占いに行くと、最初によく聞かれることがあります。
「今のお悩みは?」
私は、この質問がずっと苦手でした。
隠しているわけでも、悩みがまったくないわけでもないのに、
「いえ、特に……」
と答えてしまう。
自分でも少し不思議でした。
占い師さんは、生年月日を見ながら、
「今は運がいいですね」
「強い星を持っていますね」
と教えてくれます。
たぶん、それはその通りなのだと思います。
でも私は、なぜか
「それで、私は何が知りたかったんだろう」
という感じが残っていました。
その後、ご縁があって、自分でも複数の先生から算命学を学ぶようになりました。
そして、いろいろな方のお話を聞いているうちに気づいたことがあります。
私のように、
「人に相談する言葉が、まだ出てこない人」
は、意外といるのではないかということです。
深刻な悩みがあるわけではない。
でも、なんとなく引っかかっていることはある気がする。
自分の中に「何か」はあるのに、
それがまだ、うまく言葉になっていない。
そんな時に必要なのは、
自分や過去、未来を当ててもらうことではなく、
今の自分が、どんな人なのかを少し見えるようにすること
なのかもしれません。
私は、算命学を学ぶうちに、
生年月日から出てくる命式を
「自分を決めるもの」ではなく、
自分を俯瞰して眺めるための材料として見るようになりました。
たとえば、
「どうして私は、ここで頑張りすぎるんだろう」
「人からはこう見られるけれど、自分では少し違う気がする」
「何が嫌なのか説明できないけれど、なぜかしんどい」
そんなことに、
「もしかしたら、こういう性質が関係しているのかもしれない」
と、一つの言葉が置かれる。
すると、
「そうそう。そういうことかも」
と、自分の中から別の言葉が出てくることがあります。
私は、その瞬間がとても好きです。
算命学の言葉が正解なのではなく、
それをきっかけに、その人自身の言葉が出てくる。
だから今の私にとって算命学は、
未来を決めるものでも、
「あなたはこういう人」と決めつけるものでもありません。
まだ言葉になっていない「わたし」を見つけるための、一つの道具。
そんなふうに使えたらいいなと思っています。
もし今、あなたも
「相談したいことが、うまく言葉にならない」
「悩みというほどではないけれど、何か引っかかっている」
と感じているなら、無理に悩みを言葉にしてから来なくても大丈夫です。
生年月日から見える構造を手がかりに、
その「何か」を一緒に言葉にしていけたらと思っています。
森川ゆき