『WAVとかmp3とかよく聞くけど、違いは?』
『例えばミックス依頼をするときに全てmp3の音源で依頼をしたらどうなる?』
と疑問に思っている方向けの記事です。
✔︎本記事の内容
1、ミックス依頼をする時に全てmp3の音源で依頼をしたらどうなる?
2、WAVとは?
3、mp3とは?
4、違いを目で見てみましょう
5、他にもある、こんな音声ファイル
レコーディングの専門学校を卒業、2018年~ミックス師として115曲ほどミックス(2021年1月現在)をしているハシマミが解説します♪
ミックス依頼をする時に全てmp3の音源で依頼をしたらどうなる?
mp3は圧縮をされた音源ですので、圧縮をしたものは元に戻りません。
ですので、例えば歌ってみたの依頼をする際、オフボーカル(カラオケ)音源もボーカル音源もmp3で提出をすると、ミックスをして出来上がった音源も圧縮されたままの音源になります。WAV形式の音源で納品されても、圧縮は戻っていません。
ですので、依頼をする際は全てWAV音源で提出をしましょう。
WAVとは?
WAVまたはWAVEと表記し、ウェイヴ・ウェヴ・ワヴと読みます。私はワヴと読んでいます。
非圧縮形式なので、録音した音、オリジナルの音そのままです。
CDにはWAV形式で入っています。
✔︎ちょっと豆知識
CDは74~80分の音楽を収録できますが、この分数は"ベートーベンの有名な「第九」の演奏時間“です。指揮者によって演奏時間は変わりますが、大体が60超えの演奏になるので、それが全て収まるこの分数で決定されたそうです。
ファイル拡張子は「ファイル名.wav」となります。
そのため、データのサイズはかなり大きいです。1分程度の音楽で11MB弱あります。
mp3とは?
MP3またはmp3と表記し、エムピースリーと読みます。
非可逆圧縮(元に戻せない圧縮方法)された音源です。
ファイル拡張子は「ファイル名.mp3」となります。
データサイズを小さくするため、人間には聞き取れない音の範囲のみ圧縮します。WAVをmp3に変換すると約1/10に圧縮されます。
✔︎ちょっと豆知識
人間の耳で聞ける周波数の範囲(可聴周波数帯域と呼ばれます)は、約20Hz(ヘルツ)~20KHz(キロヘルツ)と言われています。ちなみにワンちゃんは15Hz~50KHz、ネコちゃんは60Hz~65KHzです。
ですので、音質の変化は普通に聴く分には感じられないかもしれません。
違いを目で見てみましょう
左側が低音域、右側にかけて中域→高音域となります。
こちらはWAV音源の音の鳴り方です。
こちらは圧縮をしたmp3音源。
高音域がばっさりカットされていますね。
人間には聞こえるか聞こえないかのギリギリのところですが、こんなにもカットされてしまうんですね。
何度も言いますが、圧縮されたものは元に戻りません。過去と一緒。
他にもある、こんな音声ファイル
WAVはマイクロソフトとIBMが開発した、Windows用の音声ファイルです。
では、Appleが開発したMac用の音声ファイルはあるのでしょうか?
あります。
それが、AIFF(エーアイエフエフ)と呼ばれる音声ファイルです。
ただし、こちらはmp3と同じ非可逆圧縮のファイルです。なのでWAVのように録音された音源がそのまま再現されるものではありません。
他にも、AAC・mp4・m4a・m4vと呼ばれるファイルもあります。
AAC(エーエーシー/Advanced Audio Coding)、ですが、mp3と同じ非可逆圧縮の音声ファイルですが、音質はmp3より若干良いです。なのでデーターサイズも少し増えます。
続いてmp4・m4a・m4vですが、少々ややこしいので興味ある方は読み進めて下さいませ。
mp4(エムピーフォー)は映像と音が一緒に入っているデータです。mp4という引き出しを想像してもらうとわかりやすいかもしれません。
この引き出しは、映像だけ、音だけ、両方、3パターン収納する事ができます。
ただ、この3パターン共にファイル拡張子が「ファイル名.mp4」「ファイル名.mp4」「ファイル名.mp4」となっていると、どれがどれだかわかりませんね。
そこで、m4a・m4vの登場です。
音だけなら「ファイル名.m4a」
映像だけなら「ファイル名.m4v」
映像と音なら「ファイル名.mp4」
と区別をするわけです。
終わり
たくさんのファイル形式がありますが、音楽制作をする時はWAV、スマホなどに音楽をたくさん入れたい時はmp3と覚えておけば良さそうですね。
それでは、また。