ネット販売では、商品が売れたときの利益だけでなく、返品が発生した場合の負担も確認しておく必要があります。
特に海外向け販売では、購入者への返金、国際送料、検品、再販売など、
複数の費用が関係します。
商品を販売できたとしても、返品によって当初の採算が変わることが
あります。
今回は、返品が発生したときに何を記録し、どのように損失を
整理すればよいのかを紹介します。
1. 返品で発生する費用は返金額だけではない
返品が発生した際には、次の費用を確認します。
商品を購入者へ送った送料
商品を戻すための返送料
返金後も売主が負担する販売手数料
最初の梱包資材費
返品商品の検品・再梱包費
商品が壊れていた場合の損失
修理や廃棄に必要な費用
販売先や返品理由によって費用負担は変わります。
返品があったという事実だけで、すべての項目を一律に計上しないよう
注意してください。
2. 返品がない場合の採算
まず、説明用の商品を想定します。
※以下の金額はすべて仮定例です。
販売価格:5,000円
仕入れ原価:1,800円
送料:700円
販売手数料:600円
梱包費:100円
これらを差し引いた残額は、
5,000円 − 1,800円 − 700円 − 600円 − 100円 = 1,800円
です。
正常に販売が完了した場合、列挙した費用を引いて1,800円が残る
計算となります。
広告費、固定費、税金などは含んでいないため、最終的な会計上の
利益ではありません。
3. 商品が戻ってくる場合
購入者へ商品代金を全額返金し、商品を返送してもらう場合を考えます。
ここでは、次の費用が発生したとします。
最初の送料:700円
返送料:900円
梱包費:100円
返品後の検品費:200円
返金後に残る販売手数料:100円
この仮定では、当初の販売手数料600円のうち500円が返還されたもの
とします。
費用の合計は、
700円 + 900円 + 100円 + 200円 + 100円 = 2,000円
です。
商品代金は全額返金されているため、元の販売による売上は残りません。
ここで確認したいのが返品商品の状態です。
再販売できる商品が戻った場合、商品を在庫として管理できることが
あります。
この場合は、仕入れ原価を返品対応費用と重複して損失扱いしないことが
重要です。
戻った商品を再販売する場合には、販売価格や新たな送料・手数料を使って、別途採算を確認します。
4. 商品が壊れて戻った場合
商品が破損しており、再販売できない場合もあります。
先ほどの返品対応費用2,000円に加え、仕入れ原価1,800円相当の価値も
失ったと仮定すると、
2,000円 + 1,800円 = 3,800円
の負担になります。
商品が戻ってきても、販売できる状態とは限りません。
開封済み、付属品不足、動作不良など、再販売価格を下げなければならない
場合もあります。
そのため、返品商品の状態を確認したうえで、再販売可能・値下げが
必要・再販売不可などに分けて記録しましょう。
5. 返送した方がよいかも費用で変わる
海外販売では、商品を返送してもらう費用が高額になる場合があります。
例えば、返品商品の回収価値が1,800円、返送料が900円、
検品費が200円の場合、
1,800円 − 900円 − 200円 = 700円
です。
この条件だけであれば、回収後に700円相当の価値が残る計算となります。
ただし、海外から商品を戻す際の諸費用や保管費用が追加される場合も
あります。
返送せずに返金する方法が認められるかどうかも、販売先の規約によって
異なります。
自己判断で対応する前に、注文条件や返品ルールを確認してください。
6. 返品記録は商品ごとに残す
返品が発生したら、売上管理とは別に返品管理の記録を残しておくと
便利です。
記録したいのは、注文番号、返品理由、返金額、往路送料、返送料、検品費、手数料、商品状態、再販売可否などです。
特に次の3つは区別しましょう。
お金が戻らない費用
すでに支払った送料や、返金後も負担する手数料など。
商品として戻る価値
再販売が可能な商品を在庫として管理する場合の評価額。
将来発生する費用
再販売時の送料、販売手数料、追加梱包費など。
これらを分けることで、同じ商品原価を二重に計算することを
避けやすくなります。
7. 返品に備えて仕入れを見直す
返品対応は、発生してから処理するだけではありません。
実際に販売した数量と返品件数を記録すれば、仕入れ前の判断にも
役立ちます。
例えば、100件の販売で4件返品され、返品1件当たりの追加的な損失が
平均2,000円だったと仮定します。
この場合、
4件 × 2,000円 = 8,000円
8,000円 ÷ 100件 = 80円/販売1件
という参考値を計算できます。
もちろん、次の100件でも同じ割合で返品されるとは限りません。
返品の原因や販売先の違いも確認し、実績を継続的に蓄積することが
重要です。
まとめ
返品の損失は、購入者へいくら返金したかだけでは判断できません。
送料や返送料、検品費、手数料などを整理し、返品された商品が
再販売できるかどうかまで確認する必要があります。
今回の説明用モデルでは、通常販売時の残額が1,800円でも、返品時には
2,000円、商品価値を全損した場合は3,800円の負担になるケースを
比較しました。
まずは直近の返品を一件選び、実際に発生した費用と商品の状態を
記録してみてください。
返品対応を記録する目的は、損失額を把握するだけでなく、次の仕入れや
販売条件の判断に使える情報を残すことです。
※本文の金額や販売条件は説明用の仮定例であり、実際の販売実績、利益、
返品率を示すものではありません。
※掲載画像はAI生成のイメージです。