私たちは当たり前のこととして物事を「見ている」「見えている」と思っていますが、例えば、皆さんの通勤路について考えてみてください。
① そこに、常緑樹はどのくらいありますか?
② 青色のものは何がありますか?
③ どんな交通標識がありますか?
すぐにすべて答えられる人はほとんどいないのではないでしょうか。
植物、特に木が好きな人であれば、あるいは①の質問には答えられるかもしれません。
青色が好きな人は②に、交通標識マニアの人なら③にそれぞれ答えられるかも知れませんが、その他のみささんには答えることは難しいと思います。
毎日「見ている」にもかかわらずです。
人間はその人にとって重要なものしか「意識に上がらない」のです。
そして意識に上がっていないものは「見えていない」のと同じです。
コーチングには「認知科学」という理論的バックボーンとなる学問分野があります。
認知科学を学ぶ者にとってのバイブルである、トール・ノーレットランダーシュ著『ユーザーイリュージョン―意識という幻想』に
「目は少なくとも毎秒1000万ビット(の情報)を脳に送っている」が、「100万分の1しか意識に上らない」
とあります。1秒間に目に入ってくる情報の100万分の99万9999は我々にとって見えていないも同然なのです。この見えない部分を「スコトーマ(盲点)」といい、コーチングは「自分に関するスコトーマを外す作業」ということになります。
意識に上らない自分の課題は変えることはできませんし、意識に上らないゴールは当然のことながら達成もできません。
自分というブラックボックスを解明するのは難しい道のりではありますが、その先にある地平には壮大な景観が広がっているのは、間違いありません。
まずは正しく「見る」ことを意識に上げて、毎日の生活を過ごしてみてください。