「やめたい」「しんどい」「こんなはずじゃなかった」——それ、あなたがおかしいんじゃない|リアリティショックという心理学

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ビジネス・マーケティング
4月に職場が変わったあなた、次のどれかに当てはまりませんか?

- 仕事内容が思っていたのと全然違う
- 職場の人たちとうまくなじめない
- 毎朝、会社に行くのが憂鬱になってきた
- もっとやりがいがあると思っていたのに、実態が違った
- 転職したのに、前の職場の方が良かった気がしてきた
- 異動してから、なんだか自分らしくいられない

一つでも当てはまったなら、この記事を最後まで読んでください。

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## 「こんなはずじゃなかった」には、名前がある

「なんか違う」と感じてから、こんなことを考えていませんか。

*自分の覚悟が足りなかったのかな。もっと強くならなきゃ。こんなことで悩む自分がおかしいのかな。*

でも、そうじゃないんです。

心理学・組織行動学の分野では、「**リアリティショック**(Reality Shock)」という現象が長く研究されています。これは、就職・転職・異動などで新しい環境に入ったとき、**事前に持っていたイメージと現実のギャップによって生じる心理的な衝撃**のことです。

なぜ起きるのか。それは、私たちが職場に「入る前」の段階で、どうしても理想化されたイメージを持ってしまうからです。

採用説明会では会社の良い面が紹介されます。面接では双方が「見せたい自分」を演じます。SNSには輝いている先輩社員の投稿があふれています。転職サイトのクチコミは、書いた人のバイアスがかかっています。そうした情報を積み重ねた結果、入社前の私たちの頭の中には「こんな職場のはず」「こんな仕事のはず」という**期待の地図**ができあがっています。

ところが、実際に働き始めると、その地図と現実が一致しない。

このズレが「こんなはずじゃなかった」という感覚を生み出します。

そしてこれは、新卒入社だけに起きることではありません。転職者も、部署異動を経験した人も、同じように感じます。むしろ、「前の職場ではうまくいっていた」という成功体験がある分、転職・異動後のギャップがより鋭く刺さることもあります。

あなたの「こんなはずじゃなかった」は、あなたが弱いせいじゃない。それは、ごく普通の人間がごく普通に経験する、心理的なプロセスなんです。

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## こんなサインが出ていませんか

リアリティショックが起きているとき、心と体はさまざまなサインを出しています。次のうち、当てはまるものはありますか。

**気持ちのサイン**
- 日曜の夜、翌日のことを考えると気持ちが沈む
- 「やめたい」「逃げたい」という考えが頭をよぎる
- 職場での自分が「本当の自分じゃない」感じがする
- 何に対してもやる気が出ず、無気力な状態が続いている

**体のサイン**
- 朝、体が重くてなかなか起き上がれない
- 食欲がなくなった、あるいは逆に食べ過ぎてしまう
- 夜、なかなか眠れない・途中で目が覚める

**行動のサイン**
- 以前は楽しめていた趣味や友人との時間が億劫になった
- 家に帰るとスマホをぼーっと見るだけで、何もできない
- 職場での会話を最低限に抑えるようにしている

全部当てはまらなくていいんです。1〜2個でも当てはまるなら、それはあなたの心が何かを訴えているサインです。「気のせいだ」「甘えだ」と打ち消さないでほしいと思います。

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## あなたは弱くない——データで見るリアリティショック

「でも、他の人はみんな普通にやっているのに」と感じていませんか。

研究のデータを見てみましょう。

労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査によると、新規学卒就職者の**入社3年以内の離職率は約3割**(厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況」2022年公表値)にのぼります。これは、ここ数十年にわたってほぼ変わっていない数字です。つまり、「こんなはずじゃなかった」と感じて職場を離れる人は、決して少数派ではないということです。

また、リアリティショックの研究を長年進めてきたウォンバーグ(Wanberg)らの研究でも、組織への適応においてこの初期段階のギャップが最も強いストレス源になることが示されています。

研修現場でよく見るのですが、「しんどいのは自分だけかと思っていた」と打ち明ける新入社員や若手社員が、毎年必ずいます。それも、周りから見て「しっかりしている」「適応が早い」と見えている人が、ひっそりとそう感じているケースが少なくありません。

専門職の立場からすると、「普通にやっているように見える人」が実は相当に消耗しているというのは、臨床でも研修でもよく目にするリアルな光景です。外から見えるものと、内側で感じていることは、本当に違います。

僕自身が関わってきた3,000人以上の方々の中で、「4月が一番しんどかった」と振り返る人は、本当に多い。そしてその多くが、「あのとき誰かに話せていたら」と言います。

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## じゃあ、どうすればいいの?(入口だけ)

正直に言います。

「こうすれば解決します」という答えを、ここには書けません。なぜなら、リアリティショックの乗り越え方は、あなたがどんな期待を持っていたか、今の職場がどんな環境か、あなた自身がどんな人かによって、大きく違うからです。

でも、一つだけ伝えさせてください。

**「しんどさに名前がついた」だけで、少し楽になれることがある。**

「自分がおかしいんじゃないか」「弱いんじゃないか」と思っていたものに、「リアリティショック」という名前があって、研究されていて、3割の人が経験していると知るだけで、呼吸が少し楽になる人がいます。これは、臨床現場で何度も目にしてきた事実です。

次のステップは、**一人で抱え込まないこと**です。

信頼できる人に話す。同期に「実はさ…」と打ち明ける。もしそれが難しければ、専門職に相談する。どれでもいい。「言葉にして外に出す」という行為そのものが、心の圧力を下げます。

「もう少し詳しく話したい」「自分の場合はどうすれば?」と感じている方は、ぜひ下のリンクからご連絡ください。話すだけでも、整理できることはあります。

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## まとめ

- 「こんなはずじゃなかった」はリアリティショックという心理学的な現象。あなたが弱いせいではない
- 新卒・転職・異動、誰にでも起きうる。入社3年以内の離職率は約3割というデータもある
- 心・体・行動にサインが出ていたら、「気のせい」と打ち消さない
- しんどさに名前がつくだけで、少し楽になれる。一人で抱え込まないで

「こんなはずじゃなかった」と感じている4月の自分を、責めないでほしいのです。

あなたの感覚は間違っていない。それは、新しい環境に正直に向き合っている証拠でもあります。リアリティショックは、誰にでも起きうる、心の自然な反応です。

4月は、出会いと変化の季節です。そして同時に、心が一番揺らぎやすい季節でもあります。

「違和感」を感じているなら、それはあなたの感覚が正しいサインかもしれない。一人で抱え込まないで、誰かに話してみてください。話してみると、見えてくるものがあります。

あなたのその「しんどさ」には、ちゃんと意味があります。

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## 一人で抱え込んでいるなら

「やめたい」「しんどい」という気持ちが続いているなら、一度誰かに話してみることが、最初の一歩になります。臨床心理士・公認心理師として、あなたの話を安心して話せる場所を提供しています。

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