言葉にならない痛みほど、深く受け取れる。それが私に、生まれながらに備わった力です。
観月葎花として十数年、夜の街で生きてきました。恋愛のこと、仕事のこと、お金のこと、家族のこと——お酒を片手にぽつりぽつりと打ち明けてくれる言葉を、ずっと隣で受け止めてきました。
「ママに話すと、なんだか楽になる」そう言ってくれるお客様や女の子たちがとても多かった。それがずっと、私の支えでした。でも——私には、誰にも言えない秘密がありました。
物心ついた頃から、私には不思議な感覚がありました。言葉にならない相手の気持ちが、波のように伝わってくる。悲しみ、焦り、期待、喜び、そして——愛されたいという、声にならない叫び。言葉としてではなく、思念がそのまま流れ込んでくるような感覚です。
子供の頃は、それが怖かった。誰かに話せば「気味が悪い」と思われる。そんな恐怖から、ずっとずっと、心の奥に隠してきました。
それが夜の世界で、少しずつ形を変えていきました。駆け引きに疲れた男性、愛に飢えた女性...