映画でなぜか忘れられない一場面。そこに仕事で力が湧くヒントがある

映画でなぜか忘れられない一場面。そこに仕事で力が湧くヒントがある

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ビジネス・マーケティング
映画を見終わってしばらく経っても、なぜか忘れられない一場面ってありませんか。しかも、同じ映画を見た友達に聞いてみると、心に残っているところが全然違うことがあります。

私は映画を見ると、伏線がつながった瞬間がかなり気になります。「あの時のあれ、ここにつながってたのすごくない?」と、そんな話をしたくなる。

ところが、映画好きの友人と話していると、「映像めちゃくちゃきれいだったよね」「あのシーンの音楽、最高だった」と返ってくることがあります。こちらは伏線の話をしたい。相手は映像や音楽の話をしたい。

二人とも映画が好きなのに、心に残っているものは全然違います。これ、意外と面白い違いだと思っています。「映画が好き」という同じ言葉の中にも、その人がどこで心を動かされているのかには、かなり差があるからです。

「映画が好き」だけでは、何が好きなのかまでは分からない


直近では、家族で映画『8番出口』を見ました。大人なら別の場面に目が向きそうですが、子どもたちは作中の「おじさん」が出てくるたびに大喜び。「おじさん、おじさん」と盛り上がったり、「こわー」と言いながら楽しんでいました。

同じ画面を見ていても、どこを面白がるかは人によって違います。だから、自分のことを知ろうとするときも、「私は映画が好き」だけで終わらせず、「その映画の、どの瞬間がなぜ好きだったのか」まで見てみると、少し違うものが見えてきます。

私は、強みを「何ができるか」だけでは捉えていません。何をしていると心が動くのかという「喜び」、考えなくても自然にしている「得意」、何のためなら力を使いたいと思えるのかという「意義」。今回は、この中の「喜び」に注目して、映画から見てみます。

映画で心に残りやすい場面には、例えばこんな違いがあります。

1.人や状況が「前に進んだ瞬間」に心が動く


主人公が壁を越える。できなかったことが、できるようになる。止まっていた状況が、少し前へ進む。そんな場面が強く心に残る人がいます。

ここから言えるのは、「人や状況が前進したこと」に感情が動いているということです。

もし同じ喜び方が映画以外にも繰り返し出ているなら、仕事でも、人のできることが増えた時、チームが以前より前進した時、改善前と改善後の違いが見えた時などに、手応えを感じやすい可能性があります。

もちろん、成長する場面が好きだから「人材育成に向いている」と決めることはできません。ただ、変化がはっきり見える時にエネルギーが湧きやすいのかもしれない。反対に、変化が見えにくい環境では、成果実感を持ちにくいこともありそうです。

2.バラバラだったものが「つながった瞬間」に心が動く


伏線が回収される。前に出てきた場面の意味が分かる。「ああ、そういうことだったのか」と一気に腑に落ちる。私は、かなりこの喜び方に近いです。

ここで心が動いているのは、散らばっていた情報が一つにつながり、意味が見えた瞬間です。

もし仕事や日常でも同じことが繰り返されているなら、複数の情報を集めて原因を考える、複雑な話の構造を理解する、バラバラだった情報に一本の筋を見つける、といった過程そのものを楽しんでいる可能性があります。「分からなかったものが分かる」が、ご褒美になっているとも言えます。

一方で、「全部理解してから動きたい」が強くなると、考える時間が長くなり、初動が遅くなることもあります。喜びの源泉は、使い方によってはつまずきにもなります。

3.人と人が「分かり合った瞬間」に心が動く


対立していた二人が、ようやく相手のことを理解する。伝わらなかった思いが届く。ぎくしゃくしていた関係が変わる。こうした場面が強く残る人もいます。

この場合、心が動いているのは、人と人との関係性が変化したことです。

同じ喜びが別の経験でも繰り返されているなら、仕事でも、認識がそろった時、安心して話せるようになった時、誰かの思いがきちんと伝わった時などに、強く満足を感じる可能性があります。

