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【うつ病】うつ病の方によく見られる「白黒思考」について―グレーを思い出すことが、回復の第一歩になる―

うつ病の方とお話ししていると、とてもよく耳にする考え方があります。それが「白黒思考」と呼ばれるものです。白黒思考とは、物事を「できた/できなかった」「良い/悪い」「価値がある/価値がない」と、極端に二分して捉えてしまう思考の癖のことです。本来ならその間にたくさんのグラデーションがあるはずなのに、心が弱っていると、その中間が見えなくなってしまいます。たとえば、こんな思いが浮かぶことはありませんか。・少ししか動けなかった →「今日は何もできなかった」・小さな失敗をした →「自分はダメな人間だ」・気分が沈んでいる →「もう一生このままだ」冷静に考えれば、「少しはできた」「たまたま失敗しただけ」「今は調子が悪い時期」という見方もできるはずです。それでも、うつ病の状態にあると、心は自然と一番厳しい結論へと向かってしまいます。これは性格が弱いからでも、考え方が未熟だからでもありません。うつ病になると、脳のエネルギーが落ち、思考の柔軟性が低下すると言われています。柔らかく考える力が弱まり、物事を単純化しないと処理できなくなるのです。そのため、「もっと前向きに考えなきゃ」「ポジティブにならなきゃ」と自分を追い立てることは、かえって逆効果になることもあります。白黒思考は“怠け”ではなく、今の心が精一杯生き延びようとしているサインでもあるのです。では、白黒思考に気づいたとき、どうすればいいのでしょうか。大切なのは、考え方を無理に変えようとしないことです。代わりにおすすめしたいのは、「今、自分は白黒で考えているな」と一歩引いて眺めることです。たとえば、こんな問いをそっと投げかけてみてください。・本当
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“全部”って言葉は、苦しい時のSOSなんだよ

梅雨が明ける前の、湿った午後。空気は薄い水色で包まれ、窓の外は薄曇り。風はほとんどなく、ただ静かだった。放課後の教室で、凪はプリントをまとめていた。そこに真帆が、勢いよく机に手をつく。「ねぇ、聞いて!今日もう最悪だった!」凪は顔を上げた。(まただ……でも今日はまだ心に余裕がある)「どうしたの?」すると真帆は一気に言葉を溢れさせた。「部活でもう嫌われてる!   先生にも無視された! しかも家でも話聞いてもらえないし、   もう全部ダメ!」全部。また“全部”だ。凪はそっと呼吸を整えながら聞き続ける。「私なんかいない方がいいんだって、   ほんとに…全部うまくいかない!」(全部じゃない)そう言いかけて、凪は口を閉じた。“全部うまくいかない”“全部ダメ”真帆が苦しいとき、彼女は世界を白か黒かで分けてしまう癖があった。でも今日は、凪の中に不思議な余裕があった。雨の日の帰り道、悠真の沈黙がくれた安心は、まだ胸に残っている。凪は真帆に向かって、小さく微笑んだ。「……今日は、  何が“いちばん”つらかった?」真帆は目を瞬かせた。「え?いちばん?」「うん。“全部”じゃなくて、   “いちばん”を教えてほしい」その問いに、真帆はしばらく黙ってから、ゆっくり座った。「……先生に冷たくされたのが、   いちばんつらかったかも」「そっか。ありがとう、教えてくれて」凪は心の中で小さくガッツポーズをした。白黒で縛られていた真帆の世界に、ひとつ色が戻った気がした。「あと……部活のあの子にも、   ちょっと嫌な顔されて」「それは“二つ目”?」「あ、うん。二つ目かも」真帆は少し照れたように笑った。(よかった……白
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