育休復帰・時短・転職・帯同で「前のように働けない」と感じたら。見失った強みの見つけ方

育休復帰・時短・転職・帯同で「前のように働けない」と感じたら。見失った強みの見つけ方

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ビジネス・マーケティング
育休復帰、時短勤務、転職、帯同。環境が変わってから、「前のように働けない」と感じるようになったことはありませんか。

以前なら30分で終わっていた仕事に時間がかかる。任される仕事が変わり、自分の価値まで小さくなったような気がする。職務経歴書を見ると、転職や帯同によってキャリアが途切れて見える。上司から褒められても、「たまたまだろう」「誰でもできることだ」と受け取ってしまう。

そして気づけば、「私って、こんなに仕事ができなかったっけ」と考えるようになる。

もし今のあなたがそう感じているなら、最初にお伝えしたいことがあります。

あなたの能力がなくなったわけではありません。

見えにくくなっているのは、あなたがこれまで自然に発揮してきた持ち味や、力が出る条件かもしれません。

この記事では、環境が変わるたびに自信を失ってしまう理由と、過去の具体的な経験から、自分の持ち味を見つけ直す方法をお伝えします。

「前のように働けない」の正体は、能力が落ちたことではない


私はこれまで、キャリア支援や人事の仕事を通じて、多くの方の仕事の悩みを伺ってきました。

その中で見えてきたのは、「能力が下がった」というよりも、自分の良さを確認できなくなっている人が少なくないということです。

例えば、次のような環境の変化があります。

・時短勤務になり、以前より担当範囲が狭くなった
・帯同によって転職を重ね、一つの会社で成果を積み上げにくくなった
・異動で仕事内容が変わり、得意だった仕事を任されなくなった
・育休復帰後、以前と同じ働き方ができなくなった

こうした変化が起きると、人は以前と同じ成果を出せるかどうかだけで、自分を評価し始めます。その結果、「成果が出ないのは、能力がなくなったからだ」と結論づけてしまいます。

しかし実際には、成果を出していた頃と比べて、使える時間、任される役割、裁量、関わる相手、評価されるポイントが変わっているだけかもしれません。

つまり、力を発揮できる条件が変わったにもかかわらず、以前と同じ物差しで自分を測っている。それが、「前のように働けない」という感覚を生み出している可能性があります。

自信を失う人ほど、見落としている3つのこと


では、なぜ自分の持ち味は見えなくなってしまうのでしょうか。私は、大きく3つの理由があると考えています。

1.昔と同じ成果を出せるかだけで、自分を評価してしまう

仕事は、環境によって求められるものが変わります。

時短勤務になれば、以前と同じ量の仕事を、同じ進め方で終えるのは難しくなります。転職すれば、社内のルールや人間関係を一から覚えなければなりません。帯同や異動によって、それまで積み上げてきた知識や信用を、そのまま使えなくなる場合もあります。

それでも私たちは、「前と同じようにできない」という結果だけを見て、「前より能力が落ちた」と考えてしまいます。

けれど、本当は能力が落ちたのではなく、以前とは違う環境と条件の中で働いているだけかもしれません。

2.当たり前にできることほど、自分では価値だと思えない

仕事の持ち味は、本人が「強み」だと自覚しているところではなく、むしろ「こんなことは誰でもやっている」と思っている行動の中に隠れていることがあります。

例えば、会議が終わったあと、自然に内容をまとめる人がいます。本人は「まとめただけです」と言います。

しかし実際には、何が決まったのか、まだ決まっていないことは何か、誰が担当するのか、いつまでに取り組むのかを整理し、チーム全員が次の行動に移れる状態をつくっています。

