【レセプト 〜発想転換処方箋〜 第2回】 ― かむっく大久野地区モデルに込めた設計思想 ―
●かむっくとは「かけて・むすんで・つくる」。
地域にすでにある資源や人、制度や役割を掛け合わせ、関係を結び直し、現場で回る形へと再構成していく実装の手つきです。
● かむっくの設計手法と大久野地区モデル
かむっくは、地域の中に障害のある方の“働く場と役割が循環する構造”を組み込むために、就労の視点を起点としながら、その土地ごとの条件や関係性を読み取り、地域資源・企業連携・行政連携を掛け合わせていくという考え方を共通手法としています。
そのうえで、さまざまな人が役割を持ち、それぞれの場所で活躍できる形を設計し、現場で機能する仕組みとして実装していくことを目指しています。
というのも、資源の配置や歴史、地域内のつながり方は場所によって異なり、同じ設計思想であっても、実装の形は地域ごとに変えていく必要があるからです。
その具体例の一つが、西多摩郡日の出町・大久野地区をフィールドとした「大久野地区モデル」です。
この地域ならではの条件と文脈に合わせて、組み立て方を次のように設定しました。
● なぜ、基幹に「食堂」を置くのか
大久野地区モデルでは、基幹拠点として「食堂」を据えることを特徴としています。
理由の一つは、この場所が、かつてドラマ『高校生レストラン』のロケ地だったことです。
実在のレストランでは、調理クラブの生徒が先生の指導のもとで、レストラン経営と調理の両方を担う、日本で最初の「高校生レストラン」として運営されていました。
新しく何かを持ち込むのではなく、すでにある物語の上に、次の役割を重ねる。その象徴として、障害のある方が関わる食堂を基幹に据えました。
●地域の文脈を資源化
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