知識の深掘りは必要だが、それだけでは届かない
僕の場合は、アイデアやメタ言語について深く掘り下げるのは、とても価値のあることだ。ただ、そこにたどり着くまでのプロセスを考えると、多くの人は最初から「深い話」を求めているわけではない。
専門的な知識や理論は、ある程度その世界に足を踏み入れた人には刺さるが、初心者や一般的な興味を持つ人には「遠い話」に感じられがちだ。
アイデアを生み出す仕組みを知りたい人が求めているのは、「発想の原理」ではなく、「どうすれば自分にもできるか」だ。
blenderネタで恐縮だが、音連動機能を使いたい人は、その背後にある数学的なアルゴリズムを知りたいのではなく、「このボタンを押せばできる」ことを求めている。ブラックボックスでもいいから、まずは動かしてみたいなやつだ。
興味は「面白そう」から始まる
知識の探求には段階がある。最初から「深いから面白そう」と思うことは少なく、多くの場合、「なんとなく面白そう」「やってみたら楽しい」から入る。その入り口がなければ、そもそも深掘りの世界にはたどり着かない。
だから、最初は上下ではなく、左右に広げることが大切だ。まずは「触れられる部分」が見えて、「やってみたら面白かった」という体験を得る。そこから、「もっと知りたい」という動機が生まれ、縦の深掘りにつながる。
最初はめちゃくちゃ浅いしそんなものだし、そういう浅さ、広がりみたいなのが大事ともいえる。くどいが、浅いままでいいとかでなく、最初が浅いだけということだ。
届けたいなら「横」の意識を持つ
深掘りは価値があるが、それを多くの人に届けたいなら、「横」の視点が必要になる。専門的な話をそのまま伝えても、多くの人には響かない。だからこそ、フックになる部分を用意し、「楽しさ」「共感できる部分」を作ることが重要だ。
これは、研究や知識の発信だけでなく、アイデアそのものの広がりにも通じる。最初に「興味の取っかかり」を作り、そこから少しずつ深い部分へと導く。その工夫がなければ、せっかくの知識やアイデアも、一部の人にしか届かないまま終わってしまう。
アイデアの世界は、まず横に広がり、そこで出会った人や興味が、やがて縦に掘り進める。それを意識することで、より多くの人に「伝わる」形にすることができるのだと思う。