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だれも教えてくれない純文学とエンタメ小説(大衆文学)のちがいと、純文学が売れない理由についてあえて考えてみた。

 フリーランスで仕事をしていくにあたり「読書」を軸にしようと決めた以上、ぼくはじぶんの読書だけは信じ抜かなくちゃならなくて、それがもしできなくなってしまったならばなにもかもやめなくてはならない。そんなことをよくおもう。 ただその一方でじぶん自身の読書がいかに偏っているかも自覚しているわけで、とりわけ語りの技法や構造などの言語表現への関心が高いため、どうしても物語そのものへの関心が(ないというわけではないが)相対的に低くなってしまう。すると、「お前の読書はつまんなそう」 ということをいわれることが、これまでに本当に何度もあった。ぼく自身、読書をめちゃくちゃたのしんでやっているつもりではあるし、小説に限っていえば、そもそもなぜ小説が書けてしまうのかという命題めいたものは、読書のたびにそれなりに具体的な姿を一瞬みせてくれる。 その感覚こそ書評であれ翻訳であれ実作であれ、ぼくが特に力を入れている活動を根底で支えているものなのだけれど、しかしこれがどうやら一般的でないとはじめて知ったときはおどろいた。みんな、こういうことを不思議におもうものだと、二十代半ばくらいまでわりと真剣に信じていた。 そういうこともあって、ぼくがこれまでに読んできた小説の、特に「実作しないひとの感想」というのは、できるだけ深く、そして数多く知りたいなとおもう。 実作をしない、ということの特別さを良い感じのことばでいうのは難しいのだけれど、「言語表現の実践を切実な問題と見做さない人(というと、悪意はないのにかなり響きが悪くなってしまう泣)」にとっての小説のありかたはやはり世界で圧倒的多数を占めるのは事実だとおもってい
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文学のジャンル多い件

こんにちは皆様。タワマン文学ってのが有るらしいですよ、はあそうなの、そんなのがあるのね~が私の感想。大衆文学とか純文学とか、日本文学とか海外文学と言った具合に分類されるのだったら、さながらタワマン文学があるのなら、平屋文学ってのもあるのかな?あんまり知らんけどね。純文学とか大衆小説は知っているけど、大衆性とか芸術性で区別してるし、プロレタリア文学ってのも労働者文学って言う軛が有って、それ以外にはちょっと考えられない。タワマン文学って文体とか芸術性とか大衆性とかとは違って、どうもタワーマンションに住んでいる人の呟きみたいなのをちらっと書くことなんだよね。理解の範疇を超えてるな、8年前に賃貸のマンションに越してくるまでは、戸建てにしか住んでなかったから、凄さが私には解っていない。戸建てが偉いとか、マンションが良いとか関係なくない、大変なのもどこでも同じだしね。タワマン文学ってそんな話じゃないみたいだけどね、高い所から人間を眺めると、自分が偉くなった気になるのかな。そんな事情は知らないが、自分の日常を書くのなら私小説と言うべきか、そこのところは解らないな。何でも文学を付けるとジャンルが増えて困ってしまうんじゃないかい、そんな風に考えてるのは私だけ?あんまり知らんけどね。いつも、有難う御座います。
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漂って、流されて。

   明日のことは判らない。 解るのはこのままいけば終焉を迎えることだけだ。 それが明日でも数年後でも結果として同じなのだから、今更慌てたところで意味などない。 彼らは一度必死になって作り上げた幸せを、今度は自ら破壊しようとしている。しかもその事になんの疑問も持とうとせず、淡白な関係に安寧さえも求めている。 彼らを支配しているのは、爛れた皮膚にべったりと塗り手繰られた厭らしい大人のエゴと、もう替えることの出来ない積み上げれた常識だ。 だからこそ、こちらに向けられる彼らの瞳のその先は、絶望に満ちた闇だけが広がっていて、今までの彼らなどもうこの世にいない。 今は、只々無機質にこの空間を循環させる何かへと成り果てている。 新聞を見開き、その先にある表情をひた隠すその何か。 一番遠い所で携帯を操作しながら爪と爪を弾く何か。 それらの行動には一切の意味など無く、やり場のない苛立ちを紛らしているに過ぎない。 そして、どうすることも出来ず俯く自分自身も、それらとなんら変わらない。 口に運ぶ焦げたパンがなんとも美味しくて、次々に口の中に放り込んでいく。 そして最後の一口を頬張ると、のみ込む前にその場を後にした。 自室へと戻り、寝間着を脱ぎ捨て少し撚れた学生服に腕を通す。 ふと、ドアの向こう側で甲高い声が聞こえた。きっとテレビの特集で子犬でも紹介しているのだろう。 特に気にすることもなく支度を整え、最後に立ち鏡の前で自分の姿を見つめる。 映るのは冴えない少年の姿だ。猫背も、目元のクマも、口元に出来たニキビも、全て自分を創る要素の一つで、認めたくなくても認めるしかない。 少しはねた前髪を手櫛でとか
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オスカーワイルド「ドリアン・グレイの肖像」は、名言だらけの小説。