これは、単なる議事録作成ではありません。

情報が散らかった状態を整理し、人が動ける状態へ変える力です。

本人には普通のことだから、自分では価値だと思えない。それでも、職場では確かに価値を生み出しています。

持ち味とは、このような「無意識に繰り返している行動」の中に隠れていることが多いのです。

3.経験を「点」のまま見てしまう

転職、異動、帯同、育休復帰。一つひとつを見ると、バラバラの出来事に思えます。

しかし、詳しく話を聞いていくと、環境が変わっても同じような行動を繰り返している人がいます。

どの会社でも、気づけば相談役になっていた。どの部署でも、仕組みを整える役割を担っていた。仕事でも地域活動でも、自然と人をつないでいた。

本人は、それぞれ別の出来事だと思っています。けれど第三者が並べて見ると、そこに一本の共通した線が見えてきます。

それこそが、その人らしい働き方の特徴であり、環境が変わっても繰り返し発揮されてきた持ち味です。

自己分析をしても、なぜ納得できないのか


ここまで読んで、「自己分析は何度もやったけれど、結局よく分からなかった」と思った方もいるかもしれません。

自己分析そのものが悪いわけではありません。自分を振り返るきっかけになりますし、新しい気づきが得られることもあります。

ただ、自己分析だけでは見つけにくいものがあります。それが、本人にとって当たり前すぎる行動の価値です。

例えば、「私は人の話を聞くのが好きです」という言葉だけでは、仕事上の価値までは分かりません。

実際の経験を振り返ると、相談を受けたあと、相手が頭の中を整理できるように質問していた。本人が気づいていない選択肢を一緒に探していた。最後には、「話してよかった」と言われていた。

ここまで見えて初めて、「話を聞く人」ではなく、「相手が考えを整理し、自分で前へ進める状態をつくる人」という仕事上の価値が見えてきます。

違いは、「共感力」「傾聴力」といったラベルだけで終わらず、実際の行動と、それによって生まれた変化まで見ていることです。

もう一つ、自己分析が難しくなる理由があります。自信を失っている時ほど、自分の経験を小さく見積もってしまうことです。

「たまたまだった」「運が良かっただけ」「誰でもできる」。そう思ってしまう経験ほど、実はその人らしさが隠れていることがあります。

だから私は、目立つ成功体験だけを探せばよいとは考えていません。何気なく繰り返してきた行動の中にこそ、仕事で使える持ち味があると思っています。

過去の経験は、「思い出」ではなく「証拠」になる


では、どうやって持ち味を見つけるのでしょうか。

私は一つの経験について、まず「どんな場面だったのか」を確認します。次に、そこで本人が何をしたのか、なぜその行動を取ったのか、その結果、相手や周囲にどんな変化が起きたのかを掘り下げます。そして、別の場面でも同じ行動を繰り返していないかを確かめます。

ここまで整理すると、偶然一度だけできたことではなく、何度も繰り返している「仕事の型」が見えてきます。

さらに、どんな相手だと力が出るのか、どんな役割なら自然に動けるのか、どんな進め方なら成果を出しやすいのか、逆にどんな状況では消耗しやすいのかまで整理します。

単に「強みがあります」と伝えるのではなく、「こういう条件なら、この力が自然に発揮される」というところまで明らかにするのです。

これが分かると、異動しても、転職しても、帯同によって環境が変わっても、「私はどう働けば力を出しやすいのか」を思い出せるようになります。

「事実」が、自分らしい働き方のヒントになる


先ほどの、会議後に内容をまとめていた人の例を、もう少し深く見てみます。

本人は「議事録を送っただけです」と言います。しかし実際には、議論の流れを整理し、決定事項と未決定事項を分け、担当者と期限を明確にし、全員が次に動ける状態をつくっていました。

この人は、単に「議事録を書く人」ではありません。情報を整理し、人が動ける状態をつくる人です。

さらに過去を振り返ると、学生時代のサークルでも、地域活動でも、家庭でも、似た役割を自然に引き受けていたことが分かるかもしれません。

つまり、その持ち味は会社の中だけで生まれたものではなく、人生を通して繰り返されてきた行動だったのです。

一方で、この持ち味を使いすぎると、すべて自分で抱え込む、人に任せられない、頼まれると断れない、といったつまずきにつながることもあります。

持ち味は、長所だけを切り取ったものではありません。

どう扱えば力になり、どう使いすぎると苦しくなるのか。

そこまで分かって初めて、自分らしい働き方の輪郭が見えてきます。

一人では見つけにくいから、「働く私のトリセツ」をつくっています


ここまで読んで、「過去の経験を見直せば、自分の持ち味は見えてくるかもしれない」と感じた方もいると思います。

一方で、「それを一人で整理するのは難しそう」と感じたのではないでしょうか。

実際、自分の経験には、自分自身の思い込みが入りやすいものです。「これは大したことではない」「たまたまできただけ」「もっとすごい経験でなければ意味がない」と判断し、大切な経験を自分で候補から外してしまうことがあります。

