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「一旦それでやってみます」が、いつの間にか“決めたこと”になるまで

人生の進路設計アドバイザー井上です。納得できない選択で人生を進めたくない人のために、判断の軸を言葉にしています。このnoteでは、相談現場でよく伺う状況や、これまでに聞いてきた話をもとにした架空のケースを扱いながら、その場では見えにくい判断のズレを、静かに整理していきます。今回は、育休明けの復職前面談でよく起こる、「仮のつもりで進めた働き方が、いつの間にか確定扱いになっていく」そんな場面を取り上げます。その場では問題に見えなかったやり取りが、時間が経ってから、判断のズレとして効いてくるケースです。復職前の面談で交わされた、何気ないやり取り育休明けの働き方を調整する、復職前のオンライン面談。画面には、上司と人事担当者が並んでいます。人事担当者が資料を共有しながら、こう説明しました。・復職後の勤務時間は9時から18時・業務内容は復帰前と同じ案件を継続・時短勤務については、必要があれば改めて相談その流れで、上司が続けます。「まずは、この形でやってみましょうか。」少し間を置いて、本人はこう答えました。「分かりました。一旦それでやってみます。」本人の中では「仮」のつもりだったこの言葉を口にしたとき、本人の中にあった認識は、こういうものでした。・今日ここで、最終的に決め切ったわけではない・しんどくなったら、また調整できる・今回は“仮の形”でスタートするだけつまり、「決めた」という感覚はなかった。面談後に整理された内容は、次のようなものでした。・勤務時間はフルタイム・業務内容は復帰前と同じ担当範囲・定時後の会議も原則参加・調整が必要な場合は、本人から申し出る議事録には、たった一行、「復職後は
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選択肢は増えたのに、なぜ「全部まだ早い」と感じてしまうのか。転職や進路で決められなくなる構造

人生の進路設計アドバイザー井上です。 納得できない選択で人生を進めたくない人のために、 判断の軸を言葉にしています。 このnoteでは、相談現場でよく起きている状況をもとにしたケースを扱いながら、その場では気づきにくいズレを整理しています。 今回は、「情報は集めた。でも、いざ決めようとすると動けなくなる」 そんな相談をもとにしたケースです。 ご相談ケース:選択肢は増えたはずなのに、全部まだ早い気がする ※実際の相談内容をもとに、複数の要素を再構成した仮想ケースです。「転職サイトも見ました。副業の情報も調べました。いろんな働き方を知ったと思います。なのに、いざ決めようとすると、『どれもまだ早い気がする』と思ってしまいます。 選択肢は増えたはずなのに、前より動けなくなっている感じがします。」 相談者は35歳の女性。 メーカーで企画職として働き、育休からの復職を3か月後に控えています。 現職に戻ることも想定しながら、 転職という選択肢も、並行して考えている状況です。 平日は、子どもを寝かしつけたあとにスマホで求人を眺め、 週末はパートナーと「この先どうする?」という話を何となくしている。 ただ、具体的に「これに進もう」と決まるものは、まだありません。条件は調べている。でも、決め手にならない この方は、何も考えていないわけではありません。 ・年収・働き方 ・職種 ・将来のイメージ どれも一通り、調べています。 情報が足りない状態ではありません。 それでも、「これだ」と思えるものが出てこない。 転職エージェントから 「気になる求人から応募を進めましょう」と言われたとき、 画面には条件の悪
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「今すぐ決めなくていい」は、判断が静かに壊れ始める合図かもしれない

人生の進路設計アドバイザー井上です。 納得できない選択で人生を進めたくない人のために、判断の軸を言葉にしています。 これからのブログでは、質問への回答やノウハウ整理ではなく、 実際の相談や、これまでに聞いてきた話をもとにした架空のケースを扱いながら、「判断がどのように壊れていくのか」を記録していきます。 今回は、育休明けの復職面談でよく起こる、 一見すると何も問題がなさそうな場面を取り上げます。 復職面談で提示された「選択肢」 ある方が、育休明けの復職面談で上司と話をしていました。 提示された選択肢は、いずれも現実的なものです。 ・時短勤務のまま復職する ・業務量は少し調整する ・配置は大きく変えない 話し合いの中で、 この3点を軸にした働き方が、ぼんやりと共有されました。 面談の最後に、上司からこう言われます。 「今すぐ決めなくていいよ。家に帰って考えてね。」 その場では、肩の力が抜けたそうです。 悩んでいたというより、「安心した」という感覚に近かった。 「決めなくていい」と言われて、ホッとした。 面談は穏やかに終わりました。 数日後に出てきた、説明しづらい違和感 ところが、数日経ってから、 こんな感覚が出てきたそうです。 「決めてないはずなのに、 もう話が済んでいる気がする。」 実際、本人は何かを選んだ覚えはありませんでした。 ただ、業務はそのまま進み始めていました。 ・時短勤務で復職する ・業務内容は大きく変えない ・当面はこの形で進める これらが「確定扱い」として、 特に確認されることもなく運用に乗っていった。 判断した記憶はない。 でも、結果だけが少しずつ人生に組み込
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