小説作例1「クマリンの香り」全文
ポートフォリオに掲載した小説の全文ですよろしくお願いします「クマリンの香り」「二人組作れたな? それじゃ、話し合い始めてくれ」
間の抜けた教師の声と同時に、教室内がざわつく。
黒板には『最近見つけた小さな発見』というトークテーマが書かれていた。高校生の授業にしては少しばかり子供っぽい気がするが、それくらい軽くて些細なできごとを魅力的に伝えるプレゼン力を身に着けるための特別授業らしい。
「おい、話し合いはしないのか。もう三分消費しているぞ」
「あーわりぃ」
こんなことで身に着くのか? という疑問が浮かんでしまい、授業へのモチベーションが尽きかけていると、角張った声が真っ直ぐに飛んできた。
クラス……いや、学年一頭がいい真面目君。神経質そうで、曲がったことは嫌いですって顔をしていて、勉強が友達。声だって授業で何か発表するだとか答えるだとか、そういう時くらいしか聞いたことがなかった。
「正直、こういうのって意味あるのかなーとか考えちゃった」
「……真面目にやれば教師からの評価は得られるだろう」
ぼそっと聞こえたその言葉。思わず真っ直ぐに真面目君を見てしまった。
ちゃんと目を合わせたのは初めてかもしれない。気難しそうな表情は、授業に集中していない俺に対してというより、教師に対しての不信感というか納得がいっていない感が出ている気がする。
人間らしい表情もできるんだ、という感想が口をついて出てきそうになって、慌てて飲み込んだ。
「あーまあ、そうだよな……とりあえず、小さな発見だっけ? なんかある?」
そう聞くと今度は何か考えるように視線が逸れる。
俺も考えるような顔をしてみるけど、普段話さ
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