■『リスクリバーサル』とは?
多くの人は、商品を購入する・サービスを導入しようと検討する際、少なからず「不安」を抱きます。
この「不安」は、購入を阻害する「ブレーキ」の役割を果たしてしまうため、販売側にとってはできるだけ払拭したいものです。
そんな時に有効なのが、『リスクリバーサル』というテクニックです。
『リスクリバーサル』とは、消費者・顧客が商品やサービスを購入・導入する前に感じる「不安」を解消・軽減して、購買意欲を高めるマーケティング手法のことです。
販売側が先回りして、懸念材料である「買わない理由」を取り除き、購入や導入を「後押し」するテクニック、とも言えます。
ちなみに、商品やサービスを販売する側が、購入・導入するメリットだけでなく、懸念材料などのデメリットも伝える手法として『両面提示』が知られています。
この『両面提示』は、『リスクリバーサル』の手法の一つと言えます。
◆商品やサービスを購入・導入する際に生じる「葛藤」
消費者や顧客が商品を購入する・サービスを導入する際には、「購入を後押しする力=期待」と相反する「購入を妨げる力=不安」の葛藤が生じることになります。
●「商品・サービスへの期待」・・・購入を後押しする力
●「購入・導入への不安」・・・購入へのブレーキをかける力
なぜ「葛藤」が生じるかというと、人間には「利益」よりも「損失」を重視し回避しようとする『損失回避バイアス(損失回避の法則)』が働きやすい傾向があるからです。
そのため、「購入・導入への不安」が強ければ強いほど購入や導入を躊躇することになるので、具体的な購買行動につながりにくくなってしまいます。
◆「リスク」「リバーサル」の意味
「リスク(risk)」という言葉には、「悪い事態が起こる」というイメージがありますが、本来の意味としてはネガティブ・ポジティブな意図はなく、先が読めないという「不確実性」が正確な意味合いとなります。
一方、「リバーサル(reversal)」には、「反転・逆転」という意味があります。
つまり、消費者や顧客が商品やサービスを購入・導入する際に負うことになる「先の読めない不確実性」を「反転」させて、リスクの見通しが立つよう販売側が情報提供したり「肩代わり」して排除することが『リスクリバーサル』と言えます。
◆金融分野における「リスクリバーサル」
ちなみに、『リスクリバーサル』には2つの意味があります。
マーケティングで用いられる意味以外にも、金融分野における株式やFXのオプション取引などでの戦略としても使われています。
■『リスクリバーサル』のメリット
この『リスクリバーサル』を活用する際には、以下のようなメリットが生じるようになります。
●購入率が向上する:「買って損する」リスクを取り除くため、購入決断が早まったり「後押し」になります。
●ブランドイメージが向上する:販売側が能動的に購入時の不安を取り除くため、商品やサービス、販売企業に対する「イメージ」にプラスに作用します。
●顧客満足度が高まる:「リスク」を取り除くことで、ブランドイメージとともに顧客満足度が高まるようになります。
●競合との差別化:購入時の「不安」を排除することが、競合他社との差別化になります。
■『リスクリバーサル』のデメリット
多くのメリットがある一方で、活用することで以下のようなデメリットが生じる可能性が生じるようになってしまいます。
●悪用されるリスク:本来の目的と異なる形で、返金や返品を繰り返す消費者・顧客が生じるリスクが。
●コストが増加する:返金や返品の処理にかかる物流費や人件費といったコストが増えてしまうことも。
●ブランドを毀損する可能性:保証などの条件が不明瞭な場合、不信感やクレームにつながることになり、ブランドに悪影響を及ぼすことに。
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