「お母さん、今日学校に行きたくない……」
朝の忙しい時間帯に、子どもから突然こう告げられたら、どんな親御さんでも心臓がキュッと締め付けられるような衝動に駆られるはずです。「遅刻しちゃう」「どうして急に?」と焦り、ついイライラをぶつけてしまうこともあるかもしれません。
はじめまして。児童発達支援・放課後等デイサービスの事業本部長を務めております、阿部です。
私はこれまで現場のトップとして、何千人もの不登校や行き渋りに悩むお子さん、そして自分を責めてボロボロになっている親御様と向き合ってきました。
その経験からハッキリ言えることがあります。
朝、子どもが行きたくないと言った時の「親の最初の10分間の対応」が、その後の行き渋りを長期化させるか、早期解決に向かわせるかの分かれ道になります。
今回は、心理学と福祉の現場ロジックに基づき、親が絶対にやってはいけない3つの行動を綺麗事抜きでお伝えします。
❌ 行動1:「どうして?」と理由を問い詰める
親としては理由が知りたいのは当然です。「いじめられたの?」「先生が怖いの?」と問い詰めてしまいがちですが、これは絶対にNGです。
なぜなら、子ども自身も「なぜ行きたくないのか、言葉でうまく言語化できていない」ことがほとんどだからです。なんとなく体が重い、不安が言語化できないという状態のときに「どうして?」と詰め寄られると、子どもは「責められている」と感じ、心を閉ざしてしまいます。
❌ 行動2:「行けば楽しいよ!頑張ろう」と励ます
一見、前向きで良い声かけに思えますが、すでにエネルギーが切れかかっている子どもにとって、この正論は「追い込み」になります。
「楽しいよ」と言われても、今の本人にとっては楽しくないから苦しんでいるのです。親の綺麗事やポジティブな励ましは、子どもに「お父さんお母さんは、僕(私)の辛さをちっとも分かってくれない」という絶望感を与えてしまいます。
❌ 行動3:「じゃあ今日だけ休んでいいよ」と即座に折れる
問い詰めるのも励ますのも良くないなら、泳がせて休ませればいいのかというと、実はそれも違います。
理由も背景も分析しないまま、親の焦りやイライラから逃れるために「じゃあ今日だけね」と場当たり的に休ませると、子どもは「行きたくないと言えば、この場を回避できる(学習性無力感の強化)」というパターンを学習します。結果として、翌日以降の行き渋りを強める原因になります。
💡 じゃあ、朝一番にどう対応すればいいの?
やってはいけないことが多すぎて、どうすればいいか分からなくなりますよね。
正解は、理由を聞くことでも励ますことでもなく、「行きたくないという『今の本人の状態』をただオウム返しして、安心感を与えること」です。
「そっか、学校行きたくないんだね。教えてくれてありがとう」
まずはこれだけで十分です。子どもが求めているのは、解決策ではなく「自分の味方でいてくれる安心感」です。親がどっしりと構えて受け止めてくれることで、初めて子どもは「実はね……」と本音を話し始めます。
綺麗事は言いません。子育てには「効果的なアプローチ」があります。
「私の育て方が悪かったのかな」と自分を責める必要はまったくありません。子どもが不登校や行き渋りを起こすのは、親の愛情不足ではなく、お子様の持つ特性と、現在の環境(学校や家庭)との間にミスマッチが起きているからです。
子どもによって、響く声かけ、絶対にやってはいけないアプローチは180度異なります。つまり、わが子に合わせた「オーダーメイドのトリセツ」が必要なのです。
「うちの子の場合、明日の朝はどう声をかければいいの?」
「発達の特性があって、具体的にどう接していいか限界……」
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