納品前に必ずチェック!「あの日の納品トラブル」が教えてくれた3つの真実

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デザイン・イラスト

あの時は「完璧」だと思っていた

画面に映る完成したサイトを眺めながら、私は深く息をついた。

カフェの公式サイト。
Studioで制作したそのページは、自分でも驚くほど美しく仕上がっていた。

トップに並ぶ季節限定メニューの写真。
温かみのあるフォント。
シンプルで直感的な構成。

納品は明日。
クライアントのオーナー、綾子さんもきっと喜んでくれるだろう。

「これで完璧だ」

そう思っていた。

納品翌日の電話
翌日の午後、スマホが震えた。
画面には綾子さんの名前。

「はい、◯◯です。昨日はありがとうございました」

『あの…ちょっと、いいですか?サイトの文字を少し変えたくて…』

声が少し不安げだった。
「もちろんです。CMSで簡単に変えられるはずですよ。どの部分ですか?」

『今月のおすすめメニューのところなんですけど…文字の大きさが急に変わっちゃって』

聞けば、文字を修正しただけなのに、行間やサイズがバラバラになってしまったという。

「もしかして、別のフォントが混ざってしまったかもしれません」

そう言いながら、私は心の奥で「しまった」と呟いていた。

1つ目の学び:フォントとテキストルールの整理

あの時の私は、制作中にいくつかのフォントを試していた。
でも、使わなくなったフォントを削除することはしなかった。

結果、CMS編集画面でクライアントが誤って別フォントを選び、デザインが崩れてしまったのだ。

使っていないフォントは必ず削除する
これは単なる整理整頓ではない。
読み込み速度の改善にもつながるし、何よりクライアントが迷わない。

さらに、フォントサイズのルールも決めておくべきだった。
「見出しは◯px、本文は△px」
このルールを共有しておけば、綾子さんは迷わなかったはずだ。

次のトラブルは、もっと厄介だった

数日後、再び電話が鳴った。

『おすすめメニューの写真を入れ替えようとしたんですけど、全然変わらなくて…』

StudioのCMSでは、リストで構成されたボックスの操作に慣れていない人はつまずきやすい。

私が説明すると、綾子さんは少し沈黙したあと、
『…正直、何を触っていいのか分からないんです』と小さく言った。

2つ目の学び:CMSの操作性チェックとマニュアルの重要性

納品前の私は、「CMS実装=納品準備完了」だと思い込んでいた。

でも、クライアントがそれを正しく使えるとは限らない。
ましてやオーナー自身が直接編集する場合、Web担当者のような知識はない。

ここで必要だったのは、操作マニュアルだ。
しかも、画像付きの。

特に「リストで構成されたボックス」の編集方法は、
スクリーンショット付きで説明しておけば、綾子さんは迷わずに済んだだろう。

3つ目の学び:マージン・パディングの統一ルール

3つ目の問題は、もっと時間が経ってから表面化した。

サイトを久しぶりに見てみると、セクションごとの余白がバラバラになっていた。
なぜこんなことになったのか?

理由は簡単だった。
余白の付け方にルールを作っていなかったのだ。

「このブロックは上にマージンを付けて…」
「このブロックは下にパディングを…」

制作時には自分の感覚で整えていたけれど、
クライアントが後から編集した時、その感覚は共有されていない。

リンク設定についても同じ。
Studioでは画像ボックスに直接リンクを付けられない場合がある。
これも伝えていなかった。

ルールを作ることは、信頼を作ること

私はそれから、納品前のチェックリストを作った。

使っていないフォントは削除したか?

フォントサイズと余白のルールは共有したか?

CMSの操作マニュアルは渡したか?(画像付き)

リンク設定の制限や注意点は伝えたか?

これらをクリアしてからでないと、納品ボタンは押さない。

納品とは、「作って終わり」ではない。
その後もクライアントが安心して使える状態まで整えて、はじめて完了だ。

納品から数ヶ月後

久しぶりに綾子さんから連絡があった。

『この前、メニューを春バージョンに変えたんですけど、すごく簡単でした!』

声は明るく、自信に満ちていた。

サイトが「触られて壊れる」ものから、「触ることで育つ」ものに変わった瞬間だった。

まとめ

クライアントがサイトを触るのは、必ずしもWeb担当者とは限らない。
だからこそ、誰が触っても迷わない設計が必要だ。

不要なフォントを削除し、サイズや余白のルールを統一する

CMSの操作性を確認し、画像付きマニュアルを渡す

マージン・パディング、リンク設定の注意点を共有する

この3つを押さえるだけで、納品後のトラブルは激減し、
サイトのクオリティも長く保てる。

使いやすさは、信頼感そのものだ。
そして、その信頼感こそが、制作者としてのあなたの価値を高める。

「納品して終わり」ではなく、「納品してからが本当の仕事」
それが、あの日の失敗が教えてくれた最大の教訓だった。
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