保険制度を調べていたら、窓口で見てきた景色の意味がわかった話

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コラム
今日はLINE構築や副業の話ではなく、本業(歯科医院で受付兼助手として働いています)での気づきの話です。

先日、窓口対応のために保険点数を調べ直していました。インレー(詰め物)やクラウン(いわゆる全部金属冠と言われるかぶせ物)の点数、ブリッジ(両隣の歯を土台にして被せる連結タイプの被せ物)の点数。数字を追ううちに、「クラウン・ブリッジ維持管理料」(略して補管)という制度に行き着きました。一度歯冠修復物(かぶせやブリッジ)を入れると、同じ部位は2年以内は保険で作り直せない、というルールです。

調べてみると、この制度は2年前に範囲が縮小されていました。もともとインレーは対象外なのですが、それに加えて、一般的な被せ物も対象外に。今も対象として残っているのは、ブリッジやジャケット冠と呼ばれるプラスチックのかぶせものなど一部だけです。理由は、金属の冠は思ったより長持ちする、というデータが出たからだそうです。少し意外でした。窓口の感覚では、むしろ逆で、2年くらいで同じ場所がまた悪くなる印象の方が強かったからです。2年という縛り自体、あまり意味がないのでは、とすら思っていました。

制度の話としてはそれだけなのですが、この2年という数字を見て、思い出すことがあります。

ブリッジをsetするときには、補管に関する説明の紙をお渡しします。「同じ部位は2年以内、保険では作り直せません」というようなことが書かれた紙です。様式は都道府県によって違うのかもしれませんが、かぶせやブリッジをsetしたことがある方なら「そういえばなんか紙もらったな」くらいの認識はあるかと思います。ただしこれは保険治療の場合の話で、自費治療には補管という制度自体がないので、この紙もありません。

自費でブリッジなどを入れた場合、こういう紙の案内自体がありません。そのせいか、自費で治療した部位が2年ほどでまた悪くなったとき、窓口で不満そうな顔をされる方がいることが、実際にあります。「お金をかけたのに、また治さないといけないの…!?」というような反応です。先生も、はっきりした理由までは言わないことが多いです。私も、うまく言葉を返せずにいます。

保険でも自費でも、同じ部位がまた悪くなること自体は珍しくありません。振り返ってみると、だいたい2年前後の周期で同じ場所を治療し直しているケースを、何度か見てきた気がします。

先生はいつも「歯磨きを丁寧に、としか言えない」と言います。二次う蝕の原因は、境目のわずかな隙間だったり、噛み合わせの力だったり、日々のケアだったりして、一つに絞れないことの方が多いようです。原因を無理に決めつけて説明する方が、かえって不誠実なのかなと思っています。

歯は、皮膚と違って元に戻りません。削ったところや歯を抜いた(乳歯から永久歯に変わるときを除く)ところは、二度と天然の状態には戻りません。歯科治療は「元に戻す」行為ではなく、「削った分を人工物で補って、なんとか機能を保つ」行為でしかありません。冠にしても詰め物にしても、天然の歯質よりどうしても必ずどこかに弱点を抱えることになります。

だから、「治療した=もう安心」という患者さんの感覚と、「治療した=これからもケアし続けなければいけない部位が増えた」という歯科医療側の感覚には、最初からズレがあります。制度がどう変わろうと、このズレ自体はなくならないのだと思います。ただ、このズレを少しでも埋めていくのも、医師を始めとした私たち医療関係者の仕事なのだと思います。


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