四大人(しうし)④賀茂真淵➖古事記を研究し尽くした国学者
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コラム
賀茂真淵とは何者か
賀茂真淵(1697–1769)は、
遠江国(現在の静岡県)出身の国学者です。
若い頃から和歌や古典に親しみ、のちに江戸へ出て学問を深めました。
彼は特に『万葉集』の研究に力を注ぎ、日本古来の精神を和歌の中に見出そうとしました。
真淵の思想 ― 「ますらをぶり」
真淵の思想を語る上で欠かせない言葉が
ますらをぶりです。
これは
・力強い
・素朴で自然
・飾らない
という、日本古来の男性的で雄大な精神性を表します。
彼は、『万葉集』の歌風にその精神を見ました。
当時主流だった、優美で技巧的な和歌(いわゆる「たをやめぶり」)に対し
真淵は「もっと古く、もっと素朴な日本の心」に価値を見出したのです。
『万葉集』研究の功績
真淵の代表的な著作は
・『万葉考』
・『国意考』
などがあります。
彼は『万葉集』を通して、
・日本人本来の感情は、理屈よりも
「情(こころ)」にある
・儒教的な道徳よりも、自然に湧き上がる感情
が尊いと主張しました。
この思想は後に弟子である本居宣長へと
受け継がれ、「もののあはれ」という概念へと
発展していきます。
本居宣長との出会い
1763年、伊勢松坂に立ち寄った真淵は、若き日の本居宣長と対面します。
これを「松坂の一夜」と呼びます。
この出会いが、のちの国学史を大きく動かしました。
真淵は宣長に
まず『古事記』を学びなさい
と助言します。
この一言が、宣長の『古事記伝』へとつながっていくのです。
神道との関係
真淵の学問は、神道復興にも大きな影響を与えました。
・日本の神話や古典を重視
・外来思想に頼らない日本固有の精神の探求
・天皇中心の国家観の強化
後の平田篤胤の思想、さらには幕末の尊王思想にもつながっていきます。
まとめ
賀茂真淵は、
・『万葉集』を通して日本古来の精神を見直し
た学者
・「ますらをぶり」を提唱
・本居宣長へ学問を継承した重要人物
四大人の中でも、橋渡し役となった存在と言えるでしょう。