【コミュニケーションが上手くいく】アサーションとは?【うまく伝える技術】

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みなさん、こんにちは!

今日は、アサーションを紹介します。

皆さんは相談援助を行う中で、クライエントへ必要なことを伝えるのに苦労されることはありません?あまり、ガシガシと言い過ぎても不況を買うし、逆に言わなさ過ぎても大切なことが伝えられないという狭間で僕は悩んでいます。

そこで、そういった「クライエントの気持ちよく受けれてもらえるように伝える伝える技術」としてアサーションについて解説していきたいと思います!

他にもコミュニケーションに関する記事を書いているので良かった読んでみてください。



アサーションとは「自分も相手も大切にする自己表現」です

アサーションとは、もともと英語のassertive、assertion という言葉からきており、これらの言葉は直訳すると「断言する」、「主張する」といった強い意味の言葉です。

心理療法としてはコミュニケーション技術の一つで「自分も相手も大切にする自己表現」ことを指します。

言いたいことを中々言葉にしづらい今の世の中で心理療法やコミュニケーションスキルとしても重要な概念だと思います。

アサーションの歴史

アサーションは、主張訓練(自己主張訓練、アサーティブトレーニング)とも呼ばれ、自分や他者の権利を尊重しながら、自分の感情や思考、考え方等を、相手に攻撃的、あるいは非主張的(受身的)にならずに伝えていく方法です。

特定の場面だけで活用するのではなく、アサーティブな行動が取れる場面の数と種類を増やしていくトレーニングを行うことで葛藤なく問題を解決することに役立ちます。

1950年代後半から1960年代にかけて、行動療法家の大家ウォルピが始めたもので、アサーティブやアサーションは日本語では主張性と訳されることが多いです。

ウォルピはこのアサーティブトレーニングを自分のことも相手のことも同じように大切にする自己表現として、【内気で人と会話することが苦手な人】や、【コミュニケーションがうまくできない人】、【引っ込み思案になって思ったことが言えない人】を助けるために、アサーションという考え方を自己表現の方法として開発しました。

大事なのは「一方的に自己主張をするのではなく、相手のことを思いやりつつ自己表現をする」ことです!

アサーションにとって重要なことは、「一方的に自己主張をするのではなく、相手のことを思いやりつつ自己表現をする」というところにあります。

我が国では、アメリカでアサーションの理論を学んだ平木典子氏によって紹介され、日本の風土に合った方法で実践し、「アサーション」とそのまま呼ばれています。

相談援助の場面では、専門職と言えども、つい感情的になってしまい相手への配慮を欠く「言い過ぎ」ということがあったりします。

悪気はなくとも、相手を傷つけたり怒らせたりしてしまうと、その場の雰囲気が悪くなり必要な情報やアドバイスが伝わりにくくなりますよね。

アサーションではこのような行動をアグレッシブ行動と呼びます。

この場合、いくら正論や的確な助言であっても相手は気分を害していると、内容ではなくいわれ様に対して侮辱されたという感情が生じてしまいます。

このアグレッシブ行動とは逆に、支援者自身をおろそかにする「言えない」ということがあります。

支援者に言うべきことがあっても相手の顔色を慮って伝えられないってことありますよね。

「言わない方が無難」と自分の意見を抑えてしまうのは、ノン・アサーティブ行動と呼ばれ、これが続くことで支援者にもストレスやフラストレーションがたまり、伝えるべきことが伝わらないため援助業務にも支障をきたすことになってしまいます。

このように自己肯定をし過ぎるもの、他者否定をし過ぎるのも相談援助においてはデメリットが多く、うまく自他の尊重を行うことが必要となります。

つまり、アサーションは相談援助に必要な、誠実でクライエントと対等な人間関係を構築する効果的な方法だと言えます!

アサーショントレーニングの三つのポイント

アサーションが実践できるようになれば、人間関係がより円滑になり、業務を進めやすくなるでしょう。内心と違うことを言ってしまったり、主張を我慢したりすることが少なくなれば、ストレスの軽減にもつながるはず。アサーショントレーニングを継続することで少しずつ習得し、 “アサーティブな人材”を目指しましょう。

