こんばんは。
アステラ法務コンサルティングの"たくえい"です。
今回は土地活用編の第2回。テーマは「再建築不可物件をどう活かすか?」です。
日本の5戸に1戸は空き家とも言われる今、地域の特性や構造の6割以上が「再建築不可物件」になりうるとも言われ、これらをどう活かすかは、重要なテーマの一つです。
はじめに
再建築不可物件とは、建築基準法により新たな建物の建築が認められていない土地や建物を指します。これは、主に敷地が道路に2メートル以上接していないなどの理由で、建築基準法上の「接道義務」を満たしていない場合に該当します。
そのため、既存の建物を取り壊すと新たな建築ができず、資産価値が下がると考えられがちです。しかし、視点を変えれば、再建築不可物件には独自の活用方法が存在し、収益化や有効利用が可能です。本記事では、再建築不可物件の活用方法について詳しく解説します。
活用の方法を探る
まず、既存の建物をリフォームして活用する方法があります。
再建築はできなくても、既存建物の内装や設備を改修することで、居住用や賃貸用として再利用が可能です。
例えば、築年数が経過した一戸建てを内装中心に改装し、水回りや空調設備を整えることで、シェアハウスや民泊施設としての再生が図れます。特に都市部や観光エリアでは、短期滞在需要の増加により、民泊事業は一定の市場性を持っています。
ただし、民泊運営には住宅宿泊事業法に基づく届け出や、地域ごとに異なる条例への対応が必要です。また、リフォーム費用を抑えながらも、現代的なデザインや機能性を取り入れることで、入居者から選ばれやすい物件へと再生することが可能です。
次に、更地にして土地を活用する方法があります。
建物の再建築が認められない土地でも、敷地を更地化することで運用の幅を広げることが可能です。例えば、月極駐車場やコインパーキングなどは、比較的少ない初期投資で収益化が期待できる活用法として注目されています。
都市部や駅近エリアでは、自動車の駐車需要が安定しており、一定の利用者を見込める可能性があります。また、サブリース契約を提供する駐車場運営会社と提携することで、オーナー自身が運営管理にかかわることなく、安定した収益を得られる仕組みも整いつつあります。
一方で、駅から離れた住宅地などでは、自転車やバイクの駐輪場としての需要が高まることもあります。周辺に学校やオフィス、集合住宅があるエリアでは、通勤・通学需要を見込んだ駐輪場運営も選択肢の一つとなります。
さらに、土地の一部を利用して自動販売機やコインロッカーを設置する方法もあります。
自動販売機は人件費がかからず、24時間365日稼働できるため、維持・管理に手間がかかりません。また、業者に土地を貸し出し、運営は業者に任せて利益の一部を受け取る方法と、機械のメンテナンスや仕入れ、土地の管理まで全て自分で行う方法があります。
前者は、自分でやらなければならないことがほとんどなく、楽なぶん、受け取る収益は少なくなります。後者は、自動販売機の運営全てを自分で行うので手間がかかる分、収益は多くなります。
ただし、住宅街や人の多い場所では、若者のたまり場になり騒音が発生したり、ゴミを放置され害虫や悪臭が発生したりするなどのリスクがあり、近所から苦情がくる場合もあるので注意が必要です。
また、再建築不可物件の敷地内にコンテナハウスやプレハブ、トレーラーハウスを設置する方法もあります。
コンテナハウスは住居や店舗、倉庫などさまざまな用途で活用可能です。そのため、土地上にコンテナハウスを設置して貸し出せば、収益化できる可能性は大いにあります。
ただし、床面積が10㎡を超えるコンテナハウスは再建築不可の土地には設置できません。したがって小型のコンテナハウスしか設置できず、それほど大きな収益は期待できない点に注意が必要です。
トレーラーハウスを設置し、移動が可能な住居スペースとして活用する方法もあります。トレーラーハウスは車両扱いになり、建築確認申請が必要ありません。ただし、容易に動かせない、公道までつながっている通路がないなどのときには建物と見なされるため、注意が必要です。
さらに、再建築不可物件の敷地を家庭菜園や市民農園として貸し出す方法もあります。
家庭菜園は近年一種のブームになっており、自分で農作物を栽培してみたいものの、土地がなくてあきらめている方は意外に多いです。
そこで、再建築不可物件について家庭菜園を行う農地として貸し出す方法もあります。また、自分で家庭菜園を行い、そこで育てた農作物を出荷するのもよいでしょう。しかし、家庭菜園には害虫や野鳥などの動物の被害、雑草などが付き物であり、近所からクレームが来ないような適切な管理が必要となります。
再建築不可物件を再建築可能にする方法として、隣地を買い取る、または借りることにより、接道義務や間口の条件を満たすことが出来れば、建て替えも可能となります。
ただ、隣地の所有者が土地を売却、または貸してくれるかは交渉次第であり、上手くいかない場合が多いことは覚えておきましょう。しかし、購入できる可能性もあるので、隣地の所有者に相談だけでもしてみることをおすすめします。
また、所有している再建築不可物件が「2項道路」に接している場合は「セットバック」することで再建築可能物件にできます。セットバックとは、道路の中心線から水平距離2m(6m指定区域では3m)以上の位置まで下げることを指します。
ただし、片側が崖地や川である場合は、崖地や川側の道路の端から4m(6m指定区域では6m)以上の位置にまで下げなければいけません。
また、セットバックすることで再建築可能にはなりますが、敷地面積が小さくなる点に注意が必要です。
まとめ
再建築不可物件は、建築基準法により新たな建物の建築が認められていないため、活用が難しいと考えられがちですが、既存の建物をリフォームして活用する、更地にして駐車場や駐輪場として運用する、自動販売機やコインロッカーを設置する、コンテナハウスやトレーラーハウスを設置する、家庭菜園や市民農園として貸し出すなど、さまざまな活用方法があります。
また、隣地を取得する、セットバックを行うなどの方法で再建築可能にすることも可能です。再建築不可物件の活用を検討する際は、法的な制約や地域の条例、周辺環境などを十分に調査し、最適な活用方法を選択することが重要です。専門家の意見を取り入れながら、計画的に進めることをおすすめします。