ココナラ・ビザスク共催「スキル・ナレッジプラットフォームの浸透と未来」セミナーレポート

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コラム
2022年4月20日、ココナラは、ビジネス領域特化でグローバルなナレッジプラットフォームを提供するビザスクと共同でメディア向けセミナー「ココナラ・ビザスク代表と両社の活用企業が登壇〜ビジネスシーンにおけるスキル・ナレッジプラットフォームの浸透と未来〜」を開催いたしました。

 コロナ禍において急速にデジタル化が進み、ココナラやビザスクといったスキル・ナレッジのプラットフォームもビジネスシーンで浸透し始めています。
この先の持続可能な経済社会システムに向けて、スキル・ナレッジプラットフォームはどう貢献できるのか?本記事では、ココナラ代表取締役社長CEO 鈴木とビザスク代表取締役CEO 端羽代表が登壇したトークセッション「ビジネスシーンにおけるスキル・ナレッジプラットフォームの浸透と未来」の内容をレポートします。


登壇者情報(敬称略)
鈴木 歩(ココナラ代表取締役社長CEO) 
端羽 英子(ビザスク代表取締役CEO)
モデレーター:南章行(ココナラ代表取締役会長)

両社の事業伸長にある社会的背景

(南)「両社が上場してからの2年間には様々な社会的変化がありました。例えば、コロナウイルスのパンデミックによって新しい生活様式が浸透しています。事業伸長の社会的背景について伺えますか?」
(端羽)「この2年で知見を受け入れる企業側が大きく変わったと思います。リモートワークが当たり前になると、どの人が正社員で、パートタイムで、生え抜きで、という垣根がなくなり、外の知見を取り入れやすくなりました。ビジネスの場面におけるコミュニケーションがオンラインに置き換わっていった環境の変化は事業成長の要因として大きいのではないかと思います。」
(南)「オンラインになったことで場所というフィジカルなものがなくなり、社内/社外という垣根が消えていったということでしょうか。」
(端羽)「事業においては知見が必要な部分とコミットメントが必要な部分、両方がありますよね。やっぱりリアルでのコミュニケーションによるチームビルディングやコミットメントの醸成が必要だよね、と再評価された部分はありながらも、クイックに必要な知見を得たい場面ではオンライン化が寄与して社外と社内の垣根がなくなっていったのだと思います。」

(南)「コロナウィルスのパンデミックによって、発注する側の企業と知見を出す側の方のどちらにより大きな影響があったのでしょう?」
(端羽)「発注側です。知見を提供する側はコロナ禍以前からだいぶ変わってきていました。しかしながら発注側が対面を重んじたり外部人材の活用に抵抗があったりしていました。」
(南)「リアルで会って聞くのが大前提だったのが、その枠組みが取れたことによって、どこの人でもオンラインで話を聞いたらいいじゃんと発想の飛躍がありましたよね。
(端羽)「比較的年齢の高い人すなわち日本企業でいえばポジションが高い人にもその認識が浸透してきましたね。社外の知見を取り入れやすくなったことに寄与していると思います。

(鈴木)「私も発注する側の変化があったと思っています。スキルホルダー側の方はもともとオンライン化になじみがあるなど柔軟な思考の方が多い傾向にあります。発注する方が非接触を強制されて初めてオンラインにチャレンジし、意外な便利さに気づいたと思っています。日本は対面を重んじるカルチャーがあるので、非対面になった瞬間にスケジュール懸念、クオリティ懸念を言われかねなかった部分があります。社会的環境の変化でオンラインを経験したことで、対面非対面関係ないと気づいたし、むしろオンラインが便利だなと感じるきっかけになったのではないでしょうか。

(南)「発注する側の働き方の変化なのか、シンプルにオンライン化したことが要因なのか、どちらが大きいでしょうか。」
(端羽)「コロナの影響ももちろんありますが、どちらかというと日本の人口がどんどん減少し、構造改革待ったなしの状況の方が要因として大きいと思っています。日本は労働人口がどんどんシュリンクしているのに対して海外のプレーヤーの脅威もあり、どのようにグローバルで戦っていったら良いんだろうと。その大きさに比べるとコロナはあくまで一過性であると捉えていらっしゃるとおもいます。」

(南)「ビザスクに対してはナレッジを聞きたいというのが事業のドライバーなので、危機感そのものが事業成長の背景にあるよねと。ココナラはいかがですか?」
(鈴木)「やはりコロナは一過性であるし、日本は変わっていかなければならないフェーズじゃないですか。海外のマーケットに負けずについて行くと考えたときに事業変化のスピードはどんどん加速していくはずです。そうすると企業の中だけに人材を求めることはナンセンスになってきていて、コア業務をする人は中に置くけれども、派生して新たなチャレンジをするところについては、柔軟に外部のリソースを使っていくという考え方が当たり前になってきました。」
(南)「日本の人口が縮小していく中で、労働人口がシュリンクしていくのでリソース面での問題はやはり共通しているのかなと思います。」
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ココナラとビザスク各社の企業における利用シーン