ポイント1:アサーティブな自己表現のポイントを押さえる

アサーティブタイプを目指すためには、下記の項目を意識することが重要です。日頃の自分自身のコミュニケーションを思い浮かべながら考えてみてください。

自分の気持ちを把握すること 自分の気持ちや言いたいことが不明確だと、相手にも「どうしたいのか」が明確に伝わりません。
結果や周囲の評価を気にし過ぎないこと 失敗や「相手にどう思われているか」を過度に恐れると、言いたいことが言えなくなってしまいます。
アサーティブな考え方をすること 「全員に好かれなければ」「上司には当然従うべき」といった固定観念が強すぎると、自己表現が制限されてしまいます。
人権を尊重すること 自分と相手、互いの権利を尊重することで対等な関係性が生まれ、理想的な姿勢や態度を取れるようになります。
アサーションのスキルを身に付けること いろいろな場面で活用できる自己表現のスキルを学習し、練習し、身に付けましょう。
ポイント2:主語を「You」ではなく「I」にして話す

相手に何かを伝えたいときには、伝える相手(You)ではなく、私(I)を主語にすると上手くいくことが多いでしょう。「どうしてあなたは〇〇をやってくれないの?」といった伝え方では相手を否定する表現になってしまいますが、「私はあなたに〇〇してほしい」という表現に変えると相手は否定されたという印象を受けにくくなります。「なんでそんなことを言うの?」よりも「私はそう言われると悲しい」のほうが、本当の気持ちがより相手に伝わりやすくなるでしょう。

ポイント3:建設的な表現を心がける

お互いが気持ちの良いコミュニケーションを目指すためには、細かい言葉づかいへの配慮が欠かせません。「できません」と言いたい場面でも否定的な言葉を使わず、「いつまでならできる」「どのような方法なら対応可能」といったような前向きな言葉に置き換えることで、建設的な話し合いができるでしょう。

ポイント4:「DESC法」に当てはめて伝える

DESC法とは、相手に伝えたいことを「状況」「気持ち」「提案」「選択」の4つに整理するフレームワークです。「状況を客観的に描写し(Describe)、気持ちを表現し(Express)、解決のための方法を提案し(Specify)、提案に対して相手の「Yes」「No」それぞれの反応を想定しながら次の表現を準備・選択する(Choose)ことで、自然にアサーティブな意思表示ができるようになります。

Describe
状況を描写する 具体的・客観的に表現できることを述べます。相手の意図や自分の気持ちは含めません。
Express
気持ちを表現する 客観的状況に対して、自分の考えや思いを述べます。
Specify
提案する 相手に望む行動や解決策などを提案します。具体的で現実的なアクションを意識します。
Choose
代案を選択する こちらの提案に対する相手の反応を想定し、次の表現を準備・選択します。
アサーティブなコミュニケーション7つのステップ

アサーティブな話し方等の7つのステップを紹介します。必ずしも7つ全部実践する必要はなく、状況に応じて省略したり、入れ替えたりしてみましょう!

ステップ1 許可

話しかけるときに相手に準備をしてもらいましょう!

「今、お話してもいいですか?」「確認したいのですが・・・」「聴いてほしいことがあるので、お時間とっていただけますか?」などなど

ステップ2 心の実況中継

自分の気持ちや状態をそのまま伝えて緊張を解きます

「緊張していてうまく話せるか不安ですが・・・」「とても言いずらいのですが・・・」

ステップ3 事実確認

具体的な場面を特定して、主観を交えず共通理解の基盤をつくります

「昨日、○○なことがありました」「先日話し合った結果○○となりました」

ステップ4 相手の気持ち

相手の気持ちを受け止めて、自分の気持ちも受け入れてもらいやすくします

「ご心配をおかけしてすいません」「今、がっかりされていることと思います」

ステップ5 自分の気持ち

自分の気持ちや考えを率直に述べます

「どうしたらいいか、私も悩みました」「それでも、何とかしたいと私は思っています」

ステップ6 提案

具体的・現実的・実行可能な提案をして、イエスかノーかを考えてもらう、あるいは助言を求めます

「~と思うのですが、いかがでしょうか?」「○○と私は考えているのですが、どう思いますか?」「あなたの考えも聞かせていただきますか?」

ステップ7 事後の対応

複数の妥協案や善後策を用意しましょう!

「それが難しければ、○○ではどうでしょう?」「その代わりに××なら可能です」「それでうまくいかないようであれば、▽▽もいいと思います。」

最後に

いかがだったでしょうか?アサーティブなコミュニケーションをとることによって、【必要なことがしっかりと伝わる】のみではなくお互いにストレスを溜めなくて済むような関わりができるのではないでしょうか?

日常生活、相談援助場面、職場の報連相、会議カンファレンス、同僚とのコミュニケーションなど様々な場面で役立つと思います!

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