それでも、まだ生きてる。~第5話~
翌日は、朝から何やら慌ただしかった。上の子(キーくん)が急に、絵の具の準備が必要だった!青色が切れてる!赤色も切れてる!とか、、、下の子(けいちゃん)は、その日は、課外授業でお弁当を作ったのだが、デザートのリンゴが気に入らない!梨がいい!とか、、、普段、穏やかな子供たちが、いつになく、ギスギスしている感じだった。「なんで、今、言うの?」と、私も少し苛立ちつつ、子供たちを宥め、玄関を出て、庭先まで見送った。「いってらっしゃい!絵の具、買っとくから、、、けいちゃんも、今日はリンゴで我慢してね!」「うーん、、、いってきまーす、、」二人とも、まぁ仕方ないか、、、という様子で、学校へ向かった。子供たちの後ろ姿を、見送っていると、天気の良かった空が、少し陰り、風が吹いた。と、同時に、黒い大きな影が地面に映り、バサバサと音を立てて、通り過ぎていった。私は、何事かと思い、すぐさま、上を見上げた。空は、さっきと変わらない晴天で、雲一つない・・・「・・・気のせい?」私は、おかしいな、、と、首を傾げ、玄関のドアを開けた。私は一足先に、コーヒーショップにいた。倫也との待ち合わせは、12時だが、少し話を整理したくて、早めに到着していた。「この間、色々言ってくれたけど、正直、まったく理解できてないし、、、」とにかく、そういう世界が存在してる・・ということは、納得した。「納得した?・・・してるかな~?、、」私は眉を潜め、うーん・・・と唸った。『龍』が、居なくなって、1週間。居ない時間が長くなればなるほど、あの時のことが、まるっと幻覚だったのでは?、、、と思えてくる。「でも、倫也も見えてるのだから、、」そうい
0