■不要な軋轢を生むことにつながる「共通の敵」
「共通の趣味や話題」があると盛り上がって仲良くなりますが、それとは逆に「共通の敵」がいる場合でも、お互いが団結しやすくなることがあります。
意外にも、ポジティブな共通項があることよりも、「共通の敵」というネガティブな共通項がある方が、関係性が強まったりするものです。
とはいえ、企業組織などの集団においては、そういった「共通の敵」を介した関係性の強まりが、不要な派閥や軋轢を形成するなどのデメリットを生じさせてしまうため、経営層や現場を預かるマネジメント層は特に注意すべき事象です。
■「共通の敵」がいることによるメリットも
「共通の敵」がいることによる団結力の強まりは、以下のようなケースではポジティブに作用することがあります。
●競合他社が「共通の敵」になる
●お客が「共通の敵」になる
●パワハラ経営者が「共通の敵」になる
◆競合他社が「共通の敵」になる
競合他社が「共通の敵」となることで、「あの会社には負けない!」と社内の結束力が高まるケースが考えられます。
◆お客が「共通の敵」になる
特にサービス業や接客業の場合、お客が「共通の敵」になることがあります(良い悪いは置いておいて)。
接客するお客が、理不尽な要求や言動をする「カスタマーハラスメント(カスハラ)」といった迷惑行為をすれば「共通の敵」となり、そのうっ憤を愚痴を言い合うことで解消し、親睦が深まる、というわけです。
◆パワハラ経営者が「共通の敵」になる
企業組織の場合、特に「ワンマン社長」の振る舞いが従業員への当たりが強い「ブラック体質」だと、被害に遭っている社員同士の結束力が高まるケースもあります。
■なぜ「共通の敵」を作り出すのか?
「共通の敵」を作り出す心理的背景としては、以下の点が挙げられます。
●「仲間」という安心感を得られる
●『類似性の法則』が作用し親密さが増す
●『内集団バイアス』で連帯感や結束力が強まる
●『スケープゴート』を不協和音の隠れ蓑にする
◆「仲間」という安心感を得られる
「共通の敵」を設定し「正義と悪」の構図を明確にすることで、愚痴や不満を分かち合いやすくなり、お互いに共感や肯定感を得やすくなって「仲間」という安心感が生まれるようになります。
◆『類似性の法則』が作用し親密さが増す
「共通の敵」を介してお互いに同様の感情を抱くことで、「自分たちは同じ価値観だ」という『類似性の法則』が働き、親密さが増すようになります。
◆『内集団バイアス』で連帯感や結束力が強まる
「共通の敵」を作り出すことで『内集団バイアス(内集団びいき、身内びいき)』が作用し、「共通の敵に対抗する我々は味方同士(=内集団)」、それ以外は「敵(=外集団)」と見なすようになって強い連帯感や結束力が高まり安心感や優越感が得られるようになります。
◆『スケープゴート』を不協和音の隠れ蓑にする
共通の敵という『スケープゴート(身代わり、生贄)』を据えることで、攻撃対象を明確にして自分たちの不満やストレスのはけ口を共有し、組織内部の不協和音を隠すことができるようになります。
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