■『エスカレーター効果』とは?
自身の「思い込み」と直面する現実が異なる場合に感じる「違和感」を意味する『エスカレーター効果』。
「当たり前」と思っていた状況が実際には異なっていることで生じる「ギャップ」や「乖離」に対する「違和感」とも言えます。
この『エスカレーター効果』をビジネスシーンに活用することで、「良い意味」で相手の予想を裏切って、好印象を与えたり、信頼を得ることが期待できるようになります。
◆名称の由来とは?
この『エスカレーター効果』は、止まったエスカレーターを昇り降りする際、「足が重くなったような」感覚になることが由来になっています。
「動くものである」と認識しているエスカレーターが止まっているため、昇り降りする際に「違和感」を感じ、状況に適応しようと脳が作用してバランスを取ろうとするわけです。
■『エスカレーター効果』が発生するメカニズム
『エスカレーター効果』が生じるメカニズムとしては、脳の働きによるものだと言われています。
人間の脳は、無意識の「思い込み」によって自動的に判断する場合と、状況に応じて意識的に判断する場合があります。
「エスカレーター=動くもの」と自動的に判断する働きと、その判断を覆す「止まっているエスカレーター」という現実の間に「ギャップ」があるため「違和感」を感じるようになるというわけです。
この無意識の「思い込み」に反する「違和感」は、強く印象に残りやすい傾向があります。
■『エスカレーター効果』の発生例・活用例
『エスカレーター効果』が身近で発生するケース、ビジネスシーンで「ポジティブ」に活用するケースは、以下の通りです。
●発生例①:RPGの「ダンジョン」
●発生例②:電車の「中吊り広告」や「トレインジャック」
●発生例③:お得な「ワンコインランチ」
◆RPGの「ダンジョン」
RPG(ロールプレイングゲーム)の定番とも言える「ダンジョン(洞窟)探索」。
出現する敵を倒していきながら、奥深くへと下っていくと、それまでとは違う画面になり「ボス」が登場する。
こういった演出も『エスカレーター効果』を用いた一つと言えます。
長い時間をかけて同じような雰囲気のダンジョンを突き進んだ先に、急に雰囲気が変わったフロアに辿り着く。
『エスカレーター効果』によって、プレイヤーに「ギャップ」を感じさせる演出を担っていると言えます。
◆電車の「中吊り広告」や「トレインジャック」
電車の「中吊り広告」は、基本的に「シングル」と呼ばれるB3サイズ(縦364mm×横515mm)の大きさになります。
その「B3サイズ」という限られたスペースの中で、どうやって乗客の視線を惹きつける工夫を施すかがポイントになります。
そこで、インパクトのあるデザインだったり、キャッチーなフレーズを用いて興味関心を促そうとしているわけです。
中には、中吊り広告だけでなくドア上ポスターや窓上広告などの車両内、車両の側面スペースに広告を掲載する「トレインジャック(アドトレイン)」と呼ばれる広告手法も見かけます。
車両空間全体を独占することで、強いインパクトと高い注目度・訴求力を生み出し、掲載商品・サービスの認知向上やイメージアップに貢献する広告戦略は、通常の車両環境との「ギャップ」を生じさせる『エスカレーター効果』の一種と言えそうです。
◆お得な「ワンコインランチ」
最近では物価高でなかなか見かけることがありませんが、「ワンコインランチ」も『エスカレーター効果』を活用した手法の一つと言えます。
「ワンコイン(500円)=そうでもないだろう」という「思い込み」と、実際には「ボリューム感のあるお得なランチ」というギャップを演出し、ポジティブな「違和感」を生じさせています。
この「お得なワンコインランチ」をきっかけにして、口コミで広がりやすくなるため、集客にも一役買うことにもなります。
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