逆に、一見すると何気ない出来事が、その人らしい働き方を理解するうえで、最も重要な手がかりになることもあります。

だから私は、90分ほどかけて、その方の過去を一緒に振り返ります。

リラックスして経験を話していただきながら、本人が「大したことではない」と通り過ぎてきた場面にも、丁寧に目を向けます。

そこで何が起き、本人がどう動き、周囲にどんな変化を生んだのかを掘り下げます。キャリア面談1,000件超で培った、経験からその人固有の持ち味を見つける視点と、現役人事として仕事や組織を見てきた視点を重ね、職場でも伝わる「仕事の言葉」へ翻訳します。

完成するのは、仕事で自然に発揮している持ち味、力が出る条件、つまずきやすい癖、得意が裏目に出やすい場面などを、過去の事実に基づいて整理した「働く私のトリセツ」です。

これは、「あなたは〇〇タイプです」と分類するものではありません。

どんな環境なら自然に力を発揮できるのか。どんな状況では無理をしやすいのか。周囲にどのような価値を届けているのか。

それらを、自分自身でも、職場でも使える言葉に整理したレポートです。

環境が変わった時に読み返すことで、「今はギアを上げる時なのか」「少し負荷を下げるべき時なのか」「職場や家族に、どんな条件をお願いすれば力を発揮しやすいのか」といったことも考えやすくなります。

自己分析・AI・キャリア相談との違いは、経験の文脈まで確かめて残すこと


自己分析、AI、キャリア相談には、それぞれ異なる価値があります。

自己分析は、自分の考えや経験を振り返るきっかけになります。AIは、入力した内容を整理したり、新しい表現を考えたりする時に役立ちます。キャリア相談やコーチングでは、気持ちを整理し、今後の選択肢や行動を考えることができます。

「働く私のトリセツ」が特に大切にしているのは、本人がまだ重要だと思っていない経験を、対話によって掘り起こすことです。

「この行動は、別の場面でも繰り返していませんか」「この時も、似た価値を生み出していませんか」と経験同士を照らし合わせ、本人も気づいていなかった共通点を見つけていきます。

そして、それを仕事で説明できる言葉へ翻訳し、あとから何度でも見返せるレポートとして残します。

一度話して終わるのではなく、環境が変わっても「私はこういう条件なら力を発揮できる」と思い出せる状態をつくること。それが、このレポートを制作している理由です。

まずは、今の自分に何が見えにくくなっているのかを知る


一口に「自分の強みが分からない」といっても、見えにくくなっているものは人によって違います。

仕事や日常の中で心が動く時間が減り、何をするとエネルギーが戻るのかという「喜び」が見えにくくなっている人。

自然にできることを当たり前だと思い込み、周囲にどんな価値を生んでいるのかという「得意」を見落としている人。

何のために働きたいのか、誰や何のためなら力を使いたいのかという「大切にしたいこと」が曖昧になっている人。

見えにくくなっているものによって、最初に振り返るとよい経験は異なります。

ただ、自分一人で考えていると、どうしても同じ経験や言葉の中を行き来してしまいます。だからこそ、第三者と対話しながら、自分では重要だと思っていなかった経験まで振り返ることに意味があります。

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難しいワークや宿題はありません。こちらから質問をするので、思い出したことを自由に話していただくだけで大丈夫です。

面談では、仕事や人生の中で感じてきた「喜び」、自然に発揮している「得意」、誰や何のためなら力を使いたいと思えるのかという「意義」を、具体的な経験から整理します。

そのうえで、あなたが大切にしていることや、力を発揮しやすい条件を、あなただけのレポートにまとめます。

「自己分析をしても納得できなかった」

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環境が変わるたびに、自分まで変わってしまったように感じることがあります。

けれど、本当に失われたのは、あなたの能力や持ち味ではないかもしれません。今の環境では、それを確かめる機会が少なくなっているだけかもしれないのです。

自分を責める前に、まずは今の自分に、何が見えにくくなっているのかを確かめてみてください。

そこから、もう一度、自分の持ち味と力が出る条件を見つけ直していきましょう。
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