とっさに浮かぶ考えが変わるとき
人にはそれぞれ、反射的に浮かぶ“自動思考”があります。私の場合、誰かがこちらのことを覚えていてくれたとき、自然と「ありがたい」と感じることが多いです。アレルギーのことでも、ちょっとした好みでも、こちらからお願いしたわけではないのに覚えていてくれる。そんな場面に出会うと、胸の奥がふっと温かくなる。「気にかけてくれているんだな」そんな考えが、ほとんど反射のように浮かびます。これは、考えて選んだわけではなく、瞬間的に出てくる“自動思考”に近いものです。■ 自動思考は、いつも同じではないただ、この自動思考は一定ではありません。自分の状態が良くないときは、まったく違う考えがとっさに浮かぶことがあります。「いや、これは業務の一環だよな」「別に私個人を気にしているわけじゃないよな」同じ出来事なのに、受け取り方が変わる。ありがたさが“距離”に変わり、温かさが“役割”に変わる。この変化は、性格が急に変わったわけでも、相手の態度が変わったわけでもありません。ただ、そのときの自分の状態が違うだけです。■ 自動思考は、心の状態に左右される自動思考は、体調や気分、心の余白、前日の疲れ、ちょっとした緊張──そういったものに静かに影響を受けながら、勝手に浮かんできます。だから最近は、「どっちの受け取り方が正しいか」を考えるよりも、“今の自分はどんな自動思考が出ているんだろう” と観察するほうがしっくりきます。調子がいいときは、人の気遣いをそのまま受け取れる。調子が悪いときは、同じ気遣いを“業務”として受け取ってしまう。どちらも嘘ではなく、どちらも自分。ただ、そのときの心の状態が、自動思考の方向を少し変えて
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