海外販売で関税を負担すると利益はいくら減る?3つのケースで確認

海外販売で関税を負担すると利益はいくら減る?3つのケースで確認

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ビジネス・マーケティング
海外向けのネット販売では、商品が売れた後に、関税や輸入税、通関関連の費用が問題になることがあります。

購入者が負担すると思っていた費用を販売者が支払うことになれば、計算していた利益が残らなくなる可能性があります。

今回は、海外販売で関税や輸入税を考えるときの基本と、販売者の負担額が変わる3つのケースを整理します。

※記事内の金額はすべて説明用の仮定例です。

1. 海外販売では送料以外の費用も確認する


海外へ商品を送る際、国際送料だけを確認していればよいとは限りません。

商品や輸入する国によって、関税、輸入VAT・GST等、通関関連手数料が発生する場合があります。

また、関税がかからなくても、ほかの税金や事務手数料が発生することがあります。

そのため、利益計算をする際には、送料と税金、通関関連手数料を分けて整理することが重要です。

2. 関税は誰が支払う?

国際取引では、売主と買主の費用負担を整理するために、DAPやDDPという貿易条件が使われることがあります。

DAPの場合

Incoterms® 2020の原則では、輸入通関や輸入関税・輸入税は基本的に買主が負担します。

DDPの場合

Incoterms® 2020の原則では、輸入通関や輸入関税・輸入税は売主が負担します。

ただし、実際のネット販売では、販売サイトの制度や配送サービス、仕向国の法律なども関係します。

DAP・DDPという言葉だけで、実際の請求先が決まるわけではないため注意してください。

3. 購入者が輸入関連費用を負担するケース


まず、次の条件で商品を海外販売したと仮定します。

販売価格:20,000円

仕入れ原価:9,000円

国際送料:2,500円

販売関連手数料:2,000円

梱包・出荷作業費:500円

販売者がこれらの費用を負担する場合、列挙した費用を差し引いた残額は、

20,000円 − 9,000円 − 2,500円 − 2,000円 − 500円 = 6,000円

となります。

購入者が輸入時の関税等を別途負担し、販売者に追加請求がない条件なら、この仮定では6,000円が残る計算です。

ただし、購入者が輸入時の費用を把握していなければ、受け取り拒否や返品につながる場合があります。

事前に費用負担の条件を伝えることも大切です。

4. 販売者が負担するケース


次に、販売者が輸入関連費用を負担した場合を考えます。

説明用として、次の金額を仮定します。

関税相当額:1,500円

輸入税相当額:1,800円

通関関連手数料:700円

合計:4,000円

先ほどの残額6,000円から4,000円を差し引くと、

6,000円 − 4,000円 = 2,000円

です。

商品価格は同じ20,000円でも、販売者が輸入関連費用を負担すると残額が大きく減ります。

この例では、6,000円から2,000円への減少です。

ただし、実際の輸入税等の税務上の回収可能性は考慮していない簡易計算です。

5. 追加請求があったケース


さらに、販売者が輸入関連費用を4,000円と見積もっていたのに、最終的に5,500円請求されたとします。

この場合、

6,000円 − 5,500円 = 500円

となります。

当初想定より1,500円多く費用がかかったため、残額も1,500円減少します。

こうした差額の原因として考えられるのは、商品の関税分類、原産地、課税価格、通関手数料、為替変動などです。

見積書に記載された費用と、実際の請求明細を照合することが重要です。

6. 3つのケースの比較


今回の計算例を並べると、次のようになります。

購入者負担の場合:6,000円

販売者が輸入関連費用を負担しないケースです。

販売者負担の場合:2,000円

販売者が4,000円の輸入関連費用を負担するケースです。

追加請求があった場合:500円

販売者負担が5,500円になったケースです。

ここで確認したいのは、販売価格が同じでも、関税等の負担条件によって採算が変わるということです。

これらは説明用の残額であり、広告費、固定費、税金などを反映した最終利益ではありません。

7. 税率を調べるために必要な情報


商品にかかる関税は、単純に販売価格だけで決まるとは限りません。

実際に確認するときは、次の情報を整理します。

商品の品名、用途、素材、仕様

輸入する国・地域

商品の原産地

HSコードなどの品目分類

商品価格や送料等の課税価格に関係する情報

適用可能な優遇制度

特に、発送国と原産国を混同しないことが重要です。

日本から発送する商品でも、日本原産品とは限りません。

また、日本への輸入に適用される関税率表を、そのまま海外の仕向国へ当てはめないようにしましょう。

8. 販売サイトの制度も確認する


Amazon、eBay、Shopeeなどでは、販売先の国、配送サービス、物流プログラムによって税金の徴収や費用負担が異なる場合があります。

販売サイトが購入時点で徴収する税金と、配送会社等から輸入時に請求される費用も区別する必要があります。

そのため、販売前には対象国の最新ルールを確認してください。

特に複数の国で販売している場合、一つの国の条件をほかの国にも当てはめないようにすることが重要です。

9. 仕入れ前に確認したいこと


新しく海外向けの商品を仕入れる前に、次の内容を確認してみてください。

商品の原産地と販売先の国

輸入時に発生する税金や費用

購入者と販売者の費用負担

配送会社の通関関連手数料

費用を含めた販売後の残額

未確認の費用をゼロ円と決めつけず、見積もりや公式情報で確認しましょう。

まとめ

海外販売で利益を考えるときは、国際送料だけでなく、関税・輸入税・通関関連費用の負担者を確認する必要があります。

今回の仮定例では、購入者負担なら6,000円、販売者負担なら2,000円、追加請求がある場合は500円という結果になりました。

実際の税率や手数料は、商品と輸入先の国によって異なります。

利益計算の前に、誰が、どの費用を、いつ負担するのかを整理することから始めてみてください。

※金額は説明用の仮定例であり、実際の税率、販売実績、利益を示すものではありません。

※税務・通関の個別判断が必要な場合は、税関や専門家等へご確認ください。

費用負担の表示と契約条件を照合する


以下は社内での確認方法の一例です。

例示の数量・金額は実績や公式条件ではありません。

関税等を販売者が負担する案内を出すなら、取引条件、配送契約、販売先の設定がその案内に対応しているか確認します。

DDP等の語だけで実務が完了するわけではありません。

判断に迷ったとき:輸入通関を誰が行えるか不明な間は、販売者負担での配送を確約しません。

残すメモ:合意した取引条件/指定場所/輸入者/税・手数料の負担者/根拠

次の一手:関税、輸入税、立替手数料を分け、購入者向け表示と一致させます。

※掲載画像はAI生成のイメージです。
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