我が故郷にある老舗蔵元より毎年新酒まつりのお知らせが届く。例年2月の中頃から約一か月間にわたる新酒のお披露目は酒好きの私にとって大切な儀式のようなものである。
件の蔵元は、宝暦一二年創業というから、西暦でいうと1762年ということになり、ざっと年齢は263歳という事になります。
この時代は第9代将軍家重候から第10代の家治候の時代。家治候は8代将軍の孫であり、父家重と違い頭脳明晰かつ文武に秀でていたとされている。
時代小説的に言えば「田沼意次老中」であり、池波正太郎作「剣客商売」の時代といえば、身近に感じるものですね。
そんな時代に熊本阿蘇高森にて創業された「酒蔵」現代は13代目当主となっています。
標高550mの奥阿蘇は極寒の冬と清涼の夏、この気候は酒造りには絶好の舞台です。
霊山「阿蘇」の外輪山よりこんこんと湧き出る清冽な水と豊かに実った酒米は伝統と新しい酒造りの技が冴え、阿蘇の地酒となって、今 蔵を出ます。
この歴史と伝統、匠の技によって支えられている酒「れいざん」は私の故郷紀行画集「徒然阿蘇山巡り帖」(仮題)編集の目玉として取り上げたいものだといつも思っているのですが・・・なかなか編集に手間取っています。
わが人生のルーツである土地とその土地が生み出している逸品の思い出は貴重な人生の一コマとして心にとどめていたいものです。