結局心理カウンセリングって何やってるの?
こんな質問を受けることがあります。
今回はそんなご質問に少しでもお答えするべく
過去に読んだ事例集で思い出深かった
本をご紹介させて頂きます。
心理カウンセリングで
人が回復していくとはどういうことか
カウンセリングルームでは
何が起こっているのか。
少しでも参考になれば幸いです。
どれも臨場感にあふれ、読んでいると
まるで映画のワンシーンを
見ているような気分になり
感動さえします。
これからカウンセリングや
電話相談を受けようか
悩んでらっしゃる方の
少しでも参考になればと思います。
ケース ~青年~
ある自己愛的な青年は
誇大的自己像にもとづいて就職し
上司といさかいをおこし
他責的、被害的になって自分から退職し
非生産的にひきこもる
というパタンを繰り返していた。
……私の介入は
彼のこころにしみとおることがなく
また同じことが繰り返された。
……そのような
膠着した事態の周辺で
治療は停滞していた。
彼がまた職場をやめて
ひきこもり始めた頃の
あるセッションで
私は彼に強烈な
無力感が高まっていた。
治療の転機
私はつくづくうんざりし
何も言う気も起きないのだった。
…いつの間にか私は面接のメモに
落書きを始めていた。
私はひとつの単純な図形を
無心に何度も擦っていた。
ふと私はそれが
船の形に似ていることに
気がついた。
私が海辺の中学校の生徒だった頃
毎年「カッター訓練」と言う名の
4人乗りボートの訓練があった。
私はそれがとても苦痛だった。
不器用でどうしても他の3人と
ペースを合わせることが
できなかったからである。
私はその時の喉がカラカラになるような
焦りをまざまざと思い出していた。
その瞬間、私は
彼の傲慢さの背後にある焦り
無力感、絶望感を実感できた気がした。
彼も周りにどうしようもなく
ペースを合わせることが
できなかったのである。
彼の傲慢さに覆い隠されていた
無念さに私は思いを巡らせていた。
この後から治療状況は
より生産的なものになっていった。
すなわち、彼の連想に父親がより
現実味を帯びて登場するようになった。
同時に、彼は次第に面接場面での
緊張を自覚するようになり
上司や私との関係を
父親転移の文脈で取り扱うことも可能になった。
…このことを彼は
「僕も考えるようになった」
と表現した。
岩崎学術出版 藤山直樹著「精神分析という営み」より
最後に
カウンセリングをしていると
私も涙を流しそうになるくらい
感動的なセッションを
経験することがあります。
この仕事をしていて本当に幸せな瞬間です。
皆様のお話をお聞かせいただけることを
心よりお待ちしております。
最後まで読んでいただき
本当にありがとうございました。