心癒されるペットとの暮らし。可愛い姿を見ながら一緒に生活できるのは何よりの幸せですよね。そんなペットとの生活の中では食事やトイレなど日々のお世話が欠かせません。加えてペット特有の匂いや住まいのキズのお悩みも。いろんな便利グッズも市販されていますが、ちょっと視点を変えて、壁紙から見直すことで毎日のお世話がちょっと楽になったり、「あ〜、やられちゃった!」を防げることもあります。そんな便利な機能を持つ壁紙をご紹介します。
<壁紙の耐久性はどのようなものを選ぶ?>
壁紙には天然素材の和紙や紙でできているタイプと、ビニルクロスと呼ばれる塩化ビニル性のタイプがあります。ビニルクロスは伸縮性があり破れにくいので施工性が良く、経済性からも有利なので一般住宅で使われることが多く、壁紙といえばビニルクロスを指すことが殆どです。
一般的な壁紙は引っかいたり、尖った物が当たると簡単に破けてしまいます。ペットの種類や性格によりますが、犬や猫と暮らすと壁紙の弱点である破れやすさ、爪での引っ掻きキズに悩まされることが多いようです。さらに壁紙の下地の石膏ボードは表面の紙が破けると中の石膏がボロボロに削れてしまうので、それをガリガリするのがペットの楽しみになってしまうと困ってしまいます。
そこで、国内の壁紙メーカーから、壁紙の弱点である引っ掻きキズに強いタイプが開発されています。ビニルクロスはビニル樹脂を発泡させて凹凸をつけながら作られます。ペット用の強化壁紙は、この凹凸を小さめにして表面に透明なフィルムをラミネート加工しています。このフィルムは撥水性と強度を兼ね備えているため、引っ掻きキズに対して数十倍の強さがあることに加えて、衝撃に対しても数倍の強さがあります。また、日常生活の汚れは水や中性洗剤で綺麗にできるので、お手入れも簡単です。一般的なクロスに比べて単価は高くなりますが、その効果は期待できるようです。
ペットがよく遊ぶコーナーのあるリビングや、ごはんを欲しがってガリガリしそうな食事用のスペースにはそこだけ高耐久タイプの壁紙を貼ってあげると安心です。カラーバリエーションも豊富なので、床から90cmほどの腰部分まで張り分けたりするとインテリアのアクセントになります。
新築やリフォーム時にこういった機能性壁紙を指定できればベストですが、後から壁の上に貼るDIY商品も豊富です。貼ってはがせるタイプの透明な保護シートやクッションシート、かじられやすいコーナーを保護する材などがあります。ホームセンターやペットショップでもこういった商品は置いてありますので、壁全面でなくてもペットから狙われやすい部分を保護してあげると安心です。ただし強粘着シールタイプのものは、剥がすと元の状態に戻らないため、賃貸住宅の場合には注意が必要です。
しかし、どんなに強化されていても、やはり壁紙は薄い膜なので、絶対に破けないという保証はありません。破けたり剥がれてしまった場合には補修する接着剤や、部分的に張り替えるシールタイプの壁紙もあります。壁紙の上から塗る漆喰や珪藻土もあります。とにかくキズが広がったり、深くならないうちに手当てするのが肝要です。
<壁紙の防臭はどのようなものを選ぶ?>
ペットの室内飼いのお悩みとしてもう一つ挙げられるのが、ペット特有の匂い。そんな匂いを軽減してくれる壁紙もあります。
メカニズムは様々ですが、国内の壁紙メーカーでは防臭効果の高いビニルクロスが豊富に作られています。壁紙の中や表面に消臭効果のある消臭剤や光触媒を配合しているため、単に匂いを吸着する事にとどまりません。サイクル消臭と言って、空気さえあれば匂いの吸着、分解、再生を繰り返してくれる商品もあります。効果は一般的な壁紙の張り替え時期と言われる5年から10年の商品もあれば、半永久的と謳う物もあります。
