「よく分かる宇宙論の歴史~人類最大のロマンは宇宙の「根源」にある~⑯」
(6)実は宇宙の構造はナゾだらけ:自然学
①「Why」どころか「How」も分からない「宇宙の構造」
「なぜなのか?」を問う哲学者、「どのようになっているのか?」を問う科学者~「宇宙の構造」の研究が進めば進むほど、分からない疑問が増えていくのです。
インフレーション・モデル~1980年以降、佐藤勝彦らによって提唱された、ミクロ的な量子宇宙とビッグバン以後のマクロ的宇宙との橋渡しの理論です。宇宙は誕生直後の10の-36秒後から10の-34秒後までの間に、エネルギーの高い真空(偽の真空)から低い真空(現在の真空)に相転移し、この過程で負の圧力を持つ偽の真空のエネルギー密度によって引き起こされた指数関数的な膨張(インフレーション)の時期を経たとしています。ビッグバン理論が抱える「地平線問題」と「平坦性問題」、さらに大統一理論のネックとされる「モノポール問題」の3つが理論的には一気に解決されるとされます。
地平線問題~宇宙はなぜこれほど一様で等方的なのかという問題です。ビッグバン理論では、宇宙の誕生時には物質やエネルギーの密度のゆらぎ(でこぼこ、これが後の銀河の種子になったと考えられます)があったはずですが、宇宙背景放射はきわめてムラの無い一様な状態であることが判明し、これは宇宙がその誕生時には密度が非常に均一であり、銀河の種子が無かったことを意味します。これに対して、インフレーション・モデルでは急膨張以前の段階でこうした均一性がチューニングされていたとしています。ちなみに1989年に打ち上げられた宇宙背景放射探査衛星COBE(コービー)によって、それまで見つからなかった宇宙背景放射の微
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