「よく分かる宇宙論の歴史~人類最大のロマンは宇宙の「根源」にある~③」
(1)素朴なギリシア神話と星座の世界:神話学
③「宇宙論」とは「世界観」に他ならない
「渾天(こんてん)説」~古代中国天文学における宇宙構造論の1つです。天は鶏の卵殻のように球形であり、地は卵黄のようにその内部に位置し、天は大きく、地は小さいとします。天の表面・裏面には水があり、天と地は気に支えられて定立し、水にのって運行している。天の半分は地上を覆い、半分は地下を囲んでいます。このため二十八宿は半分が見え、半分が隠れて見えません。天の両端には南極・北極の両極があり、天は極を軸として車のこしき(轂)のようにぐるぐる回転して端がありません。天体はこの天に付随して日周運動をしています。渾天説は赤道環・地平環・子午環といった環を組み合わせて天体を観測する渾天儀と呼ばれる観測器に基づいているのです。
「蓋天説」~古代中国天文学における宇宙構造論の1つです。大きく2通りの考え方があり、初めは天は円く広げられた傘のようであり、地は方形の碁盤のようであるとされ、後には天はドーム状(蓋笠)で、地はひっくり返した皿(覆槃)の形をしているとされました。天は石臼を挽くように北極を中心に左回転しており、太陽や月は右へ向かっていますが、天の回転に引っぱられて左回転します。蓋天説はノーモン(髀)による日影の観察に基づいたもので、周髀説(しゅうひせつ)ということもあります。数学書の『周髀算経』にも収められています。蓋天説では、天と地は平行しており、太陽や月が地下へ潜ったりする考え方はなく、南極という考え方もありません。このため夜が生じるのは、太陽が観察者の視界から遠く離れるためなどと説明されるのです。
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