう。
まわりが引いているのに、本人は気づかない。
親は心配になります。
「空気が読めないのかな」
「人に合わせる気がないのかな」
「このまま孤立してしまうのではないか」
しかし、私はこの状態を、単に「空気が読めない」と片づけてはいけないと考えています。
ギフテッドの子は、自分の興味あるテーマに深く入り込みます。
好きなことについて話すとき、その子の頭の中では、次々に知識や疑問がつながっていきます。
本人は楽しくて仕方がない。
だから、相手も同じように面白いはずだと思ってしまうことがあります。
でも、相手はそこまで興味がない。
その温度差に気づけず、話し続けてしまう。
結果として、「話が長い」「自分のことばかり」「空気が読めない」と見られてしまいます。
また、テーマのない会話が苦手な子もいます。
目的のない雑談。
その場のノリ。
何となく合わせる会話。
こうしたやり取りは、実は高度な社会的スキルです。
ギフテッドの子が苦手でも、不思議ではありません。
だからこそ必要なのは、「みんなに合わせなさい」と言うことだけではありません。
会話にも練習が必要です。
「相手は今、興味を持っているかな」
「一度話したら、相手にも聞いてみよう」
「難しい話をするときは、短く伝えてみよう」
「好きな話を思い切りできる場所も別に作ろう」
こうした支援が必要です。
私は、ギフテッドの子には「合わせる訓練」だけでなく、「安心して深く話せる場所」が必要だと考えています。
浅い会話に入る力も大切です。
でも、深い話をする力も、その子の大切な才能です。
空気が読めないのではありません。
違う空気で生きている子なのかもしれません。
その子が、自分の空気を失わず、人の空気にも少しずつ触れられるようにする。
それが、本当の支援だと思います。