この作品を読んで、驚くのは、 各ページに「名言」がちりばめられているということ。 ------------- 序文には、彼が提唱している芸術至上主義の アフォリズムが記載されています。 「芸術家にとっては美徳も悪徳も芸術の題材である」 道徳的な正しさには価値を置いていません。 コンプライアンス云々で自主規制してしまう昨今では 芸術の幅が狭くなってしまっているのでしょうねぇ・・・(;^_^A はたまた、 「芸術が映し出すものは、作者の人生ではなく、観客である」 これは、作品の鑑賞においては 観客の人生経験が試される、ということでしょうか・・(;^_^A ------------ 第一章では、 ヘンリー卿が、友人の画家バジルが描いた肖像画を目にします。 画家バジルは言う。 「気持ちを込めて描かれた肖像画は それを描いた画家の肖像画なのだ」 そして、画家バジルは ドリアングレイに出会った時のことを回想するのです。 バジルは 美しい青年ドリアングレイを一目見て 逃げ出してしまった・・・。 ヘンリー卿は言う 「良心と臆病は本当は同じものさ。良心の方を看板にしているだけだ」 ----- 第2章では、 画家バジルが、ドリアングレイを描いている傍らで ヘンリー卿は言う。 「影響というものは、不道徳なものです。 相手は自分本来の考えをなくし、美徳さえ本来のものではなくなる」 ドリアングレイが壊れていくことを暗示しています・・・。 ----- さらに ヘンリー卿は、ドリアングレイに言う。 「美は、才能の一つ。美は人を支配者にするのです」そして、言う 「神々は、与えたものをあまりに早く奪い去っていく
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「雪国」は、読み手を選ぶ作品なのです。

「雪国」を読んで思うこと。 -------- 主人公は妻子ある文筆家、島村。 彼は、一年ぶりに雪国の温泉宿に赴きます。 美しい芸者、駒子との再会を果たすために。 川端康成は、説明的な文章では描かず じつに巧みに、抒情的な表現をしています。 つまり、ここで描かれているのは 二人の微妙な心の揺れ動き。 ストーリーを追う作品ではありません。 味わうべきは、繊細な文章表現です。 --------- ですから、読み手に「経験」が少ないと 描かれていることが理解できない・・・ ということになります。 「雪国」は、読み手を選ぶ作品なのです。 ここで描かれていることが 解るかどうか。 アナタの人生が試されます(;^_^A --------- そして この作品を料理に例えると、 隅々までこだわりぬいた美しい懐石料理。 カップヌードルばかり食べていると 味覚がダメになってしまうので注意しないと・・・(;^_^A
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谷崎潤一郎 著「春琴抄」を読まずして 何をか読まんや・・・。

いや、もう「春琴抄」だけは、 何をさておいても、読むべき作品です。 アナタの人生が変わること必至です。 というわけで・・・。 --------------- 第1回目は「春琴抄」を読んだことのない人向けに 概要の説明をしてみました。 ↓ -------- 第2回目は最初の30ページ、 春琴と佐助、二人の関係性が描かれているところを 読み解いてゆきました。 その文章の繊細で巧みなこと・・・。 一文一文が素晴らしいので、どこが素晴らしいのかを 読み解いてゆきました。 ↓ ------------ 第3回目は、次の30ページ 春琴と佐助、「主従」の関係に加えて、 「師弟」の関係にもなっていきます。 二人の関係がより濃厚になっていくわけです。 その様子は、以下からどうぞ(;^_^A ↓ -------------- 〇ついに「春琴抄」の最後の30ページを読み込んでいきます。 ここに最大の山場が出てきますので、見逃せません(;^_^A 最初のページから、これまで描かれてきたことは、 佐助が、自らの目を針で突くエピソードからの 珠玉の展開のためにあると言えます。 〇佐助は、自分の人生のすべてをかけて 春琴のために生きているのです。完全なる「純愛」なのです。 ↓
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安部公房「人間そっくり」は、 自分の存在が危ぶまれてくる小説です。

ある日、 自分は火星人だという男が訪ねてくる。 事前に奥さんらしき人から 「主人は自分を火星人と思い込んでいる。 暴れるかもしれないから刺激しないで」 と電話があったのです。 自分は火星人だという男。 彼は、ある小説の原稿を手にしている。 タイトルは「人間そっくり」 今回の出来事を、事前に小説に仕上げてきたという。 そこから、延々150ページにわたり 何が本当で、何が嘘かがわからない押し問答が続く・・・。 まるで星新一のショートショートのような展開です。 ただ・・・長い・・・(;^_^A
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