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ひとりの時間の価値──孤独が味方に変わった日

◆ひとりでいると、少し不安になることがあった誰かと話していないと落ち着かない。予定が空くと、何かを埋めたくなる。以前は、ひとりでいる時間を、「足りない時間」だと思っていた。◆孤独は、避けるものだと思い込んでいたひとり=寂しい。ひとり=取り残されている。そんなふうに、無意識のうちに決めつけていた。だから、本当は疲れていても、誰かと繋がろうとしていた。◆ある日、誰とも話さない時間が続いた特別な理由があったわけじゃない。ただ、予定が重ならなかっただけ。最初は、落ち着かなかった。何かしなければいけない気がして、スマホを何度も手に取った。◆静けさの中で、気づいたことがあった誰にも合わせなくていい。説明しなくていい。反応を気にしなくていい。その状態でいると、心が少しずつ緩んでいった。ひとりの時間は、自分を取り戻す時間でもあった。◆孤独は、欠けている状態じゃなかったひとりでいるとき、何かが足りないわけじゃない。むしろ、余計なものが静かに外れていく。誰かの期待。役割。無意識の緊張。それらが、少しずつ溶けていった。◆ひとりの時間が増えると、人間関係が楽になった不思議なことに、ひとりの時間を大切にし始めてから、人といる時間も変わった。無理に話さなくていい。分かってもらおうとしすぎない。自然体でいられるようになった。◆孤独は、心の調律だった音楽がずれているとき、一度、音を止める必要がある。孤独は、人生の音を整えるための、大切な間(ま)だった。ずっと鳴らし続けなくていい。止める時間があるから、次の音が美しくなる。◆ひとりでいられるようになると、選び方が変わる誰と会うか。どこへ行くか。何に時間を使うか。
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