(南)「両社の利用シーンは色々あると思うのですが、新規事業に絞って伺えますか?」
(鈴木)「ビザスクさんと比較すると後方の段階だと思っています。例えば、ブランドを立ち上げる場合、ロゴやホームページを作ったり、販促ツールとしてチラシを作ったり・・新企業を立ち上げるためのブランディングに関わるクリエイティブや、販促物に関わる制作系のスキルをご利用いただくケースが多いです。
既存事業に比べて新規事業にマッチする点が二つあると思っていて、一つ目が圧倒的なコストパフォーマンスと二つ目が速いスピード感です。自分のニーズをハッキリさせてオンラインで探すことが出来れば、直接マッチングできるので、コストを抑えてクオリティが高い状況を実現できます。スピード面でも何十人のプロジェクトを動かすと、機動力が落ちてしまいますが、ココナラの場合、1to1のやりとりで、目の前でロゴを作ってくれているデザイナーさんそのものに相談をしながらやっていくので、やはりスピード感が段違いなんです。

(端羽)「実は私たちも初期にココナラを使わせていただきました。新規事業は進む方向が正しいのかわからないものへの投資なので多額の予算は割けないんです。限られた予算のなかで速く、何回もチャレンジさせてもらえるのは使い勝手がよかったです。実はビザスクが社内で使っている隠れキャラクターはココナラで作ってもらったんですよ。」
(南)「ビザスクの場合はどうでしょうか?」
(端羽)「様々なサービスを組み合わせることで、新規事業のアイデア創出段階から事業開発フェーズまで幅広くご活用いただいています。例えば、初期段階ですと社内の新規事業コンテストの場面で使って頂くことが多いです。社内から何百個も事業アイデアが挙がり、それを最終的に役員が審査するようなプロセスがあります。コンテストの参加者の方がその事業の現実性を提示するためのリサーチにビザスクをご利用頂く事例が多くあります。ブラッシュアップや市場調査、本当にこのアプリを作るならいくら掛かるのかなどを深くリサーチすることで企画が通りやすくなるんです。次に実際に事業アイデアが採用されて、実証実験をしたいとなると、今度は仮説検証のためにスポットコンサルやエキスパートサーベイを使ったり、三ヶ月知見のある方に伴走支援してもらいたいという場合にはビザスクpartnerの出番になります。そんな形でフェーズに合わせて新規事業開発にご活用頂いています。

企業の規模別利用

(南)「もともとビザスクは大企業に利用され、ココナラはカジュアルな利用をされていたイメージですが変化はありましたか。」
(端羽)「中小企業のご利用も増加しています。元々中小企業に向けたビザスクliteに加えて、マッチングにビザスクが介在するフルサポートサービスをご利用頂中小ベンチャー企業も増えてきています。」
(鈴木)「ココナラではビジネス制作系が全体の流通高の6割にまで伸長してきています。はじめは個人事業主から零細企業のご利用が多かったですが、ココナラビジネスをローンチして請求書発行など大企業の方の利用の障壁になっていた部分が解決されると、ご利用いただけるようになりました。」
(端羽)「昨年、アメリカの同業大手を買収したんですが、日本の企業が海外調査をするだけでなく、海外企業が日本の調査をするニーズは想定以上に多くありました。海外の機関投資家が日本の市場トレンドを理解したいというシーンでご利用頂くことが多いですね。」
(鈴木)「コア業務は社内で、関連業務は社外リソースに頼ったら良いじゃんという認識変化の中で、ココナラビジネスがさらに伸長すると思います。 今後の展開としては、PRチャネルとしてTVCMやマーケティング一辺倒でやっていましたが、ビジネス利用加速のために他の手段も重要になると思っています。ユーザー獲得手法もいろいろチャレンジしてみたいと思っています。」

スキル・ナレッジプラットフォームの未来について

(南)「超えていきたい課題とその先にある未来について、伺えますか?」
(鈴木)「まだまだアーリーアダプターにご利用頂いていて、レイトマジョリティに届いていないと感じます。全く新しいサービスで、利用したことがない人が大多数なので、オンラインで人に頼むことへの漠然とした不安を払拭して、安心安全なプラットフォームだと認識して頂けるかが肝だと思っています。サービスに磨きをかけることはもちろん、啓蒙やブランディングも重要になりそうです。」
(端羽)「安心安全なプラットフォームと認識していただくこと、スキルやナレッジの活用シーンの広がりと浸透をもっと多くの企業さんにご認識いただきたいです。質の高さを担保しながら、より気軽に、より幅広く、国境を超えて使っていただけるようにはたらきかけていきたいと思います。

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