感情の狭間を歩く者 ― 狐の書架 🦊 ☪︎
夜が静かで、心のどこかがうまく動かないときがあります。誰かに話しても伝わらない気がして、それでも黙っていると、胸の奥で言葉にならない重さだけが増えていく。そんな夜に、ふと目を閉じると、金色の尾を揺らす影が心の奥で動いた気がしました。――それは、あなたの中にずっといた“もうひとりの自分”なのかもしれません。🕯️ 狐が見せてくれた本静かな場所に、積み重ねられた本が見えます。どの表紙にも、似たような言葉が並んでいました。「大丈夫」「もう平気」「私さえ我慢すれば」それは、過去のあなたがつけたラベル。本当の気持ちを隠すために、とりあえず貼っておいた“平気の札”。狐は、それを一冊ずつ開いていきます。中には、あのとき言えなかったこと。笑いながら飲み込んだ言葉。優しさで塗りつぶした涙。ページをめくるたび、胸の奥で少しずつ何かがほどけていくのを感じます。🌙 狐の言葉「泣くのは弱さじゃないよ」狐の声がしました。「泣けるってことは、ちゃんと感じてるってこと。感じているうちは、まだ生きてるんだよ。」その言葉を聞いたとき、何かが音もなく崩れていきました。あなたは、ずっと我慢していたのかもしれません。“前を向く”という言葉の裏で、ちゃんと悲しむことを許していなかった。「感情は、しまいこむと澱になる。でも見届けてあげたら、ちゃんと流れていくよ。」狐はそう言って、あなたの中の何かをそっと撫でていった気がしました。🌑 新月の夜に空には何も見えません。でも、何も見えない夜だからこそ、心の奥に小さな灯りを見つけられるのかもしれません。「無理に手放さなくていい。いまは、ちゃんと感じる時間にしよう。」狐の声が、風のよう
0