壁紙というと、色や柄を選ぶ事に専念しがちですが、各社のカタログで性能の違いを見比べてみるのも面白いですね。ペットの匂いに限らず、焼肉臭やタバコ・生ゴミ、人のトイレの匂いに対しても消臭効果があるため、キッチンやトイレ、玄関での使用を推奨されていますが、ペットがいるおうちでは、リビングや寝室にも有効です。ペットが過ごす時間の長いケージ周りを防臭効果の高い壁紙をで囲ってあげるのも効果的です。消臭には有効使用面積の目安があるので、部分的に使うよりは天井全体と壁2面〜3面に施工することで十分な効果が得られます。
消臭壁紙には、壁紙に付着した細菌の増殖を抑制してくれる抗菌機能のある商品もあり、トイレに最適ですが、表面に汚れやホコリが付くと十分な効果が得られません。やはりペットと快適に暮らすためには、こまめにお掃除をしてあげましょう。
壁紙以外でも漆喰・珪藻土などの塗り壁には消臭効果があります。もともと多孔質な素材なので匂いを吸着してくれ、防音性能が高いというメリットもあります。しかし、そんな自然素材にも負けないビニルクロスの最大のメリットは、水拭き掃除ができることです。軽い汚れがついた時にはタオルなどでキレイにできるのは嬉しいポイントです。お掃除したい箇所はビニルクロスにして、あまり汚れない場所には塗り壁など自然素材を取り入れたり、色んな消臭効果のある素材を組み合わせるのも良いかもしれません。
<壁紙を貼れない壁とは?>
一般的な壁紙は、元々がどんな壁であれ、下地を調整したり、接着剤を適切なものを選んであげれば、その上から貼ることができます。プロに頼むのであれば、そう言った壁紙と下地の関係を熟知しているので心配いりません。ですが、もし自分でDIYするなら、もとの壁の種類によって壁紙を貼る手間がだいぶ変わってくるので注意が必要です。家を購入する際、物件を内見する時には壁の仕上げが何かをよく見てみましょう。
壁紙が貼ってある場合には、壁紙の表層面を剥がして下地処理をしたり、場合によっては剥がさずにその上から新しい壁紙を貼るので、比較的手間はかかりません。
ペンキを塗ってある壁やプリント合板の場合には、水をはじくため、専用ボンド入り接着剤を使ったり、ジョイントが剥がれやすくなるので補強用のテープを貼る必要があります。
コンクリートや土壁の場合、下地に吸水性がありすぎるので、下地を固めたり、吸水性を抑える調整剤を塗る必要があります。接着剤にはペンキ壁の時と同様に専用ボンド入りを使用し、補強用のジョイントテープを使います。
繊維壁や聚落壁のように表面が凸凹している場合は、壁面全体に接着剤を薄めた物を塗ってから壁紙を貼る必要があります。とくにざらざらしている場合にはサンドペーパーで軽く削ったり、平にするためにパテで処理をします。あまりに古い壁の場合には、その壁を剥がすか、ベニヤ板などを貼って下地を作ってから壁紙を貼ります。
また、元々の壁の状態が良ければ、部屋全体をペット用に張り替えなくても、壁紙の上から手軽に貼れるペット対策に表面加工された壁紙を使うという手もあります。サイズは約1m四方なので、部分的に補強したい箇所やすでに汚れたり破れてしまったところを隠すためには便利です。強接着シールタイプなので剥がすと元の状態には戻りません。古い壁紙を剥がした壁や合板、プラスチックの上には貼る事ができますが、土壁、砂壁、京壁、モルタルなどの塗り壁や繊維壁にはあまり向いていないようです。
<まとめ>
人間だって普通に暮らしているうちに床に汚れやシミができてしまったり、壁に傷をつけてしまう事もあります。掃除もしなければなりません。ペットがの生活でキレイを保とうとして疲れてしまうなら、せっかくの暮らしが本末転倒です。
生活の中でできる傷は思い出の一つ。それ以上にペットから受け取る温もりは大きなものです。補修の仕方や壁の張り替え方を知っていれば気持ちにゆとりも生まれます。機能的な壁紙で十分な対策をしてあげると安心ですが、あまり神経質にならずに多少の傷や汚れがついても、気ままにペットとの暮らしを楽しむというのも、ペットと共に生きる知恵なのかもしれませんね。