【うつ病】うつ病の方によく見られる「白黒思考」について―グレーを思い出すことが、回復の第一歩になる―
うつ病の方とお話ししていると、とてもよく耳にする考え方があります。それが「白黒思考」と呼ばれるものです。白黒思考とは、物事を「できた/できなかった」「良い/悪い」「価値がある/価値がない」と、極端に二分して捉えてしまう思考の癖のことです。本来ならその間にたくさんのグラデーションがあるはずなのに、心が弱っていると、その中間が見えなくなってしまいます。たとえば、こんな思いが浮かぶことはありませんか。・少ししか動けなかった →「今日は何もできなかった」・小さな失敗をした →「自分はダメな人間だ」・気分が沈んでいる →「もう一生このままだ」冷静に考えれば、「少しはできた」「たまたま失敗しただけ」「今は調子が悪い時期」という見方もできるはずです。それでも、うつ病の状態にあると、心は自然と一番厳しい結論へと向かってしまいます。これは性格が弱いからでも、考え方が未熟だからでもありません。うつ病になると、脳のエネルギーが落ち、思考の柔軟性が低下すると言われています。柔らかく考える力が弱まり、物事を単純化しないと処理できなくなるのです。そのため、「もっと前向きに考えなきゃ」「ポジティブにならなきゃ」と自分を追い立てることは、かえって逆効果になることもあります。白黒思考は“怠け”ではなく、今の心が精一杯生き延びようとしているサインでもあるのです。では、白黒思考に気づいたとき、どうすればいいのでしょうか。大切なのは、考え方を無理に変えようとしないことです。代わりにおすすめしたいのは、「今、自分は白黒で考えているな」と一歩引いて眺めることです。たとえば、こんな問いをそっと投げかけてみてください。・本当
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