■『シェアリングエコノミー』とは?
海外だけでなく日本国内でも拡大を続けている『シェアリングエコノミー』。
『シェアリングエコノミー』とは、インターネットを介して「活用可能な資産」を売買・シェア(貸し借り)するビジネスモデルのことです。
ここで言う「資産」には、モノや場所だけでなくスキルなどの無形資産も含まれます。
また『シェアリングエコノミー』は、従来の「大量生産・大量消費」型の『リニアエコノミー』ではなく、資源を循環利用し廃棄ゼロを目指す『サーキュラーエコノミー』の一類型として知られています。
企業と個人(BtoC)、企業と企業(BtoB)の取引もありますが、個人間の取引(CtoC)が多いことが、『シェアリングエコノミー』の特徴と言えます。
■『シェアリングエコノミー』の市場規模
一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社 情報通信総合研究所の共同調査結果によると、2024年度の『シェアリングエコノミー』の市場規模は「3兆1,050億円」と予想しています。
2022年度比で「18.7%増加」しており、コロナ禍で急減した「民泊事業(スペース)」が回復したことが要因として挙げられています。
※引用:「シェアリングエコノミー関連調査 2024年度調査結果」
一般社団法人シェアリングエコノミー協会と株式会社 情報通信総合研究所の共同調査結果
■『シェアリングエコノミー』における5つの領域
今後、増加していく可能性がありますが、現状において『シェアリングエコノミー』は以下の5つに分類されます。
●「お金」のシェア
●「スキル」のシェア
●「移動」のシェア
●「モノ」のシェア
●「スペース(空間)」のシェア
◆「お金」のシェア
「お金」のシェアは、資金を出し合って目標を達成させるサービスのことです。
具体例としては、「クラウドファンディング」が挙げられます。
「クラウドファンディング(Crowdfunding)」とは、インターネットを経由して「群衆(Crowd)」から「資金調達(Funding)」をする仕組みのことです。
起案者が「成し遂げたいこと」や「プロジェクト」をサイト上で発信し、それに共感した不特定多数から小口の資金を集めるもので、新商品の開発や地域活性化、社会貢献活動などに適していて、支援者は援助額や達成度合いに応じて、返礼品(リターン)や金銭的な利益を受け取ることができます。
◆「スキル」のシェア
「スキル」のシェアは、保有する技能や特技、労働力をシェアするサービスのことです。
具体例としては、「家事代行」や「ベビーシッター」、「家庭教師」や「クラウドソーシング」などが挙げられます。
ビジネス関連、生活サポート関連など、さまざまな分野で「スキルのシェア」が進んでいます。
◆「移動」のシェア
「移動」のシェアとは、自動車や自転車などの乗り物をシェアするサービスのことです。
具体例としては、「カーシェア」や「サイクルシェア」などが挙げられます。
「安価に移動手段を得たい」人のニーズを満たすもので、広く普及が進んでいます。
◆「モノ」のシェア
「モノ」のシェアとは、普段使わないモノを有効活用するためにシェアするサービスのことです。
具体例としては、「ファッションシェアリングなどのレンタルサービス」や「オンラインフリーマーケット」などが挙げられます。
◆「スペース(空間)」のシェア
「スペース(空間)」のシェアとは、使っていない場所や住宅などをシェアするサービスのことです。
具体例としては、「民泊」や「シェアハウス」、「駐車場」や「貸倉庫」、「貸し会議室」などが挙げられます。
地域が抱える課題の解決に一役買うことから、いろいろな取り組みが展開されています。
■『シェアリングエコノミー』の普及が進んでいる背景
『シェアリングエコノミー』が注目を浴びている背景には、主に以下の4つの要因が影響していると考えられます。
●IT技術の進歩
●スマートデバイスの普及
●価値観の変化
●節約志向の広まり
◆IT技術の進歩
『シェアリングエコノミー』が普及している背景には、「IT技術の進歩」が挙げられます。
インターネットが普及したことによって、従来は難しかった個人間の取引が低コスト・迅速にできるようになりました。
「ソーシャルメディア」の登場も、『シェアリングエコノミー』の普及に大きく貢献しています。
個人間で取引をする際、双方のニーズのマッチングと相手についての信頼性が不明な点が課題となりますが、シェアリングサービスのプラットフォームと「ソーシャルメディア」が連携することで解決され、身近なものとなっています。
◆スマートデバイスの普及
スマートフォンやタブレット端末などの普及も、『シェアリングエコノミー』の広がりに貢献しています。
時間や場所に縛られることなく、手元のスマホやタブレットでインターネットに接続してサービスを利用できるようになったため、普及が広がっているというわけです。
◆価値観の変化
「価値観の変化」も、『シェアリングエコノミー』の普及に大きな影響を与えていると考えられます。
1950年代の戦後における経済復興の時代においては、「幸福感と所有物」間には強い相関関係がありました。
生活用品などの「モノ」が不足していた時代背景もあって「所有」に対する欲求が強く、「モノを多く所有している人ほど幸福である」という価値観が主流でした。
その後の現代では、多くのモノに溢れるようになったため「所有」に対する欲望が薄れています。
つまり、物品を所有することに価値を見出す「モノ消費」から、体験や経験を得る「コト消費」へ価値観がシフトしたことが『シェアリングエコノミー』に注目が集まる要因になっているのです。
◆節約志向の広まり
また、日本景気の長期的な低迷、非正規雇用の増加などによる「節約志向」の人々が増えたことも、『シェアリングエコノミー』普及の要因と言えます。
所有せずにシェアし合う『シェアリングエコノミー』であればコストを抑えやすくなるため、選ばれているというわけです。
■『シェアリングエコノミー』のメリット
『シェアリングエコノミー』によってもたらされるメリットとしては、企業側・利用者(消費者)側双方にとってさまざまあります。
●「資産」を有効活用できる
●経済的負担を抑えて利用できる
●経済効果が高まる
●「環境保全」にポジティブな効果
◆「資産」を有効活用できる
保有している「活用できていない資産」を使って収益を得られるようになることが、『シェアリングエコノミー』のメリットの一つです。
例えば、使っていない会議室を「貸会議室」にする、押し入れの奥にしまっている衣類をシェアするケースなどが挙げられます。
◆経済的負担を抑えて利用できる
「モノ」を所有する必要がなくなることによる経済的負担の減少も、『シェアリングエコノミー』のメリットです。
レンタル料金などの「少額」の負担で、必要なモノを必要な時だけ利用でき、所有することで生じる「維持管理費」や「保管場所の確保」なども不要になります。
経済的な負担を抑制しつつ、シンプルなライフスタイルを実現できる、というわけです。
◆経済効果が高まる
消費者同士で『シェアリングエコノミー』を利用し合うことで、消費が促進されて経済効果の向上が期待できるようになります。
「シェア」すれば金銭的ハードルとともに心理的ハードルも下がるため、消費行動が活発になるわけです。
◆「環境保全」にポジティブな効果
モノや空間、移動手段などを有効活用する『シェアリングエコノミー』によって、新品購入の減少による資源消費の削減、廃棄物やCO2排出量の削減といった環境保全効果が期待できる点も、メリットと言えます。
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