ただ、良い関係を大切にすることと、意見の違いを避けることは同じではありません。「分かり合うこと」に喜びを感じるからこそ、必要な対立まで避けたくなる場面がないかは見ておきたいところです。

4.「その世界に入った感覚」に心が動く


物語の展開以上に、映像が忘れられない。音楽がずっと頭に残る。街並みや衣装、作品全体の空気に引き込まれる。そんな人もいます。

ここで心が動いているのは、ストーリーだけではなく、表現や世界観そのものです。

先ほどの映画好きの友人は、まさにこちらに近いのだと思います。私は「伏線があそこにつながったの、すごかったよね」と話したい。友人は「映像めちゃくちゃきれいだった」「あの音楽最高だった」と話したい。同じ「映画好き」でも、喜んでいるものはかなり違います。

こうした喜び方が仕事や日常にも表れているなら、資料の見せ方、言葉選び、場づくり、「相手にどう伝わるか」「どんな体験になるか」といった部分を考えることに面白さを感じる可能性があります。

ただし、「世界観が好きだからデザインが得意」という話ではありません。細部まで整えることが楽しい分、周囲から見ると必要以上に時間をかけているように見えることもありそうです。

同じ「映画好き」でも、喜びの対象は違う


ここまで見てきたのは、人や状況が前に進む「成長」、情報がつながる「理解」、人と人が分かり合う「関係の変化」、表現や空気に引き込まれる「世界への没入」です。

あくまで代表的な見方ですが、同じ映画好きでも心が動く対象はこれだけ違います。だから、ここで「私は2番目だ」などと決める必要はありません。

大切なのは、その映画一つだけで判断せず、別の経験にも同じ喜びが現れているかを見ることです。

例えば、映画では「情報がつながった瞬間」が好きだった。では仕事ではどうでしょう。

複数の情報がつながって原因が分かった時。誰かの話を聞いて「そういうことだったのか」と理解できた時。学生時代、調べていたことが一つにつながった時。

そんな場面でも同じように嬉しくなっていたなら、「理解してつながること」は、自分にとってかなり大切な喜びなのかもしれません。

一つの映画から強みを決めるのではなく、いくつもの具体的な経験を横に並べて、同じものに何度も心が動いていないかを見る。そうすると、自分が自然にエネルギーを得やすい条件が少しずつ具体的になってきます。

「好きなもの」より、「その中の何が好きだったか」


自己理解をしようとすると、「好きなことは何ですか?」と聞かれることがあります。映画。旅行。人と話すこと。料理。もちろん、それも一つの手がかりです。

でも、もう一歩だけ細かく見ると、もっとその人らしいものが出てきます。

「好きなものを見るだけではなく、その中の何に心が動いたのかまで見る。」

映画なら、最近見た一本を思い出してみてください。あらすじ全体ではなく、なぜか今も覚えている一場面を選ぶ。そこで何が起きていたのか。そして、その「何」が自分の心を動かしたのか。

そこまで考えたら、映画以外でも似た瞬間がなかったかを探してみる。

普段なら「この映画、好きだった」で終わる経験も、ここまで見ていくと、自分でもまだ言葉にしていなかった「喜び」の輪郭が見えてきます。

私も普段、仕事だけでなく、日常や過去の何気ない経験まで聞きながら、その人に繰り返し現れる喜びや得意を見ています。

一つの出来事だけで決めず、別の経験でも同じものが出ているかを見ることで、その人らしさが少しずつ具体的になります。

何気ない経験をいくつも集めることで、「私はどんな時に自然と嬉しくなるのか」が少しずつ具体的になる。それは、仕事でどんな時に力が湧きやすいのかを知る手がかりにもなります。

最後に、最近見た映画を一つ思い出してみてください


最近見た映画で、なぜか今も覚えている一場面はどこですか?

そこで起きていた「何」が、あなたの心を動かしていたのでしょうか。


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