天空の村の罪
来た時から思ったが雲が近い。早朝に土から躍り出る蒸気は龍神に見える。山間の谷間に住むので山が近くて休日は山の動物を駆除という名の殺戮で銃を人間は撃ちまくる。私はだから、土曜日と日曜日と祝日が大嫌いだ。猿も猪も鹿も殺されている。どうしてだと聞くと農作物を守るためだと初めは言っていたが、最近分かったことは猿を殺すと2万円くらい貰えるのだと近所のおじさんが言っていた。そうした日は酒盛りをするために居酒屋に行くらしい。念力が使えたら猿を守りたいと思った。時々我が家の屋根にお猿さんの親子が遊びに来るから私はとても愛おしいのだ。そんな話は怒りでぶるぶる震えてしまうのだ。愚かな人間に底知れぬ怒りが湧く。農作物を守るために西の方では生き物を殺さない方法できちんと予算をもらって対策をしている自治体もある。なのに・・・その報奨金の様なお金はいったい何処から出ているのか?平和に暮らす山の生き物は人間の無知で怯える。本当に悔しい。山の銃声を聞くたびに人間を憎む生き物が増えるのだ、人間の私もその輩を憎んでいるかも知れないけど可愛い親子の猿達に逃げろ!逃げるんだと毎朝念を送っている。役所も通って県庁にも訴えた。何も変わらずで、無力な自分がホント情けない。生きる権利は山の生き物には皆無なのか。生態系のバランスを人間は平気で壊す。邪魔なら殺すのか?愚かすぎる村の一面も垣間見る。美しい景色はそれらを飲み込んで今日もまた一段と美しい。
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