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「人としてどうなんだ」を問う映画

佐藤健、阿部寛、清原果耶、物語の主要人物がスクリーンのなかでくすんでいた。 映画「護られなかった者たちへ」エンターティメントというより、ドキュメンタリーに近い泥の匂いと鉛色の空を感じる映画だった。 餓死という不可解な連続殺人事件を追う、刑事役の阿部寛は、他作品で見せた歯切れのよさがない。常に顔色は悪く最後まで震災の影を引きずっている。佐藤健は画面のなかで静かに怒りを押し殺す目をしている。いつもなら一滴の清涼感となるであろう清原果耶も眩しい輝きを封じていた。三人とも尖った憤りを重く隠している。 唯一救いとなるのが、佐藤健、清原果耶が演じる利根と幹子が漁港を二人乗りの自転車で走るシーンだった。二人の破顔が見れたのはその場面だけだ。倍賞美津子の遠島けいに、笑顔でいなさいと言われて振りむく利根の笑顔はまだ慣れていなかった。笑うことに罪悪感を感じているようだった。 決して、後味のいい物語ではない。それは、観客だけでなく役者にも滲み出ているようだ。 それは、まだこの物語が終わっていないからだ。 続きは最後に伝えられた、円山幹子のSNSへの投稿に現れている。 生活保護行政の理不尽さ、所轄官庁である福祉保険事務所の対応など、一方方向に向ける怒りは、この物語を見れば誰もが持つ。それでも幹子は、「タスケテ」の声をあげ続けて欲しい、と訴えている。そして誰もが、その「タスケテ」の声に耳を澄まして欲しい、と訴えている。 その声を聞くのは誰でもいい。            誰もが聞かなくちゃいけない。 立場もあることも知っている。            自分の生活があるのも勿論分っている。 それでも、誰も
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