情報発信者の武器 書評

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コラム
「情報発信者の武器」という本を読みました
本書は名著「影響力の武器」のロバート・チャルディーニが創設した会社”INFLIENCE AT WORK”のイギリス支社代表執筆のものです。
「影響力の武器」は人を動かす科学的な要素が書かれた本であり発行部数200万部超のベストセラーです。

今回の「情報発信者の武器」はそれの派生版であり、どのようなインフルエンサー、発信者が影響力を持つのかを論じた本になります。
「影響力の武器」がメソッド論に対して、「情報発信者の武器」の武器は”人”に焦点が当てられています。

本書では私たちがどのような影響力のある人の言うことを聞いてしまうか、従ってしまうかの重要性だけでなく、影響を受けた後に私たちがどうなってしまうのかも大変に重要であり、インフルエンサーの特質を知っておくべきだとしています。
私たちは常に「自分の意思で物事を決定している」と思いたいものですが、実は様々な要因に動かされています。
情報発信者には主に8つの武器があり、それぞれ4つずつ「ハード面」と「ソフト面」に分類されています。
「ハード面」とはステータスや権力などを武器に人を従わせる影響力であり「ソフト面」は温かみや親和性で人を従わせる方法です。
どちらが良い悪いではなく、これらの要素は状況により適するタイミングが異なるとあります。
両面を上手く組み合わせてハイブリッドに使うことがより大きな効果がでます。
8つの武器はそれぞれ1,社会経済的地位2,有能さ3,支配力4,魅力5,温かみ6,弱さ7,信頼性8,カリスマ性に分類されています。
感想としては「影響力の武器」と似ており、新しく感じることは正直あまりありませんでした。

ただ、2点強く印象的なところがあり一つはカリスマ性の科学分析でした。
カリスマ性が高いとされる人物はメタファーをよく使用し、話す際も身振り手振りが多くなるとの研究結果がありました。
もう一点は、ソフトとハードはそれぞれ適したタイミングや状況があるのでどちらも必要と主張されていることです。
ハード面などの強引に従わせるようなやり方は長期では人はついて来ず離れてしまうと思っていました。
もちろんハード面だけだと反発されてしまったり忠誠心がなくなるのですが、時にはこの要素も入れる必要があるとしています。
ハードとソフト、両面から人を惹きつけ、緩急つけるバランスが大事と知りました。

ただ、本書にはもう少し両面をうまく使いこなしている事例や研究結果などを記載してもらいたかったです。
8つの武器は「影響力の武器」の言い換えが多くあり、それぞれこの武器を組み合わせることまでの具体的な説明は少し少なかったように感じます。
この組み合わせ方法などを新たに出版されればとても興味ある本になります。


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