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寿司屋の大将との別れ

私の職場の忘年会は100人以上の参加者で盛り上がりました。いつも、お決まりのような内容だったので、その年、ゲームの景品として珍しいものを探して欲しいと私に依頼がありました。その中に、私が馴染みにしている寿司屋の寿司折もあげられていました。その寿司屋の味は職場仲間にも評判が良かったのですが、誰もが大将を怖がっていました。私は、大将の握りをゲームの景品に使うことに対し失礼にあたると考えて、彼らの要求を拒んだのですが、何度も頭を下げられ、忘年会の当日、特上握りとしめ鯖だけのものとの2つの折を大将に作ってもらいました。でも、大将には忘年会で行うゲームの景品とは話せませんでした。 忘年会では、司会者から景品が寿司折と紹介され、参加者が優勝を目指して熱気に包まれました。やがて優勝者に寿司折が手渡されると、数名の女子が優勝者から寿司折を奪って食べ始めてしまい、寿司折は無残な姿になりました。私は、一気に酔いが冷め、会場を後にしました。 自分が犯した罪を償いたい。犯罪者のような気持ちになり、雪が降る道を静かに歩きました。 私は、1年間、寿司屋へ行かないことと、大将からの遊びの誘いは断ることを決意しました。それが、私への罰と設定したのです。後に、仲間から、そこまで気にすることではないと言われましたが、私は自分が許せませんでした。そして、酔っていたとはいえ、大将の寿司を無作法でむさぼる女子の姿が目に焼け付き、あんな行事には二度と協力しないと心に誓いました。 それから10か月程が経ったとき、大将が入院しているという話を耳にしました。 私は居ても立ってもいられなくなり、彼の見舞いに出掛けました。久しぶり
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実は気が弱い寿司屋の大将

30年程前に出会った寿司屋の大将は楽しい人でした。彼には、居酒屋やスナックに連れて行ってもらいました。大将は、どの店でも人気がありました。 今でも馴染みにしているバーのマスターとは、大将よりも古い付き合いです。大将は私の12歳年上で、マスターは私より3歳年上です。 あるとき、大将が私に「バーに行ってみたいけど、一人では行きづらいから連れて行って欲しい。」と言うので、その夜、寿司屋を閉めてから案内することになりました。 彼は、髪や身なりを整え始め、まるで誰かとデートに行くような身構えで、いつもの荒々しさが消えていました。寿司屋からバーまでは徒歩1分の距離で、あっという間にバーの前に着き、私が扉を開けようとすると「ちょと待て。」と言い、深呼吸を始めました。 私は、もしかするとマスターとの仲が悪いとか、過去に何か事件があったのかと想像しました。 面倒なことに巻き込まれたくないと感じつつ、店に入りました。 カウンターに座ると、マスターが大将に挨拶に来ました。大将は、この繁華街で知らない人がいないほどの有名人でした。挨拶を受けた大将は席を立って「よろしくお願いします。」と挨拶を返しましたが、とても緊張している様子でした。 大将はビールしか飲まないことを知っているので、私は大将にビールで良いかと尋ねると、「ビールなんて頼んで良いのか。」と言いました。私は、ビールとソルティードッグを注文し、タバコを吸おうとするとスタッフが灰皿を持ってきてくれました。大将は、そのスタッフにも席を立って「よろしくお願いします。」と言いました。そして、私が大将に話しかけると静かにするように促されました。 注文した
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気の強い寿司屋の大将との出会い

その店に初めて入ったのは、30年程前のことです。高校時代のクラスメートの女子が、勤めていた職場の先輩と飲んでいるところに出くわしました。その先輩は、とても落ち着いていて、清潔感があり、何といっても大人でした。私には、既に妻がいたので、彼女とどうこうという立場にはありませんでした。 彼女は真面目ゆえの悩みを抱えていました。その悩みは男性を信用できないというものでした。ところが、私には気を許し、諸々、相談を受けました。 その後も、友人と、その先輩と一緒に何度か食事をしました。先輩は、本当に悩んでいる様子でした。それで、私の知人の中で誰かを紹介して欲しいという話になりました。ありがちな話です。数日後、彼女たちが指定する寿司屋に可愛がっていた後輩を連れていきました。彼は、有名大学の出身者で、当時、彼女を作りたいと思っていることを私は知っていました。 そのときに入ったのが、その思い出の店なのです。彼と彼女はダメでした。話が合わないのです。そんなことは、どうでも良いのです。 私は、その寿司屋が気に入り、翌日にも、きちんと挨拶をしたくて伺いました。 それから、大将との付き合いが始まりました。週に5回、店に行ったこともありました。大将は、けっこう意固地な方で、気にいらない客を帰すような気質でした。最近では、そういう店主を見掛けませんが、そのころは、そういう店もありました。ちなみに、その寿司屋の締め鯖は、私がこれまでに食べたものの中でダントツです。ある日、私が注文をしても、大将が食べ物を出してくれないときがありました。私は、何か気に障ることをしたのかと思いましたが、大将が少し待てというので、黙っ
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♪筆者的に日本一の牛すじうどん

♪この店を舞台に数年前に撮影されたとあるPVで、主人公の某ベテランアーティストが、こんなふうに紹介していました。* 安くて旨い店はその地域の文化だ。至言だと。♪その日の到着時間は、朝食タイムが一段落 & ランチタイム前でした。… またしても時系列が前後する、今編の話題です。数ヵ月振りにお目にかかったマスターならぬ大将は、なぜかワンオペ状態。 来客が途切れたタイミング、店外で煙草を吹かしていらっしゃいました。 「オマエが来たから火を消さなきゃならなくなったぞ」 「オマエに連動して次々と客が来たから、もう1本吸えないだろうがっ」 もちろんこれはあまりにひねくれ過ぎた & 親愛ゆえの邪推冗句。 こんなことを欠片ですら思うような大将なら、通い続けるはずがありません。そっけないお人柄には違いありませんが(笑)。★ 説明無用 牛すじうどん 鶏めし 最強鉄板のコンビネーション「鶏めし、幾分濃い味になりましたね?」 「最初からこんなに沢山、天かす入っていましたか?」 「この数ヵ月でかなり痩せられたみたいですが、お身体大丈夫ですか?」 もちろん声に出すような、野暮な振る舞いには及びません。 ( -人- ) ごっそさん & また来させていただきます! ★ 夏の蝶 十月過ぎて 命舞う食べ物ネタ中心 = 筆者充実の日々の証拠。( ^-^ ) v 元気です!或 頁生(ある ぺじお) #263 / 4834.
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