EU向け販売が止まった理由は「書類」だった。GPSRで最初に整える3点

EU向け販売が止まった理由は「書類」だった。GPSRで最初に整える3点

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ビジネス・マーケティング
Etsyや自社ECでEU(欧州)向けに販売していたのに、2024年12月13日から適用が始まったEUの一般製品安全規則(GPSR、規則(EU)2023/988)をきっかけに、出品を止めてしまった。そんな小規模な販売者の声を聞くことがあります。
理由を聞くと、製品そのものの安全性に問題があったというより、「何を、どこまでそろえればいいのか分からない」という書類側で止まっているケースが目立ちます。GPSRで求められることは広いのですが、最初に整える順番を決めるだけでも、止まった理由はかなりほどけます。今回は、その最初の3点を整理します。

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■ 1:商品ページに載せる情報から点検する

GPSR第19条では、オンラインなどの通信販売で製品を出すとき、オファーの画面で少なくとも次の情報を明確に示すこととされています。
・製造者の名称(登録商号・商標)と、郵便および電子の連絡先
・製造者がEU域外にいる場合は、EU域内の責任者の名称と、郵便および電子の連絡先
・製品を特定できる情報(製品の画像、製品の種類、その他の識別子)
・製品や包装、添付書類に付すべき警告・安全情報(販売先の国で消費者が容易に理解できる言語で)
つまり「売れる状態」とは、製品を用意することだけではなく、ページ上にこの4点がそろっている状態です。逆に言えば、まず自分の商品ページを開いて、この4点が埋まっているか・空欄はどこかを確認するのが、いちばん手早い点検になります。責任者の欄が空欄なら、次にやることは「責任者を確保する手続き」と「その申込に必要な情報をそろえること」だと、順番が見えてきます。

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■ 2:製品・ラベルと、技術文書の中身を1つの形にする

第16条では、対象製品はEU域内に拠点を置く責任ある事業者がいる場合にのみ市場に出せて、その氏名・連絡先は製品、包装、荷物または添付書類に表示することとされています。あわせて実務では、製品ごとに「何でできていて、どう使うもので、どんなリスクが想定されるか」を説明できる技術文書の整備が求められます。
ここでつまずきやすいのは、情報が散らばっていることです。素材は仕入先のメールの中、サイズは別のメモ、注意書きは頭の中だけ。これでは、責任者サービスへの申込でも、商品ページの表示文を作るときでも、毎回集め直しになります。
やり方としては、製品(商品群)ごとに1つの形を決めてしまうことです。製品説明、素材・成分、サイズや重さ、想定する使用者と使い方、想定されるリスクとそれへの注意・警告文。この並びで1回まとめておけば、技術文書のドラフト、ラベル・警告文、商品ページ用の安全情報文は、同じ土台から作り直せます。

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■ 3:別の規制が重なる品目かどうかを、最初に切り分ける

最後に、順番を間違えやすい点です。GPSRは一般製品安全の土台の規則ですが、品目によっては別のEU法令が重なります。玩具、化粧品、電気・電子製品、食品、ベビー用品などは、その代表例です。
こうした品目は、GPSRの書類だけをそろえても足りない場合があります。だからこそ、書類作りに入る前に「自分の製品は、一般消費財としてGPSR中心で考えてよいのか、別の規制が重なる品目なのか」を切り分けておく必要があります。ここを後回しにして書類を全部作ってから気づくと、手戻りがいちばん大きくなります。判断に迷う品目は、対象として進めてよいかを先に確認する。それが3点目です。
なお、念のため書き添えます。この記事は書類整備の進め方を整理したもので、個別の製品の適合性を保証するものではありません。製品の安全性と規制への適合の最終判断は、販売者ご自身と、契約する責任者側で行うものです。

■ まとめ

GPSRで止まってしまう理由の多くは、「製品」ではなく「書類と表示の順番」です。商品ページに載せる4点を点検する、製品ごとの情報を技術文書の形で1つにまとめる、別の規制が重なる品目かを最初に切り分ける。この3点を先に済ませると、残る作業は「責任者の契約」と「ページ・ラベルへの反映」という、相手のある手続きに絞られていきます。
GPSR対応の書類整備は、こちらの出品で承っています。

■ 筆者について

しらべデスクと申します。公開情報の調査と書類の整備を仕事にしています。GPSRについては、技術文書と警告文のドラフト作成、責任者サービスへの申込準備までの書類整備を承っています(EU域内の責任者本人にはなれません。責任者とのご契約は、販売者様と責任者サービスとの間で直接行っていただく形です)。ほかに、補助金・助成金のリサーチや、店長15年の経験を生かした店舗ページ(Googleマップ)の管理代行も行っています。
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