「自分の気持ちが分からない」とき、何が起きている?

「自分の気持ちが分からない」とき、何が起きている?

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「自分が本当はどうしたいのか、分からない」

コーチングでお話を聞いていると、そんな言葉に出会うことがあります。

でも、本当に「何も感じていない」とは限りません。

たとえば、誰かに傷つくことを言われたとき。

胸が一瞬、きゅっと縮んだ。

喉に何かがつかえた。

お腹の底が、すっと冷たくなった。

本当は、その場から離れたかった。

けれど、そのすぐ後には頭が働き始めます。

「悪気はなかったんだろうな」

「相手にも事情がある」

「私が気にしすぎなのかもしれない」

そうやって理解し、納得しようとしているうちに、最初に自分の中で起きていた小さな反応は、いつの間にか通り過ぎてしまいます。

相手の事情を理解することも、自分の考え方の癖やパターンを知ることも大切です。

ただ、「自分がなぜそう感じたのかを説明できること」と、「その感情を実際に感じること」は同じではありません。

自分の気持ちが分からないとき、無理に「悲しい?」「怒っている?」と感情の名前を探さなくてもいい。

それよりも、

「今、身体では何が起きているだろう?」

と、少しだけ注意を向けてみる。

温かい。

冷たい。

重い。

固い。

ざわざわする。

あるいは、何も感じない。

それが何なのか、まだ分からなくてもいい。
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少しその感覚のそばにいると、そこに小さな「方向」があることに気づくこともあります。

離れたい。

やめてほしい。

何かを言いたい。

誰かに近づきたい。

もちろん、そう感じたからといって、その通りに行動する必要はありません。

感じることと、行動することは別です。

ただ、こうした小さな反応には、自分にとって何が嫌だったのか、何を大切にしたいのか、本当は何を望んでいるのかを知る手がかりが隠れていることがあります。

だから、「自分の気持ちが分からない」とき、すぐに答えを出そうとしなくてもいいのだと思います。

「私は本当はどうしたい?」

という大きな問いには答えられなくても、

「あ、今ちょっと嫌だった」

「なんだか胸がざわついた」

「これは意外と嬉しい」

そんな小さな反応なら、見つけられるかもしれません。

長いあいだ自分の気持ちを後回しにしてきた人ほど、いきなり心の奥深くまで掘り下げようとする必要はありません。

まずは、自分の中ですでに起きている小さな動きを、なかったことにしない。

その積み重ねが、少しずつ、自分の気持ちとのつながりを取り戻していく。

私のコーチングでも、「自分がどうしたいのか分からない」ときに、無理に答えを出そうとはしません。

話しているときにふと出てきた言葉。

なぜか少し引っかかったこと。

ある話題に触れたとき、身体に起きた小さな反応。

まだきれいに言葉になっていないものも含めて、一緒に立ち止まって見ていきます。

「分からない」の中にも、何もないわけではない。

まだ言葉になっていないだけで、自分の中では、すでに何かが小さく動いていることがあるからです。

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