不登校の子どもの親御さんにとって、お子さんの不登校は未経験のことで、きっと戸惑いや不安がたくさんあるはずです。以下では、不登校の親御さんが抱きがちなお悩みを10個選んで、その心理と対処法についてお話しします。
①子どもへの声かけをためらってしまう
②家で一緒にいると気になる
③つい検索やAIを使って調べてしまう
④やっぱり学校に行ってほしいと思ってしまう
⑤子どもが登校するとほっとして、さらに期待してしまう
⑥行ったのにまた休まれると、がっかりして落ち込む
⑦よその家庭と比べてしまう
⑧優しくしようと思っていてもつい口出ししてしまう
⑨病気や発達障害を疑って調べてしまう
⑩何となく、周囲から孤立した気持ちになってしまう
①子どもへの声かけをためらってしまう
これはとてもよくあるシチュエーションです。世間ではよく、本人の気持ちが整うまで待ちましょう、などと言われるので、それに素直に従う親御さんは多いです。
これは決して間違いではないのですが、親の立場からしたら、本当は早く動き出してほしいという本心と、ではいつまで待てばいいのか、という焦りの気持ちは拭えません。
一方、声かけの適切なタイミングや内容はある程度、見極めは可能です。思うような反応が返ってこなくても、諦めないことが大事です。
②家で一緒にいると気になる
本人が部屋にこもってしまって、同じ家にいるだけでもどうしているのか気になってしまう、というのも良くあるお悩みです。
気になるから本人に聞いてみても、「別に」などと言われ結局よくわからない、ということもありがちです。詮索をしすぎると、子どもはそれをプレッシャーと感じます。
気にしすぎないためにも、同じ時間を近くで共有しすぎないことも大切です。
③つい検索やAIを使って調べてしまう
これも、親が不安や焦りからついやってしまうことです。
不安や焦りは当然のことで、検索がダメ、というわけではありません。ですが、絶対の安心はない中で、不安をそれを無理に消そうとすると、かえって強まる傾向があります。
「検索は1日1度だけ」などと、ほどほどを心がけるといいでしょう。
④やっぱり学校に行ってほしいと思ってしまう
⑤子どもが登校するとほっとして、さらに期待してしまう
⑥行ったのにまた休まれると、がっかりして落ち込む
これらも、親としてとても自然な気持ちです。登校以外の選択肢もある、と思いつつも、周囲と違う道はやはり不安ですし、イメージもしにくいので、行けるに越したことはない、と考えるのも無理もありません。どちらが良い、ということではなく、お子さんが望み、かつ可能そうな選択肢を示して、それを後押ししてあげましょう。
不安なのはお子さんも同じです。お子さんと不安を共有して、伴走してあげましょう。
⑦よその家庭と比べてしまう
同級生たちの家庭や、メディアなどで見る同世代の若者たち、親世代の人たちのキラキラした様子を見て、落ち込んでしまう。こうしたことも、親のままある心情です。周囲との比較というのは、人が前に進むための大事な心の機能ですが、それが行き過ぎると自信を失ってしまいます。比較しつつも、自分たちとよそはそもそも事情が違う、ということを忘れないようにしましょう。
⑧優しくしようと思っていても、つい口出ししてしまう
これもまた、ごく自然な親の反応です。子どもには、日々元気に過ごしてほしい、未来に向けて歩んでほしいですよね。だからこそ、口出ししたくなるわけです。
他方、人の成長の道筋はそれぞれで、その速度も、成長過程も様々です。一直線の人もいれば、曲がりくねった道を経て、自分だけの境地に至る人もいます。
口出し自体が悪いのではありません。いかに、彼らなりの成長を信じることができるかが大切です。
⑨病気や発達障害を疑って調べてしまう
昨今は、うつなどの精神疾患や、ADHDなどの発達障害が以前より一般的な言葉となり、情報が溢れています。不登校と結びつける言説もあり、気になって調べる親御さんも多いのではないでしょうか。
一方、これらに当てはまるかどうかは、医師やカウンセラーなどが診察や検査を行って判断するものです。個人的な判断は、誤った対応や、不安を増幅してしまうこともあります。
疑いを感じた時は、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、養護教諭など、信頼できる身近な専門家にまず相談すると良いでしょう。
⑩何となく、周囲から孤立した気持ちになってしまう
不登校が以前より肯定されるようになってきたとはいえ、世間的には少数派であることは変わりありません。そうしますと、親からするとどこか後ろめたいとか、逆に変に気を遣われたくない、という気持ちになるかもしれません。そうすると、親としての不安や苦しみを周囲と共有しにくくなります。
心を許し話せる人が身近にいない場合は、前述の専門家たちに相談したり、不登校の親同士の交流会に顔を出してみるのも良いでしょう。